引用元:長身美女に逆ナンされてセフレになった
53:トオル@\(^o^)/ : 2017/08/28(月)23:35:15.19 ID: yKVD6FjhH.net
その日俺はいつも通り家でボーっとしていた。
この頃の俺の生き甲斐はイズミだけで、平日は死んだように過ごしていた。
1週空くということは2週間会えないわけで本当にしんどかった。
彼に対する嫉妬は無かったね。最初からわかってたことだから。
俺はイズミの変化に全く気づいてなくて、
いつも通り彼に会っていつも通り帰って来るものだと思っていた。
気づいていたところで
当時の俺にイズミの人生を背負う覚悟なんてなかったけれど。
前記事: 大学時代に美女に逆ナンされ、間男として過ごしていた→美女は本命彼氏にプロポーズされ疎遠になって18年、偶然彼女と再会…【1/3】
54:トオル@\(^o^)/ : 2017/08/28(月)23:36:48.61 ID: yKVD6FjhH.net
流石に2回留年するわけにはいかないからね。
就職は業種よりも土日祝きちんと休めるかどうかで決めた。
とにかくイズミと今まで通り付き合うことしか頭に無かった。
要するに俺は何もわかってなかった。
55:トオル@\(^o^)/ : 2017/08/28(月)23:37:36.21 ID: yKVD6FjhH.net
俺はいつも通りイズミのアパートに向かった。
イズミはゲームをしてなかった。
俺「おはよう、何でゲームしないの?」
イズミ「・・・」
俺「イズミ?」
イズミ「ごめんなさい!」
え?
56:トオル@\(^o^)/ : 2017/08/28(月)23:39:09.32 ID: yKVD6FjhH.net
先週イズミは彼に別れを切り出すつもりだった。
だが食事を終えていざ!というタイミングで彼が機先を制す。
彼「今まで寂しい思いをさせてすまなかった」
思わず彼の顔を見る。
彼「これを受け取って欲しい」
そう言うと小さな箱を差し出した。中身はもちろんアレだ。
予想外の展開にキョトンとするイズミ。
58:トオル@\(^o^)/ : 2017/08/28(月)23:41:23.15 ID: yKVD6FjhH.net
でも俺は前から仕事が一段落したらイズミにプロポーズしようって決めてたんだ」
イズミ「え?でも、女性関係は片付いてるの?」
彼「女性関係!?」
イズミ「あ、いや、えっと」
彼「何か勘違いしてるみたいだけど
俺がこっちで就職したのはやりたい仕事を見つけたからで、
こっちで女を作るなんて考えたこともない。
確かに学生時代は遊んでたけどこっちに来る時にイズミ以外の女は全部切った。本当だ」
イズミ「それなら・・・何で会ってくれなかったの?」
彼「大事なプロジェクトを任されてどうしても時間が取れなかった。
将来に関わる仕事だったんだ。
イズミと、いずれ生まれてくる子供を養っていく為にも今頑張らなきゃって」
イズミ「ちゃんと考えてくれてたんだ。
でもお盆休みに来なくていいって言ったのはどうして?」
彼「それは、月2回来てもらうのは申し訳なくて。交通費もバカにならないし」
イズミ「そうだったの・・・」
彼「で、受け取ってもらえるのかな?」
断られないって知ってて言ってるだろ。だが断る!
59:トオル@\(^o^)/ : 2017/08/28(月)23:42:59.95 ID: yKVD6FjhH.net
彼「うん、成功した。しばらくは忙しくならないと思う」
イズミ「そう、良かったね。私も嬉しいよ」
イズミはそれを左手薬指にはめてみた。が
イズミ「ゆるーい」
彼「ええ?」
イズミ「使い回しじゃないよね?」
彼「なんてこと言うんだ!」
イズミ「冗談よwでもこれは流石にひどいわ」
指輪をスポスポしながら言う。
彼「・・・」
イズミ「明日私が帰るまでにサイズ直して来て。
そしたら受け取ってあげる」
60:トオル@\(^o^)/ : 2017/08/28(月)23:44:30.88 ID: yKVD6FjhH.net
イズミ「ううん、結局私もついて行って別のに替えてもらったの。
それがこれ。こっちの方がデザインいいでしょ。値段も張ったけどw」
俺「元の指輪を見ていないので何とも言えません」
イズミ「そっかw」
浮かれやがって。
俺「ところで1つ聞いてもいい?」
イズミ「な、何かな?」
俺「何で彼と別れようと思ったの?」
イズミが派手にズッコケた。
61:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2017/08/28(月)23:45:00.76 ID: ov78Ycfb0.net
嘘ついてそう
64:トオル@\(^o^)/ : 2017/08/28(月)23:47:47.70 ID: yKVD6FjhH.net
やっぱりそう思う?
67:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2017/08/28(月)23:50:09.01 ID: ov78Ycfb0.net
合わなかった理由とか来ないでいい理由を説明しとけば
すれ違うこともなかったのに何でそれをしなかったのかが不明
62:トオル@\(^o^)/ : 2017/08/28(月)23:45:28.10 ID: yKVD6FjhH.net
イズミが般若になった。
イズミ「彼があのタイミングでプロポーズしてくれなかったらこんなお子ちゃまと・・・
彼、本当にありがとう!」
俺「何の話?」
イズミ「こっちの話だよ!」
何かまずいこと言ったかな?
65:トオル@\(^o^)/ : 2017/08/28(月)23:48:58.56 ID: yKVD6FjhH.net
俺「また随分と急な話だねえ」
イズミ「その点につきましては本当に申し訳ございません」
深々と頭を下げた。
いつかこういう日が来るとわかってはいましたが、
いざとなると怖いものです。
手の震えが止まりません。
66:トオル@\(^o^)/ : 2017/08/28(月)23:49:50.58 ID: yKVD6FjhH.net
本当にありがとう」
俺「俺、いい仕事した?」
イズミ「最高の仕事だったよ!」
イズミの役に立てたならそれでいいや。
68:トオル@\(^o^)/ : 2017/08/28(月)23:50:46.06 ID: yKVD6FjhH.net
イズミ「うん」
俺「俺を踏み台にしたんだから幸せになれよ!w」
イズミ「言われなくてもなるよ!w」
俺「じゃあ行くね」
イズミ「待って!お昼まだでしょ?夕飯も一緒に食べようよ!」
俺「いや、帰るよ」
夕飯まで一緒にいたらそういう雰囲気になっちゃうじゃないか。
イズミ「・・・そうだね、その方がいいね」
俺「さよなら、イズミ」
イズミ「さよなら、トオル」
笑顔で別れた。
69:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2017/08/28(月)23:51:51.04 ID: JEdnN8Ip0.net
イズミさんの身長は何センチぐらいだったんですか?
72:トオル@\(^o^)/ : 2017/08/28(月)23:55:07.39 ID: yKVD6FjhH.net
168って言ってた
71:トオル@\(^o^)/ : 2017/08/28(月)23:52:35.46 ID: yKVD6FjhH.net
後ろで鍵とチェーンをかける音がした。
少し歩いて廊下の途中で引き返した。
どうしても確かめたいことがあった。
ドアをノックした。
73:トオル@\(^o^)/ : 2017/08/28(月)23:56:10.76 ID: yKVD6FjhH.net
俺「ゴメン、何でもない。じゃ元気で!」
イズミ「うん、トオルも元気でね」
もう何も思い残すことはない。
あのイズミが俺との別れを惜しんで泣いている。
それだけでもう十分だった。
74:トオル@\(^o^)/ : 2017/08/28(月)23:57:34.69 ID: yKVD6FjhH.net
優しくキスをしてくれたイズミ
俺の初めての女になってくれたイズミ
俺の漫画を読んで笑ってたイズミ
膝枕で頭を撫でてくれたイズミ
俺が退屈してるとゲームしながら左手でテーブルを5回叩いたイズミ
「もっと自信持ちなよ」と言ってくれたイズミ
「私はトオルのこと大好きだよ」と言ってくれたイズミ
もう会うことは無い。
さよなら俺のイズミ。俺のことなんか早く忘れて幸せになれ。
俺はイズミのことを忘れられそうもないけど。
こうして1年半に及んだ夢のような日々は終わりを告げた。
75:トオル@\(^o^)/ : 2017/08/28(月)23:58:12.52 ID: yKVD6FjhH.net
もうちょっとだけ続くんじゃよ
76:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2017/08/28(月)23:58:25.77 ID: 1Jg/siDs0.net
78:トオル : 2017/08/29(火)00:02:37.33 ID: hINSzvJGH.net
何故ニューハーフww
77:トオル : 2017/08/29(火)00:01:31.15 ID: hINSzvJGH.net
今日はここまでにしたいと思います
79:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2017/08/29(火)00:08:59.92 ID: sDh8DCLY0.net
80:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2017/08/29(火)00:09:11.80 ID: WlqwAwNt0.net
82:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2017/08/29(火)00:11:30.21 ID: 1hvRbMZd0.net
84:鴉 : 2017/08/29(火)00:42:05.46 ID: .net
85:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2017/08/29(火)01:22:17.31 ID: mBLE5j3va.net
読みやすいしハマったわ
86:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2017/08/29(火)02:09:36.88 ID: OEnbvM9t0.net
89:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2017/08/29(火)03:17:22.85 ID: 4rGKaN9A0.net
整理できねえ、誰か解説頼む
90:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2017/08/29(火)03:35:31.62 ID: sB1/gFLK0.net
イズミには本命の彼氏がいるためトオルとは浮気関係
→トオルに惹かれていくイズミは彼氏と別れるか決断する
→しかし、イズミは彼氏にプロポーズされる。
→彼氏にプロポーズされた。トオル今までありがとう。
つまり当初の予定通りの展開。今のところ
91:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2017/08/29(火)03:35:46.49 ID: vNT4W4mu0.net
別れてないだろよく読め
92:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2017/08/29(火)08:38:11.51 ID: WlqwAwNt0.net
96:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2017/08/29(火)15:19:28.30 ID: fkgeMXLy0NIKU.net
101:トオル : 2017/08/29(火)23:01:31.18 ID: hINSzvJGHNIKU.net
続きを書いていきますね。
102:トオル : 2017/08/29(火)23:03:33.29 ID: hINSzvJGHNIKU.net
大学を卒業して就職した。
新しくできた支社の現地採用1年生で、
始業時間から終業時間までひたすら電話する仕事だった。
不純な動機で選んだ会社なんてこんなもんだ。
50人近くいた同期がバタバタ辞めていった。
俺も辞めたかったが「辞めます」という気力も
転職先を探す気力もなかった。
ズルズル続ける方がまだ楽だった。
イズミを失ったダメージは意外と大きかった。
103:トオル : 2017/08/29(火)23:04:24.47 ID: hINSzvJGHNIKU.net
新しくできた支社で役職がスカスカだし
離職率が半端ないので生き残ってるだけで出世してしまうのだ。
係長になって部下は3人できたが、相も変わらずひたすら電話。
4月になって新人が入って来た。
その中に恭子がいた。
104:トオル : 2017/08/29(火)23:05:57.60 ID: hINSzvJGHNIKU.net
明らかに見た目重視の女子社員の中に岩崎恭子をかわいくした子がいた。
俺の顔を見て一瞬驚いた後、ニコッと笑った。
嫌な予感がした。
やがて恭子の攻勢が始まった。
105:トオル : 2017/08/29(火)23:07:05.65 ID: hINSzvJGHNIKU.net
「何月生まれですか」「血液型は何ですか」「犬派ですか猫派ですか」
昼休みに必ず俺のところに来て質問を浴びせる。
俺「YOUは何しに会社へ?」
恭子「仕事はちゃんとやってますよ〜。昼休みだからいいじゃないですか」
俺「そういう問題じゃないよね。みんな何も言わないの?」
恭子「『行ってらっしゃい。頑張ってね』って言ってくれてます」
面白がってやがる。女ってやつは・・・
色黒で背が低くて太ってるという程ではないが
熊の子みたいにコロッとした恭子は俺のタイプとは真逆だった。
真逆すぎて、ど真ん中ストライクだった
イズミをつい思い出してしまうのも嫌だった。
諦めさせようと冷たくあしらったが恭子はめげなかった。
106:トオル : 2017/08/29(火)23:07:56.15 ID: hINSzvJGHNIKU.net
部下がやさぐれた。
課長が何度も舌打ちした。
「いつまで勿体ぶってるんだ!」という無言の圧力を感じた。
そして俺は抵抗を諦めた。
全員が拍手した。
※当社はアットホームで働きやすい環境です(離職率高め)
書き忘れたけど恭子は短大卒の二十歳。
107:トオル : 2017/08/29(火)23:08:49.71 ID: hINSzvJGHNIKU.net
俺「何で俺なの?」
恭子「私、イチローの大ファンなんです!」
知らんがな。
恭子「係長を初めて見た時イチローそっくり!って思って興味を持って、
思い切って話しかけてみたら素っ気ない態度もイチローみたいで
すっかりやられちゃいました」
なるほど、逆効果だったと。
どうやら俺には呪いがかかっているようだ。
変な女に目を付けられる呪いが。
一度でいいから普通の恋愛をしてみたかった。
109:トオル : 2017/08/29(火)23:13:38.14 ID: hINSzvJGHNIKU.net
素直で明るくて、愛されて育ったんだなと思った。
いつの間にかイズミと比べることもなくなっていた。
五度目のデートで結ばれた。
恭子は処女だったが
イズミに処女とする時の心得を教わっていたので何とかなった。
恭子とこういうことになってこれはこれで良かったんだろうな、と思った。
110:トオル : 2017/08/29(火)23:14:37.98 ID: hINSzvJGHNIKU.net
圧倒的経験不足でこういう時のケアがわからない。
とりあえず「まだ痛い?大丈夫?」と聞いてみた。
恭子「ジンジンするけど・・・何て言うのかな、心地いい?幸せな痛み」
こればかりは男にはわかりません。
恭子「誰かの物になるってよくわからなかったけどこういうことだったんだね」
そう言って涙を拭った。
初めて見るしおらしい恭子がたまらなく愛おしかった。
恭子「ねえトオル」
俺「何?」
恭子「私の物になってね」
111:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2017/08/29(火)23:15:10.63 ID: ZE1i90Em0NIKU.net
ヒエッ
112:トオル : 2017/08/29(火)23:15:36.48 ID: hINSzvJGHNIKU.net
恭子「じゃあ結婚して」
初めての人だから結婚したい。
以前誰かがそんなことを言ってたような・・・やっぱり俺呪われてる。
だがそれも悪くないと思った。
俺「今の俺の稼ぎじゃ恭子を養えないよ。頑張るからもう少し待って」
恭子「私と結婚する気はあるのね?」
俺「もちろんだよ!俺頑張るよ!」
あの仕事をもっと頑張るのかと思ったら正直ウンザリした。
でも転職したら恐らく平社員からやり直しだろう。
恭子「だったら頑張らなくて大丈夫だよ!」
はい?
113:トオル : 2017/08/29(火)23:16:53.35 ID: hINSzvJGHNIKU.net
俺「それはどういう・・・」
恭子「トオルはパパの会社を継ぐんだよ!」
何と恭子はお嬢様だった。
思い起こせばあの奔放さはお嬢様のそれだ。
114:トオル : 2017/08/29(火)23:32:22.58 ID: hINSzvJGHNIKU.net
すいませんでした
今日中に終わらせる所存です
115:トオル : 2017/08/29(火)23:33:31.83 ID: hINSzvJGHNIKU.net
娘がそこまで惚れてるなら、と認めてくれたらしい。
但し、恭子は一人娘だから婿養子に入って会社を継ぐことが条件だと言う。
俺の知らないところでそんな話が・・・
俺「今の仕事に未練は無いし兄がいるから婿養子の件も大丈夫と思う」
恭子「よかった」
俺「でも何でこのタイミングで言うんだ?
俺が婿養子は無理って言ったらどうする気だったの?」
恭子「お兄さんがいるって前に聞いたから大丈夫だろうと思ってた。それに・・・」
起き上がって体育座りになった。
恭子「結婚できなくても最初はトオルとしたかったから」
なんて一途な・・・誰かと大違いだ。
この時、あらゆる物から恭子を守ることを誓った。守れると信じてた。
こうして交際1ヶ月ほどで結婚が決まった。
116:トオル : 2017/08/29(火)23:34:57.00 ID: hINSzvJGHNIKU.net
恭子のおかげで苦しいだけの登り坂から逃れることが出来た。
当時の俺の心境を一言で表すと「逆玉ラッキー!」だ。
義父が新居を用意してくれて恭子との新婚生活が始まった。
恭子は前の会社を寿退社して専業主婦になった。
家事はイマイチだったが甲斐甲斐しさでカバーするタイプだった。
117:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2017/08/29(火)23:35:05.12 ID: ZE1i90Em0NIKU.net
あぁもうおバカ
119:トオル : 2017/08/29(火)23:37:02.39 ID: hINSzvJGHNIKU.net
結婚自体は後悔してないんだが
118:トオル : 2017/08/29(火)23:35:33.21 ID: hINSzvJGHNIKU.net
義父「すぐに課長にするからね」
大丈夫か?この会社。
帝王学ということで本を沢山読まされた。
幸い勉強は得意なのでついでに資格をいくつか取った。
義父「流石俺の娘だ、男を見る目がある!」
仕事は順調だった。
120:トオル : 2017/08/29(火)23:38:15.26 ID: hINSzvJGHNIKU.net
夫婦仲は極めて良好だったが子供ができなかった。
皮肉なもんだ。
恭子「仲が良すぎると子供ができないって言うもんね」
笑って言うものの寂しさは隠せない。
やがて義母の干渉が始まった。
121:トオル : 2017/08/29(火)23:39:00.62 ID: hINSzvJGHNIKU.net
しばらくは平行線をたどったが遂に恭子がまるめ込まれてしまった。
恭子が俺を拒むようになった。
恭子「今日してもできないから」
義母の指示だった。
恭子から笑顔が消えた。
俺は恭子を守れなかった。
122:トオル : 2017/08/29(火)23:39:45.93 ID: hINSzvJGHNIKU.net
結果は異常なしだったが義母は納得しなかった。
「アンタが原因に決まってる!」そう思ってるのがハッキリ見てとれた。
義母にとって最早俺は娘の身体と戸籍を汚した悪党でしかなかった。
恭子はすっかり洗脳されてしまった。
この頃には完全にセックスレスだった。
家事はきちんとしてくれたが話しかけても生返事ばかり。
義父は俺の味方だったが焼け石に水だった。
義父もまた婿養子で、跡取り息子を作れなかった負い目が有った。
123:トオル : 2017/08/29(火)23:40:27.62 ID: hINSzvJGHNIKU.net
俺はまだ恭子の心を取り戻せるはずだと思っていた。
だがそんな段階はとうに過ぎていたのだ。
やっぱり俺は何もわかってなかった。
義父に恭子と離婚して会社も辞めてほしいと言われた。
124:トオル : 2017/08/29(火)23:41:25.85 ID: hINSzvJGHNIKU.net
既に再婚相手も決まっていると言う。
遠い親戚の三男坊で体だけは立派な男だってさ。
先方は粗大ゴミが片付いて大喜びらしい。
丈夫な子供を産ませてくれるに違いないと義母も大喜び。
義父「この会社は俺の代で終わる」
寂しげに笑った。
義父「君になら安心して任せられたのに!」
激しく机を叩いた。初めて見る姿だった。
そして「本当に申し訳ない。許してくれ」と言って泣いた。
125:トオル : 2017/08/29(火)23:42:11.87 ID: hINSzvJGHNIKU.net
後を継ぐよりも、ずっとこの人の下でいたかった。
その人が目の前で男泣きしている。
惚れた男のそんな姿をこれ以上見ていたくなかった。
こうして俺は愛する妻と天職だと思っていた仕事を失った。
義父「こんなこと言う資格はないけど元気でな」
坂を登るのは大変だが転げ落ちるのは一瞬だ。
これが2000年の秋のこと。俺は30歳になっていた。
126:トオル : 2017/08/29(火)23:44:23.91 ID: hINSzvJGHNIKU.net
転職先は義父が見つけてくれていた。
義父の会社で課長だったからここでも課長。
名目上はヘッドハンティングという形だった。
バツイチの課長ということで「島耕作」と呼ばれたw
島耕作はとっくに部長だったし、
ここでは色っぽいお誘いなど一度も無いけどねw
見るからに訳アリだから「不倫がばれて前の会社にいられなくなった」
とか言われてたみたいだし現実世界はバツイチに厳しいよ。
127:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2017/08/29(火)23:44:25.24 ID: 7RJRlfJZ0NIKU.net
明日起きたら完結してるみたいだし楽しみにしとく
129:トオル : 2017/08/29(火)23:45:35.07 ID: hINSzvJGHNIKU.net
ありがとう!何とか終わらせたい
128:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2017/08/29(火)23:45:33.21 ID: ZE1i90Em0NIKU.net
130:トオル : 2017/08/29(火)23:46:42.96 ID: hINSzvJGHNIKU.net
「帝王学」で得た知識も役に立った。
あの5年間も無駄ではなかったんだなと思った。
自分にはもう仕事しかないと思って頑張った結果40歳で部長になれた。
そして2012年夏
131:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2017/08/29(火)23:47:11.65 ID: 6g4J1JrfaNIKU.net
132:トオル : 2017/08/29(火)23:47:56.37 ID: hINSzvJGHNIKU.net
俺「うん?何だったかな」
課長「今ウチに最近この辺で噂になってる
美人の保険外交員が来てるみたいですよ。かなりのやり手らしいです。
バツイチ子持ちって話ですが見た目は20代ですって」
俺「それで実際は何歳なの?」
課長「・・・40代らしいです」
俺「ふーん」
課長「興味ないですか」
俺「保険入っても受け取り人がいないんだよねー」
課長「・・・失礼しました」
妻も子もいるくせに浮かれやがって。
さて、俺は独り身だから堂々と噂の美人を見に行くとするか。
133:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2017/08/29(火)23:48:51.88 ID: 2BKrLegr0NIKU.net
134:トオル : 2017/08/29(火)23:49:10.85 ID: hINSzvJGHNIKU.net
課長「なんだ、やっぱり部長も気になってたんじゃないですかーw」
うっせーよ。
女「あ、部長さんですか?初めまして○○です!」
俺「どうも、初めまして。部長の○○です」
二人顔を見合わせて凍り付いた。
女は優しく微笑んで素早く何か書き込んでから名刺を差し出した。
名刺の裏に「メールして!」と書いてあった。
135:トオル : 2017/08/29(火)23:50:41.18 ID: hINSzvJGHNIKU.net
駅に着いたら私服に着替えたイズミが改札口で手を振っていた。
駅前の居酒屋で昔話に花を咲かせた。
イズミは何故か俺がバツイチだと知っていた。
「うちの部長もバツイチなんだけどどう?」
と課長さんが言ってたとクスクス笑った。
あの野郎!
空白期間の話は2人ともお茶を濁した。
お互いにそれ以上は追及しなかった。
楽しい時間は早く過ぎる。そろそろお開きかなと思ったその時。
イズミ「まだ大丈夫だよね?会ってほしい人がいるの!」
こんな時間に誰に会うの?
136:トオル : 2017/08/29(火)23:52:09.01 ID: hINSzvJGHNIKU.net
最初の会社にいた時に中学の同級生にア○○ェイに勧誘されたことを思い出した。
イズミ「ここに娘と住んでるの」
会わせたい人って娘?いくら何でも早過ぎないか?
俺「えっと、娘さんはおいくつかな?」
イズミ「『さん』はいらないわ。高3に決まってるでしょ」
軽く睨まれた。
意味が分からない。
何で高3に決まってるんだ?高3・・・あ!まさか!?
『さん』はいらないってそういうことか!噓だろ!?
てことはバツイチじゃなくて・・・
137:トオル : 2017/08/29(火)23:53:06.17 ID: hINSzvJGHNIKU.net
娘「お帰り、その人が私に会わせたい人?」
娘はあの頃のイズミそっくりだった。思わず息をのんだ。
娘「その人と再婚するの?」
イズミ「娘、落ち着いて聞いて、この人は・・・」
流石のイズミも言いにくそうだ。大きく深呼吸した。
イズミ「あなたのお父さんよ」
138:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2017/08/29(火)23:53:10.05 ID: 2BKrLegr0NIKU.net
139:トオル : 2017/08/29(火)23:54:10.51 ID: hINSzvJGHNIKU.net
父親は死んだと聞かされていたらしい。
イズミ「驚かせてごめんなさい。
本当はあなたが高校を卒業する時に言うつもりだったんだけど、
トオルに会ってしまった以上、早く会わせてあげたかったの」
娘「その人が、お父さん?私の・・・」
イズミ「トオルは驚かないのね」
俺「ヒント貰ってたからね。それより娘さん大丈夫?」
イズミ「だから『さん』はいらないってw賢い子だから大丈夫」
次の日も会う約束をして帰った。
あれほど望んでも得られなかった子供が俺の知らない所で生まれていた。
本当に皮肉なもんだ。
140:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2017/08/29(火)23:55:28.58 ID: 2BKrLegr0NIKU.net
141:トオル : 2017/08/29(火)23:55:44.79 ID: hINSzvJGHNIKU.net
俺「で、本当に俺の子なの?」
イズミ「うわ、サイテー!」体を傾けて両拳を口に当てた。
俺「そういうのいいから説明して」
イズミ「12月、1月は彼と会えなかったからトオルしかいないのよ。
ほら、私ゴム苦手だからいつも最後の方は生でしてたでしょ。
量も少ないし薄いから大丈夫って」
俺「いつわかったの?」
イズミ「2月末。3か月に入ってた」
俺「彼にプロポーズされた時、もう赤ちゃんいたんだよね?」
イズミ「そうなるね」
俺「その時彼としたよね?」
イズミ「・・・」
俺「うわー」
イズミ「しょうがないじゃん!まだ気づいてなかったんだもん」
俺「でも生理なかったんでしょ?」
イズミ「遅れることは時々あったから・・・もういいでしょ!」
142:トオル : 2017/08/29(火)23:56:39.24 ID: hINSzvJGHNIKU.net
イズミ「どうして?」
俺「だって俺のせいで結婚が流れて人生滅茶苦茶になったんだろ?」
イズミ「トオルのせいじゃないよ。私がちゃんと避妊しなかったからだよ」
俺「それは俺も同罪だよね」
イズミ「恨むくらいなら直接『責任とって』って言ってたよ」
俺「そうだよ!どうして知らせてくれなかったんだ?」
イズミ「そんなこと出来るわけないよ」
143:トオル : 2017/08/29(火)23:57:31.84 ID: hINSzvJGHNIKU.net
イズミ「だって1年半支えてくれたトオルを私は自分の都合であっさり捨てたんだよ?
子供ができたからやっぱり戻って来て、なんて口が裂けても言えないよ」
俺「そんなこと気にしなくてよかったのに、言ってくれたら俺尻尾振って戻ったよ」
イズミ「そう、トオルは優しいから戻って来てくれる。だから尚更言えなかった」
俺「どういうこと?」
イズミ「妊娠を告げられた時、これは私に与えられた罰だと思ったの。
彼を裏切った罪、トオルを弄んだ罪、
だから1人で育てなきゃいけないと思った。それが償いだから」
トオル「罰だなんて・・・」
イズミ「生まれた赤ちゃんの顔見たらそんな気持ちどっか行っちゃったけどね!」
そう言って笑った。
ホッとした。償いで子育てなんて誰も幸せにならないよ。
144:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2017/08/29(火)23:57:38.03 ID: 2BKrLegr0NIKU.net
145:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2017/08/29(火)23:58:37.27 ID: 2BKrLegr0NIKU.net
148:トオル : 2017/08/30(水)00:02:14.13 ID: wg5NO712H.net
本当に苦労させてしまった
>>145
イズミは本名じゃないけどね
150:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2017/08/30(水)00:03:07.57 ID: Qo3q4zsd0.net
わーっとるわいw
146:トオル : 2017/08/29(火)23:58:52.69 ID: hINSzvJGHNIKU.net
イズミ「それも考えたけど甘えん坊のトオルとの未来が想像できなかった」
確かにあの頃の俺に家庭を顧みる余裕はなかったかもしれない。
イズミ「トオルに知らせたら子供が2人になると思った・・・」
向かい合った席から俺の隣に移動した。
イズミ「フフ、お子ちゃまだったトオルが今や部長さんか、私見る目が無いね」
俺の首に手を回した。
俺「俺が出世してると知って惜しくなった?」
イズミ「こう見えてもトオルより稼いでるよ!敏腕外交員なめんな!」
俺「冗談だよw途中でインチキしてるから部長は俺の実力じゃないよ」
イズミ「インチキ?」
俺「その話はまたいずれ。今日はイズミの話を聞かせてよ」
147:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2017/08/30(水)00:01:42.47 ID: Qo3q4zsd0.net
149:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2017/08/30(水)00:02:38.24 ID: Qf4OrBmO0.net
結局、早々に結婚して失敗してるじゃねーか
昼ドラのテンプレって感じっすなー