引用元:タヒなせてしまった女に贖罪をさせてくれ

102名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)03:33:10.10 ID: wwy4s/vI.net

あかねは俺と同じように募る気持ちをコントロールできずに、
Kに対する恋心を大きく育てていった。
その気持ちが大きくなればなるほど、俺への感情は憎悪、嫌悪へと変わってゆく。

前記事: 高校時代の初恋相手が俺のせいでタヒんでしまった。彼女の好きな人は俺の親友だった…【1/3】




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103名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)03:33:43.53 ID: wwy4s/vI.net

高校三年はあかねとは別のクラスになり、
あかねはそのクラスで軽いいじめに会っていたようだった。
理由は、俺がかつて振ってしまった女の子に目を付けられて
シカトされたり陰口を叩かれたり、女の嫉妬だった。




104名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)03:34:14.03 ID: wwy4s/vI.net

結局、俺の初恋は失恋に終わった。今にしてみればよくある話だし、
何て事は無いホロ苦い失恋ばなしだと言えば、そうだろうなと思う。




107名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)03:35:27.89 ID: wwy4s/vI.net

けれども、この失恋は、俺に
深い傷とKに対しする拭いようのない劣等感を残していった。




106名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)03:34:48.21 ID: vE/X9W3h.net

誰も悪くないのに状況が悪いと
1みたいな生真面目な人が進んで犠牲になるよね




108名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)03:37:16.86 ID: COd6JsKY.net

>>106
犠牲者ではない。加害者だ。




109名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)03:38:14.07 ID: COd6JsKY.net

高校を卒業して、あかねはとある大手メーカーの事務員に就職した。

Kと俺は別々の大学に進学して、付き合いも疎遠になっていった。




110名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)03:38:55.45 ID: COd6JsKY.net

ひとり暮らしをはじめ、
俺は高校の時のように無理に明るい人間になるのをやめ、
普通の人間になれるように努力していた。




111名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)03:39:34.28 ID: COd6JsKY.net

高校の時にはじめたバンドの経験を活かし、
ロックバンドが集まるサークルに入り、
新しい環境、新しい友達、新しい自分を形作るなかで、
初めての彼女もできた。




112名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)03:40:13.43 ID: COd6JsKY.net

大学に行き始めて2年たったころだろうか、俺の家に突然、
馴染みのない声で電話がかかってきた。

うちの娘がそちらに行ってないか、とのことだった。




113名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)03:40:59.75 ID: COd6JsKY.net

あかねの父親だった。

あかねは高校卒業後、実家から通勤していたらしいのだが、
ある日突然帰って来なくなったとのことだった。
会社にも連絡したが、無断欠勤で会社も連絡しようとしていたところだという。




115名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)03:42:44.86 ID: COd6JsKY.net

親父さんは高校のとき、あかねの口から、Kと俺の名前をよく聞いていた
という理由で、まずKに連絡したらしい。
Kは実家通いなので卒業アルバムから連絡先を調べたとのこと。




117名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)03:43:43.65 ID: COd6JsKY.net

Kは知らないといい、たかおではないかということで、
俺の連絡先を聞き出し電話をしてきた、というのが顛末だった。




118名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)03:44:24.06 ID: COd6JsKY.net

当時はまだ携帯電話が普及し始めの頃で、
持っていない人間の方が多かったと思う。




119名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)03:45:00.08 ID: COd6JsKY.net

俺は久しぶりにKに連絡をとった。

Kの話によると、あかねは就職後、勤め先の上司と不倫していたらしい。
その上司との不倫が奥さんにバレてちょとした修羅場があったそうだ。




120名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)03:45:52.12 ID: COd6JsKY.net

あかねの友達とKの彼女が繋がりがあるらしく、Kの彼女からの情報だ。

上司は会社にもバレて自宅謹慎中。
あかねは、父親にバレてめちゃくちゃに殴られたらしい。
その3日後の家出ということのようだ。




122名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)03:46:37.74 ID: COd6JsKY.net

俺は心配だった。心配だったし、責任も感じていた。
俺が告白したことで、Kへの恋の道も絶たれ、高校最後の一年を
陰湿ないじめで棒にふった。それを助けてやることもなかった。
その、あかねが大変なことになっている。




123名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)03:47:37.52 ID: COd6JsKY.net

そうはいっても、心配ではあったものの、俺には何をする事も出来なかった。
Kとも相談したがKも同じだった。




124名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)03:48:38.53 ID: COd6JsKY.net

ひとりの大人が行方をくらまそうという意思を持って姿を消せば、
それを捜し出す事は容易ではない。また、捜し出したところで、
では、その後の事は?と問われれば、答えも見つからない。




125名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)03:49:12.64 ID: COd6JsKY.net

そもそも、どの立場からどのくらいまで首を突っ込んで良いかも、
皆目、見当もつかなかった。




126名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)03:49:52.75 ID: COd6JsKY.net

俺は、高校時代の友人として、心配なので何か分かったら連絡して欲しい
と、親御さんに伝えた。そして、それぎり、何もできないでいた。
あかねのことは暫く沙汰もない状況が続いた。




127名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)03:50:20.95 ID: COd6JsKY.net

ひと月程たったある日、あかねから電話がかかってきた。




128名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)03:50:55.94 ID: COd6JsKY.net

「たかお君?久しぶり…。うちの親が、その…迷惑をかけちゃったみたいで…」




129名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)03:51:52.73 ID: COd6JsKY.net

俺は告白した時以来の心臓の高鳴りを覚えた。

あかねとの恋は、確かに終わったことだ。
新しい環境、新しい友達、初めての彼女。他人との距離感とひとの心を
相変わらず学問のように学んでは、それなりに順応していた自分は、




130名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)03:52:33.71 ID: COd6JsKY.net

けれども、その声を聞いただけで、あっというまに高校時代に引き戻された。




131名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)03:53:10.50 ID: COd6JsKY.net

高校のとき、あれ程聴きたいと切望していた声がいま
自分の家の受話器から聞こえる。そして、その声が発する言葉は、
自分ひとりに向けられたものである。その些細な事実が
あの頃どれほど欲しくて欲しくてたまらなかったことだろうか。




132名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)03:53:46.32 ID: COd6JsKY.net

暫くの沈黙があった。
俺は頭が混乱していたし、あかねは次の言葉を見つけられないでいた。

「元気?」
やっとのことで捜し出した、俺の精一杯の言葉だった。




133名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)03:54:58.58 ID: COd6JsKY.net

「 うん…。たかお君は?」
「…。心配…、してたよ」
「ごめんなさい」

あかねの「ごめんなさいは」、正直つらかった。
振られた時と同じ声のトーンだったからだ。




135名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)03:55:48.92 ID: COd6JsKY.net

けれども、あかねはきっとこの数日間、色んな人たちに
何度も何度も「ごめんなさい」を言い続けたのだろう。
許される、許されないを別にして、何度も何度も。
客観的に見て、大して謝罪の対象にならないこの俺にまで
「ごめんなさい」を言わなければならない。




136名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)03:57:12.83 ID: COd6JsKY.net

切なかった。力になりたかった。

「なあ、どっかで会わないか?」
自然に言葉が出てきた。




137名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)03:58:44.44 ID: COd6JsKY.net

あかねが高校最後の年、いじめを受けていたのを知りながら、
何もしなかった自分を思い出した。
何ができるわけではないのかもしれない。でも、何かをするべきだったのだ。




140名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)04:00:10.91 ID: COd6JsKY.net

電話を切ってから、俺は頭がくちゃくちゃになる程、いろいろ考えた。
けれども考えを整理するには情報があまりにも少な過ぎた。
ただひとつの結論は、何があってもあかねの味方でいよう、ということだった。




141名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)04:00:47.35 ID: COd6JsKY.net

数年振りに会ったあかねは、凄く綺麗になっていた。
美人か?と人に問えば何を当たり前のことを、という答えが返ってくる。
贔屓目無しに、それ程、綺麗になっていた。




142名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)04:01:16.45 ID: COd6JsKY.net

髪型もショートカットで相変わらずなのに、全てが洗練されていた。
メイクはしているよね?という程控えめだが、もともと、色白なので
さほどする必要がないのかもしれない。メガネはコンタクトにしたようだ。




143名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)04:01:53.40 ID: COd6JsKY.net

俺は自分の近況を簡潔に話した。
また、あかねも知っているクラスのほかの奴らの近況を話した。
当たり障りのない話をしてあかねの言葉を待った。Kの話はしなかった。




144名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)04:02:27.19 ID: COd6JsKY.net

あかねはここ最近、自分の身の上に起こったことを話し始めた。
上司は10歳年上の妻子持ちだった。会社の飲み会で密かに口説かれた。
会社で、他のひととは区別して、さりげなく優しくされた。
そして、あかねには特別重要だったこと。雰囲気がKに似ていた。




145名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)04:03:35.92 ID: COd6JsKY.net

あかねは悪いと知りつつ不倫にはまっていった。

俺はこれからどうする気か尋ねた。
あかねは、今は話せないと言った。
俺に何か出来ることがあったら何でもいいから、教えてくれと頼んだ。




146名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)04:04:11.44 ID: COd6JsKY.net

何もない、ただKには黙っていて欲しいとのことだった。




147名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)04:04:48.81 ID: COd6JsKY.net

俺はもう何も言わなかった。
言うべき事はあったのかもしれない。
ただ、Kの名前が出てきたことがこの会合をお開きにさせる為の、
あかねの合図のように思えた。




148名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)04:05:17.16 ID: COd6JsKY.net

きっと上司は何を言ったとしてもあかねとの事は遊びなのであろう。
あかねにしても上司に対してそこにKを重ねて代用していたにすぎない。
いずれにせよ、俺はこのふたりのドラマの脇役ですらなかった。




149名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)04:05:51.46 ID: COd6JsKY.net

俺はそれ以上立ち入らなかった。障りのない話をして、
何処かで拾ってきたような凡庸な励ましでお茶を濁して
別れを告げた。




150名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)04:06:31.55 ID: COd6JsKY.net

それから数年、あかねとは会う事は無論の事、
風のうわささえ耳に入る事はなかった。

数年後、突然、あかねからメールがやって来た。




152名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)04:07:14.65 ID: COd6JsKY.net

「お久しぶりです。あかねです。覚えていますか?」




153名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)04:07:56.56 ID: COd6JsKY.net

当時、俺はフリーターでバンドマンだった。大学は中退し、新たなバンドを組み、
いわゆるインディーズレーベルを立ち上げてバンド活動に忙しかった。




155名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)04:08:52.63 ID: COd6JsKY.net

携帯ツールの劇的な変化、ネット社会の黎明期、
高校の時は家の電話にかけて親の存在を気にしながら、喋ったもんだぜ、
なんて若いやつらに言えば、昭和ですね、のやりとり。そんな時代だった。




156名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)04:09:24.03 ID: COd6JsKY.net

何故俺の連絡先を知っているか、理由を聞けば、話は簡単だった。
当時、バンドのホームページを開設していて、その、
ホームページの中の俺のブログにコメントを残すと
俺のメールに送られてくる仕組みだった。




157名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)04:10:05.58 ID: COd6JsKY.net

何故、俺のバンドを知っていたかというのは、
検索でなんとなしに、Kの名前を捜してみて、その後、俺の名前を
検索してみたらヒットしたというわけだった。




158名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)04:11:05.03 ID: COd6JsKY.net

「あたしが幸せだった頃を思い出してね、検索してみたらヒットしてびっくりしたの」

そんな内容のメールだった。




159名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)04:11:42.68 ID: COd6JsKY.net

幸せだった頃?
俺の知っている限り、あかねが幸せだった頃などなかったように思うのだが。

あれから、上司とうまく行ったという事なのか?
それとも、また別のひとと結婚して幸せだということか?
けれども、それであるならば「幸せだった頃」というのもおかしい。




160名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)04:12:27.06 ID: COd6JsKY.net

メールでお互いの連絡先を交換したあと、俺は数年前と同じように、
また会えないか、と尋ねた。
一週間後なら都合がつくとの事だったので、ならばまた地元で、というと、
それよりかは、今、俺の住んでいるところの方が近いというので、
とりあえず最寄りの駅でという約束をした。




161名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)04:13:21.79 ID: COd6JsKY.net

あかねは、今はもう地元を離れ関西の方にいるらしい。
声は変わらないが言葉は関西弁であった。




162名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)04:17:39.45 ID: COd6JsKY.net

一週間後、数年振に会ったあかねは、何というか、別人だった。
髪の毛はだらし無く伸びていたし、白髪も少なからず混ざっていた。
眉毛は伸び放題で、大分痩せたのか、頬は鋭くこけていた。




165名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)04:20:39.39 ID: COd6JsKY.net

全体的な印象で言えば、老けて見えた。
歳は少なく見積もっても、俺より、10歳は年上に見える。




167名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)04:23:01.91 ID: COd6JsKY.net

清潔感と言おうか、清楚と言おうか、あかねの持ったいた全ての良かったところが、
完膚なきまでに損なわれていた。
何かで見た、戦争で爆撃を受けて焦土と化した地方都市の白黒写真。
そんなイメージが、目の前のあかねに重なって見えた。




168名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)04:23:49.57 ID: COd6JsKY.net

「たかお君は全然変わらへんな」

あかねははにかみながら言った。
俺とあかねは駅の近くの居酒屋に入った。
そして、おたがい生ビールとつまみ数種類をたのみ、
運ばれてきたビールで軽く乾杯をした。




169名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)04:24:34.96 ID: COd6JsKY.net

「バンド、まだ頑張ってんねな、ネットで叩いてみたら、名前出てきてびっくりしたわ」




170名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)04:25:32.95 ID: COd6JsKY.net

「あれから、」とだけ言って、俺は躊躇した。
あかねの容姿を見たら、その変わり様に、
決して幸多き人生を歩んできた訳ではないことは想像に難くない。

聞きたい事は山ほどあったが、その全てが聞いてはいけないことに感じられた。




171名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)04:26:21.22 ID: COd6JsKY.net

あかねは、察して笑った。
「随分変わったやろ?もう、おばさん通り越しておばあさんやわ」




172名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)04:27:01.10 ID: COd6JsKY.net

そういうとあかねは「あれから」の事、
つまり前回俺たちが会ったときのその後を語り始めた。




173名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)04:27:54.41 ID: COd6JsKY.net

予想通り、あかねは上司に捨てられていた。
家出のあといちど実家にもどり、すぐ部屋を借りてひとり暮らしを始めた。

会社は自主退職した。
上司の奥さんから訴えられそうになったが、
お腹に宿した上司との子供を堕胎することで水に流すことになった。




174名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)04:28:34.21 ID: COd6JsKY.net

2度と上司と接触しない事を条件に、僅かばかりの手切れ金も手にした。
あかねは上司は離婚して、一緒になると信じて疑っていなかった。




175名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)04:29:17.47 ID: COd6JsKY.net

あかねと父親の確執は、不倫そのものが原因ではなく、ずっと昔からあったそうだ。
何かにつけて殴ることがあったそうだ。
あかねが家を出て1年後に他界したらしい。

あかねは葬儀にも通夜にも出なかった。




176名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)04:30:00.26 ID: COd6JsKY.net

あかねは上司と別れて独り暮らしをはじめた。
そしてすぐに年下の男と同棲をはじめた。
飲み屋でナンパされた相手に付いていってその日のうちに関係を持ったそうだ。




177名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)04:32:52.93 ID: COd6JsKY.net

恐らく自暴自棄になっていたのだろう。
この男は絵に描いたようなヒモだった。
ただ、あかねには淋しさを埋める必要があった。
少しばかりの貯金を切り崩し、お金が底をつくと、
あかねはスナックで働くようになる。働かない男にパチンコ代を渡す為だ。

そんな関係が長続きするわけもなく、2人目の堕胎をきっかけに男とは別れた。




178名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)04:34:12.04 ID: COd6JsKY.net

次の男は、店の客だった。
男はバツイチ子持ちで、子供は奥さんが引き取っていた。
店に来ては、子供の話をし、子供には合わせてもらえない事を嘆いていた。
次第に情が移ったのか、そこにかつての上司を重ねたのかはわからない。




179名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)04:34:54.76 ID: COd6JsKY.net

あかねはまもなくこの男とも関係を持った。
男と関係を持ってから、男はあかねの部屋へ入り浸るようになる。




180名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)04:35:33.32 ID: COd6JsKY.net

この男は、一緒に暮らし始めるとあかねに暴力を振るうようになる。
あかねの歯が欠けたのもこの男の暴力によるものであった。

顔が腫れ、歯が欠けると店からはあからさまに嫌な顔をされる様になり、
店を辞めざるを得なくなった。
あかねが3人目を身籠った事がわかると、男は姿をくらませた。




181名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)04:36:18.85 ID: COd6JsKY.net

俺は知らなかったのだが、コンパニオンは、交渉次第で性サービスもするそうだ。
無論、断ることも出来るらしい。




182名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)04:37:14.41 ID: COd6JsKY.net

「この間もな、禿げでデブな親父に5000円で抱かれたんよ」

あかねは自嘲気味に話した。




183名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)04:37:56.31 ID: COd6JsKY.net

ひと通り話を聞いた俺は涙を流していた。同情の涙なのか、後悔の涙なのか、
怒りの涙なのかは分からない。あるいはその全ての涙だったのかもしれない。

この3流ドラマのような下らない女の転落劇。




184名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)04:39:02.12 ID: COd6JsKY.net

なぜあかねがそんな人生をおくらなければならないのか?
一体、あかねは何処で何を間違えたのだろう。
どのタイミングで持ち堪える必要があったのだろう。
俺は何処で助けてあげられる可能性があったのだろう。




185名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)04:39:46.43 ID: COd6JsKY.net

俺が好きで好きでたまらなかった女を、下らない男達が寄ってたかって蹂躙し、
美しさを奪いとり、生涯を台無しにし、何がどうしたら…。




186名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)04:40:37.54 ID: COd6JsKY.net

「選択肢はなかったのか?」
俺はあかねに尋ねた。

「選択肢?」

「俺はあかねが好きだった。好きで好きでたまらなかった。
それはあかねも知っていただろ?何処かのタイミングで俺に連絡を
取ろうとは思わなかったのか?そんな男達に人生をグチャグチャにされる前に、
俺で妥協はできなかったのか?」




187名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)04:41:51.65 ID: COd6JsKY.net

「妥協だなんて…」
あかねは言った。

「たかお君はかっこ良かったし、正直、逃した魚は大きかったなぁ〜
なんて思うことは、あったんよ。でも、たかお君はK君の親友やったし、
影がちらつくというか、やっぱ考えられへんかった」




188名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)04:42:34.40 ID: COd6JsKY.net

あかねはどこまで行ってもKなのだな、と思った。
Kに対する嫉妬心が事あるごとに頭を擡げる。
俺もどこまで行ってもKへのコンプレックスから逃れられないんだな、と
自嘲気味に思った。




189名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)04:43:21.51 ID: COd6JsKY.net

「実は、たかお君にお願いがあるの」
あかねは言った。そしてこれこそが今回の再開の目的であると言わんばかりに。




190名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)04:44:21.70 ID: COd6JsKY.net

「実は、今度、子供の入園にお金がいって、制服もまだ買われへんくてな、
こんなこと言うのもあれなんやけど、その、お礼にならへんかも知れんけど、
何でもするから…」

俺は察した。金の無心だ。




191名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)04:45:10.31 ID: COd6JsKY.net

「いくら必要なの?」
あかねを遮り、俺は尋ねた。

「3万円くらいあれば助かるんやけど」




192名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)04:45:55.03 ID: COd6JsKY.net

悲しかった。金の無心をされたからではない。
金の代償として、体を差し出そうとする、あかねのこころの短絡が悲しかった。
あかねの中では他に差し出すものが何もないのだろう。




193名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)04:46:54.71 ID: COd6JsKY.net

そして躊躇なく売春に結論を見いだすほど、心は訓練されてしまっていた。
その訓練には相応の数の反復が観てとれた。




194名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)04:47:57.73 ID: COd6JsKY.net

「今、そこまで手持ちがないから、振り込むよ。口座番号は今わかる?」

「今は分かれへん」

「じゃあ、分かったらメールして。すぐ振り込むから。」

「それと、お金は返さなくていいから。借りた負い目や返せない負い目、
そんなことで人間関係を壊したくないんだ。渡せなかった、
子供の出産祝いだと思って協力させて」




195名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)04:48:50.61 ID: COd6JsKY.net

俺がそういうとあかねは涙声でありがとう、と言った。
かなりの勇気がいっただろう。

穿った見方をすれば、
あかねの身の上話も、一回抱かせて5000円のくだりも、
全ては金を引き出す為の、お涙頂戴ストーリーなのかも知れない。




196名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)04:49:52.58 ID: COd6JsKY.net

でも、あかねは俺に頼ってくれた。それで充分だった。

正直に言えば、今この場で金を渡せないわけではない。
手持ちは心もとなかったが、近くのコンビニのATMで降ろしてくれば
それで事足りる。けれども、今この場であかねに金を渡せば
あかねを抱かないといけない様な気がした。




197名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)04:50:28.64 ID: COd6JsKY.net

それは、俺にはとても出来なかった。
この女を抱く男は、この女の人生ごと抱きしめる男でなくてはならないし
そうであって欲しかった。でも、俺がその男になるには、あまりに遅すぎた。




198名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)04:51:03.17 ID: COd6JsKY.net

その夜、あかねと別れて、ひとり、酒を飲みに行った。




199名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)04:52:24.56 ID: COd6JsKY.net

俺は、5000円であかねを抱いた、禿げデブ親父のことを考えた。
それから、あかねの上司とあかねとのセックスを考えた。
ヒモ男とあかねのセックス、暴力男とあかねのセックス。




200名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)04:53:04.96 ID: COd6JsKY.net

俺がどんなに望んでも、触れることすら許されなかった存在に、
いとも簡単に触れて人生を凌辱していった男達のことを考えた。




201名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)04:53:12.80 ID: 1h6F+DTZ.net

文章力無さすぎだしパクリだろこれ




202名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)04:54:35.38 ID: COd6JsKY.net

>>201
文章力なくてすまん。パクリではない、ベタで鬱な人生なだけだ。




203名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)04:55:41.14 ID: COd6JsKY.net

そして、Kのことを考えた。
Kは唯一俺の闇に気付いた男だ。
それが為、親友になった男。

俺がいなければ、あかねはいつかKとの思いをとげられたのだろうか。
Kと俺が親友でなければ、俺とあかねは付き合うことがあったのだろうか。
あかねはあかねであることを損なうことはなかったのではないか。




204名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)04:57:15.13 ID: COd6JsKY.net

Kがいなければ。
俺がKであったなら。
KがKじゃなければ。




205名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)04:58:56.30 ID: COd6JsKY.net

いろんな思いが交錯して、頭がかなり混乱した。
取り出そうと手を伸ばせば伸ばすほど、答えは奥に入り込んで行ってしまう、
そんなもどかしさを感じた。




206名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)04:59:29.62 ID: COd6JsKY.net

考えれば考えるほど酒を飲みたくなったし、飲めば飲むほど考えは混乱した。
気が付けば、部屋のベッドに吐いて眠っていた。
どうやって帰ったのかは覚えていない。




207名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)05:00:07.13 ID: COd6JsKY.net

あかねからのメールがやってきたのは数日あとだった。
銀行名と口座番号と氏名、それから、よろしくお願いしますの文字。
最後にまたいつもの文句が添えられていた。




208名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)05:00:55.21 ID: COd6JsKY.net

「K君には絶対に言わんといてな」




209名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)05:01:38.36 ID: COd6JsKY.net

俺は3万円振り込んだあと、かすかな違和感を覚えた。
違和感というより、小さな怒りの炎のようなものかもしれないし、
嫉妬の炎かも知れない。




210名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)05:02:18.19 ID: COd6JsKY.net

いつも、Kだ。
そもそも、俺がいちいちKに報告するとでも考えているのだろうか。
だいたい、Kには絶対に知られたくなくて
おれには知られても一向に構わないというのだろうか。




211名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)05:02:52.07 ID: COd6JsKY.net

なぜ、毎回、あかねは念を押すのだろうか。
本当はKに話して欲しいのではないか。
だからこうやって連絡してきたのではないか。

あかねのことだ。
心配して電話してきたKの声が聞ければそれで幸せなのだろう。




212名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)05:03:30.61 ID: COd6JsKY.net

投げやりに俺はそう思った。

無論、あかねの人生の転落は俺にもKにも責任はない。
ただ、無関係ではないはずだ。一方の俺はあかねの転落話に心を傷め、
一方のKは何も知らないでのほほんと生きている。
そのくせに、あかねの中でいつも特別なのが気に入らなかった。




213名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)05:04:03.39 ID: COd6JsKY.net

俺はKに電話をした。




214名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)05:04:50.79 ID: COd6JsKY.net

数日後、あかねから罵詈雑言の電話がかかってきた。
ほとんどが内容を聞きとれないものだったが、その怒気だけは伝わってきた。
俺の話など挟む余地なく、一方的にまくしあげて、電話を切られた。




215名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)05:05:41.82 ID: COd6JsKY.net

Kがあかねに電話したようだ。わかってはいた。そう仕向けたのだから。

間を置いてきちんと説明しようと思った。
Kには内緒にして欲しい、その言葉に少し傷ついていることを。
もちろんKにはあかねの混みいったことは話していないし、
声を聞く機会も作ってやりたかった、と。




216名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)05:06:28.63 ID: COd6JsKY.net

あかねからメールが来た。
「お金はありがとうございました。もう二度と連絡はしません。」
「さよなら」




217名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)05:07:07.82 ID: COd6JsKY.net

俺はすぐあかねに電話をしてみた。繋がらなかった。
メールを送っても未配信になった。
あかねとの繋がりは、俺の過ちで完全に切れた。




218名も無き被検体774号+@\(^o^)/2017/05/10(水)05:07:45.84 ID: COd6JsKY.net





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