引用元:クズの俺が父親になった話
270:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/15(火)00:01:28.33 ID: 5+fbzMw2O.net
おばさん家に着くなり、
ハル「キャハッw
あーーーうw」
ハルが大喜びで駆け寄ってきた。
俺は高い高いして、
俺「ただいまw」
て言うと
ハル「たらいまーw」
って満面の笑みで返してきた。
すごく癒されるな。
ハルの笑顔で1日の疲れもぶっ飛ぶ。
明日も頑張ろうって気持ちになった。
271:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/15(火)00:02:38.89 ID: 5+fbzMw2O.net
キョロキョロして俺ちゃんのことずっと探してたんだと思うわ。
パパ帰ってきて嬉しいねw」
俺「すいません。迷惑かけました。
面接ですぐ働けるか?って言われたんすよ。」
カズエおばさん「そうよかった。
仕事決まって本当に良かったねw」
ヒロシおじさんに呼ばれて、一緒にご飯を食べさせてもらった。
272:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/15(火)00:04:26.34 ID: 5+fbzMw2O.net
俺は早く住む家を探すとだけ言った。
俺「あのこれ。」
俺は今日の日当分6000円の茶封筒テーブルに置いた。
俺「本当に少ないっすけど。
とりあえず当面の食費や、迷惑かける分。
また少しでもお金が貯まったら渡します。」
本当は酒や煙草、ハルのお菓子なんかを買ってあげたかった。
でも今はっきりしてるのは、この人達に迷惑かけてることだけだ。
273:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/15(火)00:05:26.94 ID: 5+fbzMw2O.net
そんなの受け取れないわよ。
ハルちゃんのために使ってあげなさい」
ヒロシおじさん「分かった。
これは受け取る。」
そう言ってお金をポケットにしまった。
ヒロシおじさんは、ちゃんと俺の気持ちを汲み取ってくれたんだ。
275:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/15(火)00:08:37.85 ID: H70HxBXV0.net
276:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/15(火)00:09:33.31 ID: 5+fbzMw2O.net
あのクズな俺がだ。
何よりハルの存在が大きかったと思う。どんなにきつい現場作業もハルのことを想い出せば頑張れたんだ。
俺自身、自分の変化に気づきはじめてきた。
ハルが成長するように、俺も少しずつ成長しているのかもしれないって。
277:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/15(火)00:11:21.84 ID: 3hQk8/G30.net
279:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/15(火)00:11:59.93 ID: 5+fbzMw2O.net
でもこの時が初対面だよ。
続き
そんな時だった。
その日は大雨で仕事が中止になり、昼過ぎに帰えることになった。
帰宅すると、
ハル「ギャーーッ!」
リビングからハルの泣き声が聞こえる。
あちゃーまた俺のこと探して泣いてんのか?
なんて思いながら上がりこんだ。
それと同時に、
「うるさーい。
黙れー!」
と大きな怒鳴り声が聞こえた。
280:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/15(火)00:13:35.16 ID: RSVBAHZd0.net
282:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/15(火)00:14:36.33 ID: 3hQk8/G30.net
283:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/15(火)00:14:36.55 ID: 973c8nd00.net
284:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/15(火)00:14:38.02 ID: 5+fbzMw2O.net
リビングを開けると、ハルが泣きながら座りこみ。ヨシノおばさんが目の前に立っていた。
俺「何してんすか?」
俺はヨシノおばさんを睨みつけて、ハルを抱きかかえた。
俺「どうした?
何で泣いてる?
カズエおばさんは?」
一瞬テンパってハルに質問攻めしてしまった。
ハルは俺にしがみついて、
ハル「パッパー、エグッ。パッパー、ヒック。エーーン」
大泣きしている。
最初は虐待でもされているのかと思ったけど、そうではなかった。
285:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/15(火)00:15:59.01 ID: 3hQk8/G30.net
287:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/15(火)00:16:09.27 ID: RSVBAHZd0.net
よかった
288:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/15(火)00:19:58.80 ID: AvaTnFhj0.net
289:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/15(火)00:21:28.84 ID: IZugeKq70.net
294:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/15(火)00:40:04.46 ID: 5+fbzMw2O.net
これ見なさいよ。」
ヨシノおばさんがビリビリに破けた、哀れな姿になった教科書を見せてきた。
俺はハルを立たせて、
「本当か?
お前がやったのか?」
強い口調で問いただした。
俺の言葉なんて理解できてるわけないけど、せっかく居候させてもらっているのに何てことしてくれたんだって思った。
296:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/15(火)00:42:11.50 ID: 5+fbzMw2O.net
迷惑かけんなバカヤロー!」
カッとなって怒りのまま俺はハルを叱った。
ハル「あーーっ!
ギギギギーっ!
いやーーー!」
ハルは泣きながら俺に怒った。
きっと俺が怒っているのを見てテンパったんだろう。
俺「あの、本当にすいません。
教科書は弁償しますから。
本当すいません」
ヨシノおばさん「当たり前でしょ。
それに夜この子の泣き声うるさいのよ。
サキは受験生なの。ちょっとは気をつかいなさいよ。
もぅまったく」
297:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/15(火)00:45:30.28 ID: O0vnThum0.net
ハルかわいそう
298:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/15(火)00:45:43.57 ID: 3hQk8/G30.net
299:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/15(火)00:47:16.03 ID: 5+fbzMw2O.net
カズエおばさんは体の調子が悪いみたいで横になっていたらしい。
カズエおばさん「ちょっとだけ一人で遊んでもらってたの。
俺ちゃんごめんなさいねー」
俺「俺の方こそいつもハルを見てもらってすいません。」
ハルは呑気に、買って帰った好物のラムネを食べていた。
ハル「ラムネーw。ラムネーw」
機嫌よくしている姿を見て少しイライラした。
本当は分かってるんだ。
この子は何も分からないし知らない。
ただ遊んでいただけなんだよ。きっと。
でも今のこの状況で俺は、お前を叱ることしかできないんだ。
300:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/15(火)00:48:57.37 ID: 5+fbzMw2O.net
またあんな悪戯をしたらどうしよ?
保育園とは違うんだから。
ハルがしたことは全て俺の責任になるんだ。
やっぱりすぐにでも家を探すべきか。
そう思いながらハルの寝顔を見つめた。俺はグッタリして眠りについた。
302:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/15(火)00:51:36.69 ID: O0vnThum0.net
黙って保育園行かせとけば良かったのに
胸糞過ぎて吐きそう
303:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/15(火)00:53:09.14 ID: JpyNu82r0.net
306:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/15(火)01:15:43.42 ID: 5+fbzMw2O.net
いつも通りハルをカズエおばさんに預けた。
今日のハルはグズっていた。
俺の足にしがみついて離れない。
俺「すぐ帰ってくるからな。
またラムネ買って帰るから」
ハル「ラムネー?
ちょだーい。」
俺はハルに残っていたラムネを渡した。
307:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/15(火)01:17:09.02 ID: 5+fbzMw2O.net
パパ早く帰るから」
そう言って泣き出すハルを置いて家を出た。
仕事中ハルのことが心配で仕方なかった。
また悪戯してないかってこともあったけど、何よりハルに怒鳴るヨシノおばさんの姿が頭から離れない。
他人に息子を泣かされるなんていい気はしないよな。
308:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/15(火)01:19:16.30 ID: 5+fbzMw2O.net
ハルは嬉しそうに俺に抱きついてきた。
どうやら何もなかったようだ。
少しホッとしながらスーパーで買ってきた惣菜を出して、ハルに食べさせた。
すると、
ヨシノおばさん「ちょっと来てくれる?」
とリビングに来るよう言われた。
310:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/15(火)01:21:00.63 ID: AvaTnFhj0.net
311:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/15(火)01:21:13.01 ID: 5+fbzMw2O.net
ヨシノおばさんがべっとりとシミのついた服を見せてきた。
俺「どうしてくれるって言うのは?」
ヨシノおばさん「これその子がやったのよ。」
俺はハルを見た。
ハルはヨシノおばさんから顔を背け、俺の胸にうずくまっている。
どうやらハルはこの人が嫌いなようだ。俺も嫌いだ。
312:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/15(火)01:23:57.08 ID: hkNsp7yE0.net
314:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/15(火)01:24:29.88 ID: 5+fbzMw2O.net
ヨシノおばさん「見てないわよ。
でもその子以外に誰がこんなことするのよ
あんた達がこの家に来てからろくな事がないの。」
俺「……」
もしそれが本当なら言い返す言葉もない。
どうやら今日もカズエおばさんが体調が悪いから、少しの時間一人で遊ばせていたらしい。
その間葡萄ジュースをハルに持たせていたとのこと。
315:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/15(火)01:24:48.94 ID: GMxGuATc0.net
316:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/15(火)01:25:20.27 ID: Fm96h8ef0.net
317:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/15(火)01:26:45.34 ID: 5+fbzMw2O.net
親バカで、ただハルが犯人じゃないと思いたかっただけなのかもしれない。
証拠があるのにだ。
それでも俺はハルが犯人じゃないと言い張った。
エゴかもしれないが、どうしてもハルがそんなことするとは思えなかったんだよ。
結局カズエおばさんが起きてきて、その場は収まった。
318:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/15(火)01:28:08.33 ID: AvaTnFhj0.net
319:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/15(火)01:31:51.21 ID: 5+fbzMw2O.net
明日も早いので。
せっかく見てくれているのに、勝手をどうか許してくれ。
321:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/15(火)01:32:56.03 ID: GMxGuATc0.net
おつかれ
明日必ず来るなら許してやるよ!
読みやすいは
322:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/15(火)01:33:00.07 ID: Fm96h8ef0.net
323:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/15(火)01:33:19.47 ID: AvaTnFhj0.net
ゆっくり休んで
329:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/15(火)06:58:30.57 ID: +l1arIbG0.net
この先ハッピーエンドになったとしても、
ハルの気持ち考えたら胸が張り裂けそうになる
1が悪いわけじゃないけどね
去るわ
351:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/15(火)21:16:18.91 ID: LI/LJxyIO.net
創作だろうが実話だろうが関係ないわ
>>1ありがとう!続きも楽しみにしてる!
354:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/15(火)22:37:52.30 ID: 5+fbzMw2O.net
今からシャワーを浴びたら書きます。
355:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/15(火)22:39:56.29 ID: c0MuULtv0.net
ゆっくり待ってるよー
361:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/15(火)23:14:11.01 ID: eVMFLPqS0.net
ミ。・ω・ミ おかえり&お疲れ様!
〜ミ_uuミ 待ってたよ〜
362:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/15(火)23:23:31.62 ID: 5+fbzMw2O.net
続き
こんな時って眠れないもんなんだな。
体は仕事で疲れてるんだけどさ。
俺さ小学の時はいじめられてたんだよ。
て言っても悪質なやつじゃないんだけどな。
とりあえずクラス全員から嫌われてた。
家が貧乏で母ちゃんがいなかったから。
親父が爺ちゃんぐらいの年ってこともあったんだと思う。
363:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/15(火)23:24:32.49 ID: 5+fbzMw2O.net
校庭のドブで見つかったんだけど、
クラスの奴等は俺を非難したんだ。
「お前んち貧乏だからだろ?」
「最低ー」
みたいな感じで。
364:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/15(火)23:25:45.36 ID: 5+fbzMw2O.net
当然親父も呼び出されたわけだけど。
親父は俺に「お前が本当にやったのか?」
って聞いてきた。
俺「してないよ」
俺の目をしっかり見て、
親父「そんなことうちの息子がやるわけない。
あんたら教師まで疑うのか?
ふざけるな」
っていつも穏やかで温厚な親父が、ムキになって怒りだしたんだ。
365:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/15(火)23:27:08.85 ID: 5+fbzMw2O.net
子供ながらにな。
帰り道親父が俺の手を引っ張って言ったんだ。
親父「俺!!
父ちゃんはお前のこと信じてるからな。
父ちゃんは絶対にお前がやってないって分かってるんだ。
あんな恥ずかしい姿見せてごめんな」
366:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/15(火)23:28:47.63 ID: 5+fbzMw2O.net
正直驚いた。
でも俺は疑われても仕方なかった。
すぐむかついたら、クラスのやつをぶん殴って泣かしてたし。
クラスで買ってたカメを、勝手に池に逃がしたりしたことがあって、それをクラス全員に責められて暴れたこともあった。
本当に問題児だったんだ。
367:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/15(火)23:32:09.03 ID: 5+fbzMw2O.net
みんなに疑われてもしかたないんだ。
何で父ちゃんは俺のこと信じるの?
本当に俺がやってたらどうすんの?」
親父「父親が息子信じなくてどうする!」
いつも強がってた。悪ガキぶって泣いたら負けだと思っていた俺も、さすがに泣いてしまった。
その言葉で十分救われたんだ。
親父は俺の頭をクシャクシャして。
368:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/15(火)23:33:25.77 ID: 5+fbzMw2O.net
悔しいだろうけど、悪くないなら悪くないって言い続けろ。悪いことしたらちゃんと謝れ。」
昔の記憶がよみがえる。
俺は眠るハルの髪をクシャクシャしながら、
父親の俺が息子を信じなくてどうすんだって、独り言を呟いた。
朝がきて、俺はハルをおぶって仕事場に向かった。
ハルを置いて仕事に行くのが不安だったからだ。
369:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/15(火)23:35:19.44 ID: 5+fbzMw2O.net
社長に事情を説明すると、
現場は駄目だから事務に置いていくならいいと言われた。
理解がある人で本当に助かったよ。
370:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/15(火)23:36:48.51 ID: 5+fbzMw2O.net
昼は会社に戻ってハルとコンビニ弁当を食べた。
ハルは嬉しそうに食べてた。
俺もハルのそばにいて安心できた。
お利口にしてたみたいだし。
事務員「この子めちゃくちゃ可愛いね。
将来イケメンだわw」
息子を誉められて悪い気はしないもんだ。
作業が終了すると、社長がみんなでご飯に行こうと誘ってくれたので、その言葉に甘えることにした。
371:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/15(火)23:39:46.00 ID: 5+fbzMw2O.net
ハルは人が多いせいか少しグズっていた。
社長に酒をすすめられたけど、ハルもいるので断った。
帰宅したのは少し遅い時間になった。
ハルは俺の背中でぐっすり眠っている。
ハルを起こさないよう、静かに家に入る。
373:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/15(火)23:40:45.63 ID: 5+fbzMw2O.net
遅くなりました。とだけ伝え部屋に入った。
ヒロシおじさん「俺くんちょっといいかな?」
戸を少し開けヒロシおじさんが顔を出した。
少し険しい表情に、何かあるなと感じた。
374:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/15(火)23:42:13.22 ID: 5+fbzMw2O.net
何か言い出しにくそうにしていたので、
俺「あの…昨日はすいません。
奥さんの服汚れちゃったみたいで。」
俺から話しをふった。
ヒロシおじさん「いや…いいんだよ。
そんなこと気にしなくても」
相変わらず気まずい雰囲気だ。
375:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/15(火)23:43:14.83 ID: 5+fbzMw2O.net
ヒロシおじさん「これなんだけど…」
俺に見やすいように、そばに近づける。
自立支援相談?
サッと目を通した。
376:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/15(火)23:45:29.44 ID: 5+fbzMw2O.net
迷惑かけますがもう少しだけ待って下さい。
すぐ家を探して出ていきますんで。」
思い出したくない過去が脳裏をよぎる。
ヒロシおじさん「いや、そんなつもりで言っているんじゃないよ。
本当に心配なんだ。」
見え見えだ。
早く出ていけ、面倒はごめんだと顔に書いてある。
379:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/15(火)23:49:43.29 ID: 5+fbzMw2O.net
部屋に戻って先程のパンフレットをもう一度見た。
少し手が震えている。
俺にはトラウマがあった。
381:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/15(火)23:52:36.51 ID: 5+fbzMw2O.net
親父が現場仕事で大怪我をした。
入院した親父と俺に残されたのは借金だけだ。
勿論家賃が払えず今にも追い出されそうな勢い。
毎日借金取りが家に来ていたのは言うまでもない。
382:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/15(火)23:53:37.18 ID: 5+fbzMw2O.net
そしてとうとう奴等が来た。
児童相談所の職員だ。
俺はすぐ養護施設に入れられた。
親父が迎えに来るまでの1年間すごく辛かったのを覚えている。
当時6歳だった。
383:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/15(火)23:59:24.81 ID: 5+fbzMw2O.net
育てていく自信なんてなかったからな。
でも今は違うんだ。
父親になるって決意した。
何があってもこいつを守るって決めた。
それはもう揺るがないものになってる。
短い時間だけど、ハルと過ごして沢山何かをもらった。
何かを感じた。
今ハルは、俺にとって掛け替えのない宝物なんだ。
どんなことがあっても手放さない。
どんなことがあっても。。。
俺はパンフレットを丸めてゴミ箱に捨てた。
384:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/16(水)00:00:24.45 ID: 7uhA5R94O.net
同じようにハルを連れて仕事に出た。
お金は少しはできたけど十分とは言えない。
とりあえず働かなきゃな。
作業中何度も携帯が鳴った。
気になったので不在着信を確認。
カズエおばさんからだ。
俺はすぐに電話をかけ直した。
385:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/16(水)00:03:33.88 ID: 7uhA5R94O.net
どうした?」
「あの…
私サキです」
電話に出たのはヒロシおじさんの娘のサキだ。
俺「どうしたんすか?」
サキとは家で顔合わすだけで話したことはなかった。
サキ「おばあちゃん昨日入院したんですけど…」
昨日は遅く帰ったし、ヒロシおじさんから何も言われてないので知らなかった。
サキ「おばあちゃんが俺さんに会いたいって。
今から病院にこれますか?」
386:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/16(水)00:04:37.09 ID: 7uhA5R94O.net
俺はハルを連れ病院に向かった。
病室に入ると、カズエおばさんと横にはサキが座っている。
俺が会釈すると、
サキ「ハルちゃん。
私が見てます。」
と言ってハルの手を引き病室を出ていった。
387:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/16(水)00:06:00.97 ID: 7uhA5R94O.net
カズエおばさん「大丈夫よw
ただどうも胸が苦しくてねw」
カズエおばさんは思っていたより元気そうだった。
カズエおばさん「わざわざ呼び出してごめんねw
当分家には帰れそうにないんだ。」
俺「うん」
390:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/16(水)00:07:07.24 ID: 7uhA5R94O.net
昔からおばあちゃん子でねw
お見舞いにきてくれるのはあの子だけよ。」
今日電話で話したのが初めてなんだが、想像してたのとは違ったのは確かだ。
世間話を簡単に済ます。
391:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/16(水)00:08:19.71 ID: 7uhA5R94O.net
私のせいでハルちゃんに辛い想いさせて。
俺ちゃんにも心配させた。
どうしても謝りたかったの。」
カズエおばさんは涙を流しながら俺に謝ってきた。
俺に謝ることなんて何一つないのにだ。
とてつもない迷惑かけてる、本当は俺の方が謝らないといけない。
392:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/16(水)00:10:24.24 ID: 7uhA5R94O.net
俺のことは心配しなくていいから。
早く元気になってよ。」
おばさんがありがとうと言いながら枕元から封筒を出した。
カズエおばさん「これ使って。
これで家を借りてハルちゃんと二人で暮らしなさい。
今の状態では何もしてあげられないからね。」
そう言って現金の入った封筒を俺に渡した。
中味は確認してないけど、かなりの金額だった。
俺「おばさんありがとう。
でも俺大丈夫だからw
もう家も見つけたよ。
おばさんのおかげでハルとやっていけそうだ。
だからこれはいらないよ。」
俺はその封筒をおばさんに返した。
393:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/16(水)00:15:06.99 ID: J3diCumJ0.net
396:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/16(水)00:16:52.52 ID: 7uhA5R94O.net
本当に助けてもらってばかりだ。
気持ちだけで十分。胸がいっぱいになった。
これ以上何かしてもらうなんて罰が当たると思った。
病室を出てサキからハルを預かった。
俺「迷惑かけたっすね」
サキ「ハルちゃん本当に可愛いw
弟にしたいw」
俺「ありがとう」
397:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/16(水)00:17:56.91 ID: 7uhA5R94O.net
サキ「あの、すいません。
母がごめんなさい」
と言ってきた。
サキ「ハルちゃん悪戯なんてしてませんから。
私知ってるんです。教科書も服も母が自分でやったんです。
本当にごめんなさい。」
教科書は部屋に置いていて、ハルが手に届くはずがない。
服もヨシノおばさんのお気に入りだったらしい。そんなものをハルが悪戯できるような場所に置いているはずがにいと言うことだった。
461:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/16(水)23:32:03.17 ID: DNwzBi8M0.net
やっぱり冤罪やんけ
398:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/16(水)00:19:35.85 ID: 7uhA5R94O.net
こっちも。
受験で大変な時期に迷惑かけて。」
そう言って病院を出た。
何故ヨシノおばさんがそんなことするのか理解に苦しんだ。
まあ俺とハルが邪魔で仕方なかったんだろう。
俺の腹は今にも煮えくり返りそうだった。
俺はその脚でカズエおばさんの家に向かった。
黙って家に入り荷物をまとめた。
399:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/16(水)00:24:51.83 ID: 7uhA5R94O.net
おばさんはびっくりした顔でこちらを見ている。
俺「お世話になりました。
もう出て行くので。
ヒロシおじさんにもお伝え下さい」
強い口調で言って深々と頭を下げた。
401:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/16(水)00:26:39.38 ID: 7uhA5R94O.net
そうなの。
愛想なくてごめんなさいね。
何もしてあげられなかったけど元気でね。」
白々しいやつだ。
俺「もし…
もしこれから外であんたと出会って、もしハルが悲しむようなことがあったら。
何が何でも絶対に許さないっすから。」
と捨て台詞を吐いて家を飛び出した。
その時の俺どんな顔してたんだろうな。
相当怒ってたし恐かったと思う。
402:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/16(水)00:27:29.95 ID: 90od9UcB0.net
403:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/16(水)00:28:49.83 ID: 7uhA5R94O.net
辺りは暗がり始めてる。
ハルは公園に入るなりハシャいで滑り台を滑り始めた。
その姿を目で追いながら茫然として立ち尽くしていた。
針でチクチク刺さるように胸が痛くて苦しくなった。
病気とかじゃなくてな。
何でかって?
それはハルを少しでも疑ったからだ。
すぐに信じてやらなかった。
本当はヨシノおばさんが悪いとかじゃないんだ。文句垂れられながらも住まわせてくれていたんだし。
ただの八つ当たりじゃないか。
405:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/16(水)00:35:31.64 ID: 7uhA5R94O.net
俺はハルを怒りのまま怒鳴ってしまった。ハルは怒ってたけど、あの時ハルは本当に俺に怒っていたのかもしれない。
何で信じてくれないのって。
俺は本当にグズだよな。ハルごめん。本当にごめん。
自分の不甲斐なさに嫌気がさす。
砂場で遊ぶハルに詰め寄り強く抱きしめた。
今にも涙がこぼれ落ちそうだったけど、グッと我慢してこらえた。
ハル「パッパーもうイタいー?」
俺「痛くないよ。
悲しいだけ」
ハル「いたくないにょー?」
俺「うんうん」
ハルはまた嬉しそうに滑り台によじ登った。
406:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/16(水)00:36:57.36 ID: J3diCumJ0.net
かわええなぁ
408:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/16(水)00:37:53.74 ID: 7uhA5R94O.net
レス少ないけど今日はこれぐらいで寝ます
412:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/16(水)00:43:50.75 ID: nQoOW5Ot0.net
おつ
さっさと終わらせてほしい
社長には少しの時間って言ってるのにばっくれてんじゃん
415:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/16(水)00:53:30.73 ID: 7uhA5R94O.net
色々な意見、指摘もな。
>>412
続きに経緯を書くからスルーしてくれ。
ハルのこの時の年も気になってると思うが、追々書くんで見ててくれると助かる。
すまん。
ではおやすみ
409:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/16(水)00:39:56.94 ID: +DyiRd5j0.net
410:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/16(水)00:42:04.17 ID: pWEiI2tb0.net
411:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/16(水)00:43:17.35 ID: oQovU/sa0.net
ハルちゃんかわええ・・・
立派に育ててやってくれよ!!
470:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/17(木)00:43:06.24 ID: x6B3BH20O.net
続き
携帯で仕事を途中で抜け出していたのを思い出した。
しまった。
やはり社長からだ。
俺「すいません。
連絡せずサボっちゃいました。」
クビになることは間違いない。社会人失格だよな。
472:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/17(木)00:46:58.44 ID: x6B3BH20O.net
心配したぞ。
何やってたんだ?」
俺は社長に今日の出来事を全て話した。
社長に今すぐ会社に来るよう言われた。
会社にはもう社長以外誰もいない。
当然なんだが。
ソファーに恐い顔で座る社長。
473:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/17(木)00:48:59.80 ID: x6B3BH20O.net
申し訳ありませんでした」
怒られても仕方ない状況。
謝るしかない。
せっかく雇ってもらったのに、いい加減な自分を呪った。
社長「おい俺?
飯食ったか?」
俺「いやまだ。」
社長「よし。
なら飯行くぞ」
何も言ってこなかったが、この状況と社長の太い声がマッチして妙に凄みを感じた。
そして俺とハルは社長に連れられ定食屋に入った。
475:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/17(木)00:50:36.76 ID: x6B3BH20O.net
まるで何もなかったように、
仕事をサボった事には何もふれてこなかった。
その時は変に緊張したよ。
俺「すいません。
やっぱり俺クビですよね?」
社長「ん?
バカか。
クビにはしねーよ。
さっさと食って行くぞ。」
俺「はい…」
クビにならないと聞いて少し安心した。
ハルにご飯を食べさせて店を出た。
476:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/17(木)00:52:47.40 ID: x6B3BH20O.net
続き
社長に車に乗るよう言われたので車に乗った。
社長は何も話さない。
車内は無音で、シーシーと社長が口に入れた爪楊枝の音だけが聞こえた。
ハルはウトウトしている。
俺「あの…どこ行くんすか?」
口を開かない社長に、黙ってついていくことにした。
477:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/17(木)00:53:56.42 ID: x6B3BH20O.net
そのアパートの一室を開けると、
社長「ここ使え」
と社長が言ったんだ。
俺「どう言うことっすか?」
社長「ここわ俺が嫁と喧嘩した時に使う別宅だ。
お前に貸してやる。」
478:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/17(木)00:55:22.52 ID: x6B3BH20O.net
でもそう言うことなんだ。
俺は社長の親切に思わず泣いてしまった。
俺「クッ…
本当にいいんすか…?」
社長「あーいいよ。
家具も使っていい。
その代わり家賃はもらうぞ。」
481:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/17(木)00:56:23.73 ID: x6B3BH20O.net
本当に…ありがとうございます…エグッ」
本当に嬉しかったんだ。
やっと住む家が出来たってこともなんだけど、何より社長の優しさが痛い程伝わった。
社長「バカ野郎。
大の男が泣くな。
そんな泣き虫で子供なんて育てられねーぞ」
俺「はい…エグッ」
484:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/17(木)01:01:59.43 ID: x6B3BH20O.net
だってそうだろ?
まだ一月も働いてないバイトなんだぞ俺は。
信じられなかった。
485:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/17(木)01:05:12.28 ID: x6B3BH20O.net
他人じゃねーだろ?
お前はうちの従業員だ。
お前は若いのに根性もあるしよ。俺は買ってるんだよ。
それに、一緒に汗かいて一緒に飯食ってんだろ?
もう俺の家族みたいなもんなんだから面倒みてやるのは当たり前じゃねーか。
それと礼なら山下に言え。
あいつお前のことも、お前のガキのことも心配してたからな。
クビにしないでくれーって頼んできやがってよw
最初からクビにするつもりもなかったけどなw」
486:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/17(木)01:06:11.63 ID: x6B3BH20O.net
せっかくもう泣かないって決めてたのにな。
社長に礼はいらないから仕事で返せと言われ、明日はゆっくりしろと言われ1日休みをもらった。
487:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/17(木)01:07:45.96 ID: bAJfMx+A0.net
488:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/17(木)01:08:19.47 ID: x6B3BH20O.net
信用できるやつもいなかったし、他人からこんなに優しくされたことなんてなかった。
佐々木先生やカズエおばさん。社長や山下さん、みんなが俺なんかに優しくしてくれる。
今まで人生を損して生きてきたんだなって思った。
この人達は見返りも求めずに俺に優しくしてくれた。
本当に信用できる人達だ。出会えたことに感謝したい。
グズな俺は、こう言う人達との出会いのおかげで、少しずつ成長できたんだと今は思う。
489:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/17(木)01:09:45.26 ID: x6B3BH20O.net
でもそうじゃないって分かった。
まわりに助けられ、支えられ、こうやって生きていけてるんだと気付かされた。
それとハル。
ハルが何よりも俺を強く支えてくれてるんだって思うんだ。
もう一人じゃない。
ハルの存在は大きい。
こいつがいるんだから生きていける。
そう思った。
少しボロでワンルームの小さな部屋だったけど、俺とハルには十分すぎる部屋だった。
490:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/17(木)01:13:23.72 ID: x6B3BH20O.net
天気も良く朝からハルは上機嫌だ。
ハル「でんさー?」
俺「うん電車。
次のに乗ろうな」
ハル「でんさーのるーwキャッキャッ」
楽しそうにするハルを見て少し幸せな気分になった。
491:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/17(木)01:18:07.40 ID: x6B3BH20O.net
俺「どうしたそれ??」
ハル「でんさー?」
どこで見つけたのか、ハルはおもちゃを持っているようだ。でも、電車のおもちゃと思ってバスのおもちゃを間違って持っているようだ。
俺「それバスだw」
ハル「ばすー?」
俺「うん。電車はこっちな?」
と言っておもちゃ売り場にある電車のおもちゃを見せた。
492:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/17(木)01:20:10.17 ID: x6B3BH20O.net
大きな声。
どうやら電車より大きなバスのおもちゃを気に入ったみたいだ。
そう言えばハルにおもちゃなんて買ってやったことないな。
普通の父親らしいこともしてあげたことない。
そのバスのおもちゃを買ってあげることにした。
493:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/17(木)01:21:33.33 ID: x6B3BH20O.net
ハル「でんさーw
でんさーwフンフンフンフン♪」
家に帰る前公園の砂場で一緒に遊んだ。
山作ったり、穴掘ったり。ハルはバス走らせたりして。
ハル「でんさーw
でんさーのるーwキャハ」
まだバスを電車だと思ってるんだ。
その笑顔がたまらなく愛おしかった。
494:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/17(木)01:22:24.93 ID: IE8XdJrb0.net
495:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/17(木)01:22:57.47 ID: x6B3BH20O.net
満たされた気持ちになった。
俺もハルも泥だらけだ。
俺「ハル?風呂行くか?」
ハル「おぷろいやー」
ちょっと怒るハル。
部屋に風呂がなかったので、ハルと近くの銭湯に行った。
ハルはすごく風呂嫌いなんだけど、初めての銭湯にはしゃいでた。
496:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/17(木)01:24:37.67 ID: x6B3BH20O.net
ハルは今日買ったバスをしっかり抱いて寝てた。
遊び疲れたんだろう。
穏やかな寝顔だ。
初めて買ってあげたおもちゃ。相当気に入ったみたいで俺も嬉しかった。
ここはもう俺とハルの家なんだ。
ようやく落ち着けたことに安堵した。
これからは少しずつだけど、家庭らしい家庭を作ってやろう。ハルのために。
497:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/17(木)01:25:44.41 ID: tDd+963i0.net
498:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/17(木)01:26:28.92 ID: x6B3BH20O.net
何度も挫けそうだったけど、ハルの存在がいつも俺を助けてくれた。
なんとかやってこれたんだな。これ以上下はないだろうってくらいの底辺を味わったけど、
でももう大丈夫だ。
そうだよな?
俺は自分に言い聞かせるようにして目を閉じた。
こんな小さなことが、こんなに幸せに思えるなんてな。
ずっとこの幸せが続いたらいいなと切に願った。
でも、これからが俺にとってもハルにとっても本当に大変になることを、この時はまだ知る由もなかった。
499:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/17(木)01:27:23.62 ID: K2eHANVB0.net
ハルタソ〜
500:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/17(木)01:28:38.39 ID: x6B3BH20O.net
遅くまで待っててくれた人達ありがとう。
そして本当にすまん。
もう休ませてもらいます。
501:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/17(木)01:29:28.83 ID: K2eHANVB0.net
ゆっくりやすんでくれ
明日も頑張ろうな!
557:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/18(金)00:53:00.89 ID: +vWUIxCFO.net
ずっと一緒さって歌聞いてたらついつい泣いてしまうんだ。
で寝るパターン。
とりあえず中途半端ですまんが少し書く。
558:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/18(金)00:53:56.62 ID: +vWUIxCFO.net
そう告げられた。
新生活を始めて、2ヶ月が過ぎようとしていた。
今俺は児童精神科のある、医療機関に来ている。
俺「すいません。
俺バカなんでよく分かりません。
ちゃんと説明してもらえますか?」
話しは1ヶ月前にさかのぼる。
560:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/18(金)00:54:56.10 ID: +vWUIxCFO.net
明日は参観日ですが、来れそうですか?」
俺「はい。
大丈夫です。休みもとってあるんで」
仕事も順調で、ハルも保育園に通い始めた。
明日は参観日と言うことで、前もって仕事も休みをもらっていた。
佐々木先生「ハルちゃん良かったねーw
パパ来るってw」
ハル「パッパーw
パッパーw」
561:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/18(金)00:56:01.66 ID: +vWUIxCFO.net
参観日の日、
ハルは俺がいることでもあって少し落ち着きがなかった。
朝の挨拶から始まり、散歩、給食、お昼寝、お遊戯と言う感じで進行していく。
ハルは俺のところに何度も来て。
ハル「かえどー。
かえどー。」
と言って手を引っ張ってきてた。
その度先生が来て連れ戻していく。
佐々木先生「ハルちゃんまだ帰らないよーw
みんなでお歌唄おうねw」
562:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/18(金)00:57:18.19 ID: +vWUIxCFO.net
1日があっという間に終わった。
けど俺は何かモヤモヤしたものが残ったんだ。
まわりが帰宅準備をする中、俺は佐々木先生に声をかけた。
俺「先生ちょっとお話出来ますか?
ハルのことで」
563:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/18(金)00:59:49.91 ID: +vWUIxCFO.net
ハルは楽しそうに積み木で遊んでいる。
佐々木先生「すみません。遅くなって。
で、お話ってなんですか?」
俺「あの?その?
ハルなんですが…」
何て聞けばいいのか考えながら、
俺「みんなハルと同い年ですよね?
ハルってまわりの子達と比べて、
ちょっと違うような気がするんす。
見た目とかじゃなくて…」
何て言っていいのか分からない。
564:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/18(金)01:00:47.57 ID: +vWUIxCFO.net
そうだ。それだ。
俺「そ、そうです」
佐々木先生「お母さんから何も聞いてないんですか?」
俺「えっ?はい…」
サリナが知っていたこと。俺は殆ど家に帰ってなかった。知らないことなんて山ほどある。
俺「聞いてないって言うのは?」
佐々木先生「お母さんがお家からいなくなる前に、
そう言う話ししなかったですか?」
566:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/18(金)01:03:22.58 ID: +vWUIxCFO.net
佐々木先生「そうだったんですね…」
俺「ちょっと引きますよね。
本当すんません」
佐々木先生「謝らなくていいです。
ハルちゃんは、確かにまわりの子より成長は遅いですよ…あっ!」
567:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/18(金)01:04:51.49 ID: +vWUIxCFO.net
佐々木先生「たしか…
あっ来月の4日に児童精神科の検診がありますよ。
ハルちゃんの。
私も同伴するつもりだったから、その時にきちんと話しましょう。」
568:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/18(金)01:09:24.09 ID: +vWUIxCFO.net
今までハルが普通で当たり前に成長してると思てったんだよ。
でも、参観日で見た回りの子達は、ある程度言葉を理解し、ある程度会話が出来てた。
オムツも取れ、当たり前のことを当たり前にしてたんだ。
でもハルはそれとは違う。
同じ3歳の子達と比べてあきらかに成長が遅れてた。
570:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/18(金)01:10:27.08 ID: +vWUIxCFO.net
でも本当にそうなんだろうか?
結局自分の為だったのかもしれない。
だって息子の成長が遅いことに気付かない親なんていないだろ。
どんだけ無関心なんだって言われてもおかしくない。
571:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/18(金)01:10:44.02 ID: 3TRrZEly0.net
嫌な予感が的中‥orz
572:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/18(金)01:11:28.43 ID: +vWUIxCFO.net
男の子は女の子に比べて成長が遅いと聞いことがある。そんな感じなのかなと少し軽く考えてた部分もあった。
それでももし何か大きな病気で、今後ハルの将来に障害があるのならと、考えるだけでやりきれない気持ちになる。
それなりの覚悟は必要だと思った。
573:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/18(金)01:12:42.75 ID: +vWUIxCFO.net
佐々木先生とは現地で合流した。
そして検診が始まる。
ハルをおもちゃで遊ばせたり、身体検査などをした。
その後専門の先生が
、俺と佐々木先生に普段のハルの様子を質問してきた。
574:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/18(金)01:12:55.64 ID: fH3K6gdM0.net
会話を楽しんだり、積み木とかで遊んだり
575:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/18(金)01:14:12.85 ID: +vWUIxCFO.net
先生は50前後の眼鏡をかけたおばさんだが、どうやらこの分野では名のある人らしい。
俺「すいません。
俺バカなんでよく分かりません。
ちゃんと説明してもらえますか?」
一言自閉症と言われても、俺の頭じゃ理解できない。
先生「発達障害よ。」
俺「発達障害?」
前回サリナが来ていたらしく、
その時に自閉症と診断されたらしい。
先生は俺がハルの自閉症を初めて知ったことを知り、1から説明してくれた。
577:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/18(金)01:16:03.25 ID: +vWUIxCFO.net
だからって普通の子じゃないわけじゃないっすよね?」
先生「これから先、どう成長するかはまだ分からないの。
でもね、これからもっとまらりの子達と差は離れて行くわよ。
それがどう言うことか、お父さんも理解していかないといけないわ」
途中から、先生の話しが耳に入ってこなかった。
578:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/18(金)01:17:01.88 ID: +vWUIxCFO.net
先生「次は半年後ね。
その時のハルちゃんの様子を見て、これからの進路を決めていきましょ」
佐々木先生「お父さん大丈夫ですか?
元気だして下さい。」
検診が終わると、そう言って佐々木先生は保育園に戻っていった。
帰り、院のそばの公園でハルを遊ばせ、まだボーっとする頭を整理する為ベンチに座り込んだ。
579:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/18(金)01:18:17.59 ID: +vWUIxCFO.net
何ヶ月ぶりだろう。辞めていた煙草で一服する。
ハルは楽しそうに滑り台で遊んでいる。
先生の言葉を思い出していた。
先生「ハルちゃんを叱ったり否定したりしちゃ絶対に駄目よ。
ハルちゃんはそれだけで傷つくの。」
俺は何度もハルを怒鳴ってきた。
初めて二人で過ごした夜も、カズエおばさんの家で悪戯したと思った時もだ。
ハルにはそれが何でか分かってないのにな。
ただ傷つけただけ。
きっと辛かっただろう。
580:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/18(金)01:20:44.75 ID: +vWUIxCFO.net
不安でパニックになって辛いだけだから。」
先生の一言一言が胸に突き刺さる。
ずっとずっと連れ回してた。
その度泣いたり叫んだりしてたのを覚えている。
ハルのそ時の気持ちを少しでも気づいてやれなかった。
俺はハルにただ辛い想いばかりさせていたんだ。
本当にグズだ。
俺は下を向き、頭の中で何度も何度も先生の言葉を思い出した。
最低な父親だ。
581:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/18(金)01:23:30.84 ID: 3TRrZEly0.net
一生懸命やってたじゃないか!
582:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/18(金)01:25:20.38 ID: +vWUIxCFO.net
どれだけハルを苦しめてきたかを考えると、胸が張り裂けそうだった。
「お父さん大丈夫ですか?」
誰かが優しく背中をさすってくれた。
佐々木先生だ。
佐々木先生「やっぱり心配になって、
戻ってきちゃいましたw」
優しい笑顔で俺に話しかけてくれた。
583:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/18(金)01:27:44.68 ID: +vWUIxCFO.net
するとハルが近づいてきた。
ハル「パッパー、イタイの?」
俺の事心配してくれてるのかな。
その純粋な瞳に心は打ち砕かれた。
俺はボロボロ涙を流した。
人前なのに恥ずかしさなんてぶっ飛んでた。
俺「ハルーごめんな。
パパ最低だなー。」
俺はハルを強く抱きしめる。
584:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/18(金)01:29:54.71 ID: +vWUIxCFO.net
ハルちゃん苦しいですよ」
俺「俺のせいなんす。
俺が全部悪いんす」
俺はただただ泣いた。叫んで。
何もかも俺のせいなんだ。
ハルがこうなったのも、ハルが辛い想いしてきたことも。
これからだってそうだ。
大きくなって自分がまわりと違うことに気づいた時に、きっとハルは傷つく。
俺がグズでロクなやつじゃないから、
ハルがこうなってしまったと思ったんだ。
ハルがあまりにも可哀想じゃないか…
585:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/18(金)01:31:52.81 ID: +vWUIxCFO.net
その時は、自分への怒りとか後悔とかで泣くしかなかったんだよ。
先生は何も言わず、落ち着くまでずっと背中をさすってくれていた。
ハルは俺の横にちょこんと座り頭をヨシヨシしてくれていた。
587:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/18(金)01:32:48.37 ID: +vWUIxCFO.net
ようやく落ちついた。
泣きすぎたってのもあるけど、何だか少しスッキリしてた。
佐々木先生「いいえ。
男の人がこんなに泣くの見るの初めてかもですw
ハルちゃんもだよねー?w」
ハル「ねーw」
佐々木先生「お父さんのせいじゃないですよ。
先生も言ってたでしょ?
生まれ持った性格だって。
それにハルちゃんにはお父さんしかいないんですよ。」
588:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/18(金)01:33:59.32 ID: +vWUIxCFO.net
佐々木先生「わたし初めてお父さんと会った時、正直本当にお父さん?
って思ったんですw
なんかチャラいなーって。
他の園児のパパって、雰囲気とか面構えとかでパパって分かるんですけどね。
お父さんは全然そう見えなかったです。」
590:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/18(金)01:35:30.41 ID: +vWUIxCFO.net
佐々木先生「でも、今のお父さんはパパですよw
パパの顔してますwあの時のお父さんとは全然違う。
見違えましたよ」
俺「ありがとうございます…」
佐々木先生「それにハルちゃんだってきっと幸せですよ。
お父さんが守ってくれてるから。
お迎えに来る時に見せる笑顔なんか、本当に幸せそうに見えます。」
591:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/18(金)01:37:17.12 ID: +vWUIxCFO.net
佐々木先生「だから頑張りましょ。
わたしも協力します。
ずっとハルちゃんが笑顔でいられるだけで十分じゃないですか?
ハルちゃんはハルちゃんです。
今まで通り愛してあげたらいいじゃないですか?」
そう言われハルを見た。
ハルは大好きなラムネを頬張り満面の笑みだ。
また涙が零れた。
佐々木先生の言葉に救われた。ハルの笑顔に救われた。
先生が言ってたな、ハルちゃんを可哀想なんて思っちゃいけないって。
592:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/18(金)01:41:02.61 ID: +vWUIxCFO.net
可哀想なんて思う俺は父親失格だ。
どんな障害があってもハルはハルだ。
俺はハルには俺みたいな大人になってほしくないと思っていた。
将来自分の夢を持って、それを叶えてほしいと考えていた。
でもそんな先のことどうだっていいじゃないか。
どんな未来でも、ハルがただ笑顔で過ごせれば。
今のこの笑顔を失わないために俺が頑張ればいいんだ。
今以上に愛情をそそげばいいんだ。
何があっても、
絶対にこの笑顔を守ろう。
そう誓った。
593:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/18(金)01:49:03.39 ID: +vWUIxCFO.net
料理を始めた。
料理なんかしたことなかったけど、
ハルの為にちゃんとした物を食べさせたかった。
サリナの親に会いに行き、 今までの事を含め謝罪しに行った。
最初はすぐ追い返されてたけどな。
何度も土下座した。
許してくれるまで何度も通った。
ハルのおじいちゃんおばあちゃんなんだ。
少しずつだけど心を開いてもらえるようになった。
ハルが可愛くて仕方ないらしい。
和解とまではいかないが、これからはハルのために協力すると言ってくれた。
594:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/18(金)01:49:54.58 ID: +vWUIxCFO.net
限界がきたので寝ます。
いつもみんなありがとう。
595:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/18(金)01:51:14.62 ID: vthVu/lh0.net
600:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/18(金)02:17:44.82 ID: 2IYMHp6l0.net
めっちゃ楽しみにしてる!
612:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/18(金)07:34:30.36 ID: necFz2SWi.net
俺も3歳の娘がいるんだが我が子を想う気持ち痛いほどよく分かる
創作でも実話でもどっちでもいい最後まで書き切って下さい楽しみにしています
618:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/18(金)10:58:21.40 ID: IcjtXhDSi.net
自分が生きているうちにこんなにショックな事があるなんて考えたことも無かった。
620:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/18(金)12:07:10.84 ID: euUoXdgW0.net
こればかりは誰も悪くないよな
毎日楽しみにしてます
1は本当におつかれさま!
621:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/18(金)12:16:33.89 ID: 9E4H6xsO0.net
627:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/18(金)19:33:14.69 ID: 1WW3Tm+D0.net
そうそう
よく喋ってるんだよね
うちには軽度の自閉症と言われた息子がいるけど、
もうすぐ5才なのにハルより喋らないよ
651:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/19(土)15:45:26.98 ID: S2Wfd9r80.net
喋るのが早いとか遅いとかは個人差だけれど
明確な自閉症のサインって言葉以外に幾つもあるから
早い段階で発達遅滞じゃなく自閉症と断定するのなら
医者や心理士ならそっちの方で診断してると思うんだよね
でも、それがハルって子には全くなさそうだから
余計に診断した側の言動が不思議なものに見えてしまうかな
653:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/19(土)18:00:40.66 ID: ywTmWPyk0.net
私も色々あり小さい子ども抱えて半ホームレスしたけどその時を思い出した
うちの息子も2才半だけどまだ二語三語文しか話さない
これ昔の話かもしれないけど、ハルくんが今元気で楽しくやってるならそれで良い
>>1さん大変だろうけどお互い頑張ろう
674:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/20(日)04:37:11.78 ID: LwQCgtEKO.net
みんな色々レスありがとう。
変な時間に目が冷めちまったので続きを書いて行きます。
675:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/20(日)04:40:18.99 ID: LwQCgtEKO.net
小さなツリーにショートケーキにロウソク。
ハル「おたんじょーび?おたんじょーび?」
と言って喜んでいたハル。
クリスマスだけど、ハッピーバースデーの歌を唄ったのを覚えている。
すごい喜んでたよ。本当。
676:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/20(日)04:41:33.71 ID: LwQCgtEKO.net
カズエおばさんは退院して元気そうだった。
ハル「こににちわ」
義母「こんにちわねw
上手ねーw」
ハルは元気に挨拶出来て誉められてた。
ずっと練習してたんだ。
出来て良かった。
677:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/20(日)04:42:51.54 ID: LwQCgtEKO.net
その際には佐々木先生が名乗り出てくれたらしく、担当が佐々木先生になった。
ハルも佐々木先生に懐いてたし、本当に良かった。
で、感謝もした。
休みの日が合えば、佐々木先生の進めで発達障害などのサークルや集会に行くようになった。
色んな問題を抱えた親子さん達が集まり、情報交換をする。
本当に勉強になったし、勇気を貰えて支えにもなった。
678:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/20(日)04:43:55.93 ID: LwQCgtEKO.net
ハルは4歳になった。
いつもと違う道を通ったり、
自分のうまくいかないことがあればすぐ奇声をあげ発狂してたけど、抱きしめてあげて背中をトントン。
先生「ハルちゃんの中ではちゃんとした計画があるの。
それを崩さないように。
コツコツゆっくりでいいのよ」
と児童精神科の先生。
ハルにはハルの中で強いこだわりがあるんだ。
だからこだわりを否定してはいけない。
ハルの気持ちを尊重することが大切なんだ。
679:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/20(日)04:44:54.18 ID: LwQCgtEKO.net
ハルは耳で聞くより目で見たものを判断する。
だから絵のカードを作って教えてあげたんだ。
俺「電車だよ」
ハル「でんさー?」
俺「そうそう
じゃこれはりんごね」
ハル「じんごー?」
俺「そうそう
賢いねハルは。
上手ーw」
ハル「じょずーw」
あくまで真似してるだけだけど、それでもうんと褒めてあげるんだ。
ハルはすごく喜んで手をパチパチさせる。
680:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/20(日)04:45:54.01 ID: LwQCgtEKO.net
最近は少しずつだけど俺の言葉にちゃんと反応し理解してくれ、ままならない口調で返事してくれるようになったんだ。
すごい進歩だ。
毎週日曜日に行く、日課の散歩のおかげでもあった。
散歩に行くと子供達が良く集まる公園がある。
681:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/20(日)04:47:01.58 ID: LwQCgtEKO.net
一緒に遊びたくて近づいてるんだけど、まわりのお父さんお母さんなんかが、気味悪がってわざとハルから遠ざけるんだ。
ただ仲良くしたいだけなんだよな。
少し悲しい気持ちになったけど、それは仕方のないことだと割り切った。
その時に、ハルと良く遊んでくれた女の子がいたんだ。
683:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/20(日)04:48:09.15 ID: LwQCgtEKO.net
ハルより二つ上なんだけど、とてもしっかりしてた。
ハルは小さい子のマネをすぐするので、
まいちゃんはすごく頼りになった。
まい「ハルちゃんまいと遊ぼうねw
まいのお菓子半分あげるねー」
って。ハルもまいちゃんにすごく懐いてた。
684:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/20(日)04:49:07.06 ID: LwQCgtEKO.net
我が子の成長を肌で感じながら、自分も成長出来てるみたいで。
1日1日を大切に過ごした。
ハルにとってかけがえのない1日であるよう一生懸命に。
あっという間にハルは5歳になった。
そんなある日、事件は起きた。
685:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/20(日)04:52:27.04 ID: LwQCgtEKO.net
今日は佐々木先生が風邪で休みってこともあり、臨時で別の先生がハルについていた。
先生「ハルちゃんお母さんが迎えに来ましたよ。」
1時間も前に帰ったとのこと。
サリナが?
心拍数が上がる。
俺はすぐ携帯で義母に連絡した。
686:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/20(日)04:54:09.05 ID: LwQCgtEKO.net
もう帰ったと言われました。
サリナだと思う。
連絡ありませんでしたか?」
半年前からサリナの携帯番号が変わっていた。
そのせいでこちらから連絡は出来ない。
687:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/20(日)04:55:15.10 ID: LwQCgtEKO.net
わたしも探すわね。すぐお父さんにも連絡いれる」
俺「すんません。
助かります。
俺も心あたりのある場所を探しますんで」
何故今。
何故このタイミングなんだろう。
俺はサリナが行きそうな場所を探した。
前住んでいたアパート。公園。スーパー。
不安が募る。
688:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/20(日)05:00:00.63 ID: LwQCgtEKO.net
ハルにもう会えない。
最悪の状況が頭をよぎる。
俺はその不安を振り祓うように探し続けた。
サリナがいなくなって2年が経つ。
ハルを返してくれ。
そして、
サリナに会ってもう一度話したい。
サリナも人の親なんだ。
ハルを置いていなくったとは言え、こうしてまた会いにきた。
きっと思うところもある。
複雑な気持ちが入り交じる中、俺は駅やショッピングモールなんかを虱潰しに探した。
689:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/20(日)05:02:59.78 ID: LwQCgtEKO.net
いつかこんな日がくるかも。
そう心の中で少しは思ってたじゃないか。
でもこんなに早くその日がくるなんて。
サリナ「ハルが大きくなったら、また3人でこようね?w」
昔のサリナの言葉を思い出した。
690:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/20(日)05:05:12.83 ID: LwQCgtEKO.net
秋は紅葉で彩る。
地域にある記念公園。
あそこかもしれない。
時間が経ちすぎてあたりは暗くなっていた。
最後の希望はそこしかない。と、そう思い夢中で走った。
691:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/20(日)05:07:16.02 ID: LwQCgtEKO.net
ハァハァ…」
汗だくで酸欠状態だ。
ギィーコ…ギィーコ。
「キャハハハハw
キャハハハハw」
ハルの笑い声が聞こえる。
街灯に照らされた二人の姿を見つけた。
ブランコに乗るハル。
それを押していたのはサリナだ。
693:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/20(日)05:08:53.26 ID: LwQCgtEKO.net
ゆっくりと近づく俺。
サリナ「久しぶり。」
そこには優しい笑顔でハルと遊ぶお母親の姿があった。
俺に気付いたサリナはすごく冷静だった。
俺「ハァ…
もう…会えないかと思った…ハァ
ハルにも…お前にも…ハァハァ」
サリナ「ハル、随分大きくなったね。
本当に大きくなった。」
サリナはハルの頭を撫でながら俺とは目を合わせない。
694:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/20(日)05:10:27.28 ID: LwQCgtEKO.net
ハルが俺に気付いて笑顔で走り寄ってきた。
俺は、またハルをこの手で抱きしめれた事に少し安心した。
俺「ずっと…
ずっと待ってた…
お前ともう一度会って話したかった…
あの日記ですごく救われたんだ…」
695:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/20(日)05:13:02.97 ID: LwQCgtEKO.net
俺は前のアパートにそれを取りに行ったんだ。
家財は全てなくなっていたんだけど、大家さんが処分に困っていたと、日記や母子手帳なんかを入れた箱をとっておいてくれたんだ。
696:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/20(日)05:14:17.66 ID: LwQCgtEKO.net
ハルが産まれてサリナがいなくなる一週間前までが記されていた。
そこには、俺の知らないハルの成長と、サリナの気持ちがたくさん書かれていた。
ハルが離乳食を食べた日。
ハイハイからつかまり立ちをした日。
健康診断にひっかかた日。
自閉症の疑いがあると告げられた日。
俺が会社をクビになったこと。
俺が帰らなくてなったこと。
連絡すらとれなくなったことまで全部だ。
697:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/20(日)05:16:15.44 ID: LwQCgtEKO.net
そこには優しくてたくましい、ただ息子を愛する母親の姿を感じた。
なのにだ。
なのに何故ハルを置いていったのか。
ずっと疑問だった。
698:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/20(日)05:18:59.98 ID: LwQCgtEKO.net
続き今日書けたら書きます。
後書く必要はないかもなんだけど、
ハルは道路の白線をずっと睨み付け行き来したり、戸を開け閉めするのが好きだったよ。
電気を付けたり消したりね。
後はつま先だけで走ったり気になった物があれば、ずっとそれとにらめっこしてたり。
700:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/20(日)05:20:26.48 ID: LwQCgtEKO.net
こだわりの強い子だったのに俺がその時は気づかなかった。
それが普通の子供だと思ってたし。
結構クセはあったけどそこは端折らしてもらったよ。
最初は思い出したかったのと整理したかったってので書き始めたんだよ。
後誰かに聞いて欲しかったってのもある。
今はこうやって見てくれて共感してくれる人もいて、また親になってる人も見てくれてて。
本当に感謝。
だから最後まで書こうと思ってる。
703:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/20(日)05:23:05.22 ID: LwQCgtEKO.net
あったことを思い出して書いてるんだが、多少美化してるところは否定しない。
後は実話かどうかってのは個人で判断してくれ。
706:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/20(日)05:42:14.64 ID: 59GixyUZ0.net
ダラダラ書きになって読みづらいよりは心に入りやすいしね
ゆっくりで良いから最後まで頼むね!
707:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/20(日)05:49:39.11 ID: LwQCgtEKO.net
またきます
708:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/20(日)05:50:39.11 ID: oSWuD27oO.net
いつでも待ってるぞ
709:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/20(日)06:35:30.45 ID: 1Ln/9C2I0.net
続き楽しみにしてるよ
711:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/20(日)07:18:19.03 ID: gLhPHyln0.net
こんな言い方になって悪いが
中卒でクズだからこそ、自閉症への変な先入観がなく
ハルはこういう子なんだって受け入れやすかったのかなと思った
713:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/20(日)07:33:17.04 ID: s8uJrTFFI.net
770:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/22(火)22:13:15.73 ID: u6YGH+CJO.net
今日書きため分投下します。
用事済ませてからになるけどまた来ます。
771:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/22(火)22:14:28.01 ID: vHZzvOoo0.net
キタ━(゚∀゚)━!
779:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/23(水)00:10:20.62 ID: 7jqPf5rb0.net
780:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/23(水)00:14:28.46 ID: 9O7549PaO.net
続きです。
サリナ「よく分かったね。ここにいるって。」
俺「あー…
勘だよ。もしかしたらって…」
来ると思ってここで待っていたんだろう。
ここが最後だ。本当に来て良かった。
サリナ「ごめんね。
勝手なことして。
心配したよね?
本当にごめん。」
俺「いいよ。
元気だったか…」
言葉が詰まる。
781:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/23(水)00:15:31.79 ID: 9O7549PaO.net
何故連絡がとれなかったのか。
今は何処に住んでいるのか。
他に男ができたのか。
聞きたい事は山ほどあった。
でも、それを言葉にすることが出来なかった。
何故なら俺自身、ずっと自由にやりたい放題してきたんだ。
今更サリナを責める資格はない。
ただこうして目の前にいる。
それが何故か嬉しかった。
782:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/23(水)00:16:49.91 ID: 9O7549PaO.net
駄目なやつだよ俺…
サリナが出ていって、ハルを一人で育てて。
初めて子育ての大変さを理解した。
毎晩思うんだ。
一人でハルを育て、サリナはきっと不安でしかたなかっただろうなって。
辛い想いをさせたこと、申し訳ないと思ってる。
本当にすまん…」
783:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/23(水)00:18:28.89 ID: 9O7549PaO.net
わたしが悪いの。
自分が母親として未熟だったから。
ハルを連れて行かなかったのは、わたしの身勝手だから…」
俺「なぁ…」
もう一度戻って一緒に暮らそう。
ハルのために、俺達家族のために。
そう言いたかった。
でも、
言い出せなかった。。。
俺の続きの言葉を待つサリナ。
一瞬時が止まったように、ただ無言が続く。
784:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/23(水)00:20:50.46 ID: 9O7549PaO.net
わたし出ていってすぐ、ハルを置いてきたこと後悔したの。だからね…」
言葉を止めるサリナ。
この後何を言われるのか分かっている。
この先は聞きたくない。
頼む。
言わないでくれ。
サリナ「だから、ハルを返してほしいの…
勝手だって分かってる。
でも、わたしにはハルが必要なの…」
と言って後ろからハルを抱きしめた。
サリナ「お願い…
お願い…」
785:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/23(水)00:21:49.39 ID: 9O7549PaO.net
昔の俺なら即答でOKしたと思う。
その時の俺には子育てなんて無理だったからな。
俺「すまん…」
それしか言えなかった。
俺は自分の行いを後悔している。
勝手きままをしてきたんだ。
どの口で
「駄目だ。今更現れてふざけたことぬかしてんじゃねー。」
なんて言えるワケがない。
786:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/23(水)00:23:26.01 ID: 9O7549PaO.net
バカだよな俺。
そんな気持ちサリナにはこれっぽちもないはずなのに。当然だよ。
サリナ「今ならハルと二人でもやっていけるから…
本当に今日までありがとう。ハルを面倒見てくれて…」
787:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/23(水)00:30:00.45 ID: 9O7549PaO.net
サリナの言葉には、そんな決意や重みが感じ取られた。
それにサリナを見つめるハルの眼差しは、ようやく母親と会えた嬉しさが滲み出ていた。
その瞳は決してサリナのことを忘れていない。
788:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/23(水)00:31:11.26 ID: 9O7549PaO.net
ハルにどちらを選ぶかなんて聞ける訳もなく。
だいたい、ハルには理解できる状況じゃない。
親の身勝手だ。
なにより、子供にとって母親がいないことが、どれだけ辛いかを俺自身よく理解しているつもりだ。
ハルにそんな想いはさせたくないよな。
そう思った。
789:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/23(水)00:33:17.61 ID: 9O7549PaO.net
後オムライスが好きなんだ…
たまに作ってやってほしい」
サリナ「うん…」
俺「日曜日は…
弁当持って、散歩してあげてくれ…
日課だから…」
サリナ「うん…」
俺「寝る時泣いたら…
ゆりかごの歌唄って、トントンしてあげてくれ…
ぐっすり眠るんだよ」
サリナ「うん…」
強がるしかなかった。
790:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/23(水)00:34:51.68 ID: 9O7549PaO.net
どんだけ努力しても。そう簡単に溝が埋まるはずがないんだ。
俺「後親父さん達、すげー心配してたから。
連絡は入れた方がいい…」
サリナ「うん…」
そう言うとサリナが携帯を取り出した。
792:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/23(水)00:35:53.56 ID: 9O7549PaO.net
久しぶり…」
母親に電話をしたようだ。
サリナ「分かってる…
本当にごめんなさい。
今俺君とハルも一緒…
うん…分かってる。」
電話を切ると俺の方を見た。
793:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/23(水)00:36:01.15 ID: zbC02VT10.net
794:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/23(水)00:37:15.18 ID: 9O7549PaO.net
また色んな手続きとかもあるし、ハルの荷物もあるし。また連絡します…」
そう言ってハルの手を握り、後ろを向いた。
795:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/23(水)00:37:35.03 ID: immTBOLg0.net
796:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/23(水)00:38:43.01 ID: 9O7549PaO.net
その背中を見て、心臓がギュッと押し潰されそうで、胸が苦しくなる。
これでいいんだ。
これで。
ハルの幸せが一番なんだから。
ハルは何度も振り返って俺を見た。
本当にこれでいいのか?
797:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/23(水)00:41:14.58 ID: i3JRwdUp0.net
798:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/23(水)00:44:19.05 ID: COGpX/zk0.net
800:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/23(水)00:46:13.96 ID: 9O7549PaO.net
俺は大声で呼び止めた。
サリナが振り向く。
俺「遅いし…
泊まってけよ…」
サリナはハルの表情を伺った。
801:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/23(水)00:47:16.72 ID: 9O7549PaO.net
サリナが家に来ることになった。
もう少し。
もう少しだけでいいんだ。
ハルのそばにいたい。
802:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/23(水)00:49:44.47 ID: 9O7549PaO.net
俺「あーうん。
今すぐなんか作るからくつろいどいて。」
俺は冷蔵庫の中のもので適当に作った。
なんだか緊張する。
いつもハルと二人だったから。
803:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/23(水)00:51:33.31 ID: 9O7549PaO.net
俺「それ、ハルのお気に入りのおもちゃなんだ。
持っていってあげてくれw」
空元気って言うのかな?俺は無理して笑顔を作った。
今日はずっと笑顔でいるんだ。絶対悲しい顔をしないと決めた。
ハルに気づかれないように、お別れしたかったんだ。
804:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/23(水)00:53:45.93 ID: k5wulcpZ0.net
805:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/23(水)00:53:49.88 ID: 9O7549PaO.net
俺「さー食べよ。
腹減ってるだろ?」
サリナ「いただきます」
そう言って味噌汁を一口飲んだ。
サリナ「おいしい。」
サリナがビックリした表情で俺を見た。
俺「そうかw
良かったw」
807:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/23(水)00:54:55.35 ID: 9O7549PaO.net
俺「そりゃコンビニ弁当ばっかじゃ体に悪いだろw
最初は苦労したんだ。
ハルも全然食べてくれなかったしなw
食えたもんじゃなかったよw」
サリナ「そっか。
すごいね。
ハルもすごく賢くなったし。
俺君頑張ってくれたんだね。」
808:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/23(水)00:57:13.72 ID: 9O7549PaO.net
ハルはピーマンをフォークでよけている。
俺「ハル。ピーマン食べないと大きくならないよ。
ずっと小ささいままだぞ」
ハル「ちいさい。やー」
サリナ「俺君。本当にパパみたいだねw」
サリナが笑って俺を見た。
サリナの笑顔。今日始めて見たような気がする。
いや、ずっと見てなかったな。
こうやって家族三人で食卓を囲むのは初めてだ。
だけど、これが最初で最後なんだ。
809:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/23(水)00:57:27.14 ID: zNY+eXaU0.net
810:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/23(水)00:58:43.54 ID: 9O7549PaO.net
サリナはハルと一緒に布団に入った。
全然眠れる気がしなかった。
ハルと過ごした1日1日を思い返していた。
ハルの寝顔を見るとまた泣きそうだ。
サリナ「寝れないの?」
背中を向けたサリナが言った。もう寝たと思っていた。
俺「すまん…」
何で謝ってんだ俺は。
812:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/23(水)01:00:06.01 ID: 9O7549PaO.net
大人になった。
パパだよ本当。
ハルのこと本当に理解してるみたいだし。
ハルもすごくパパに懐いて。パパっ子だね」
俺「そりゃずっと一緒だったからなw
それにハルのおかげで、少しだけど成長できたんだよ俺も。
良い父親じゃなかっただろうけど。」
813:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/23(水)01:03:39.59 ID: yMU5k8lp0.net
814:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/23(水)01:03:54.26 ID: 9O7549PaO.net
こうやって父親できるんだ。
子供ってすげーよな。
どんな辛いことがあってもさ、
その笑顔を見るだけで、よし頑張ろって思えるんだよ。
子供の成長だけじゃない。それで親も成長していくんだなw」
ハルが初めてパパって呼んでくれた日。
俺は変わろうと思った。
ハルが自閉だと分かった時、父親としての自覚が出来た。
本当にハルのおかげなんだ。
815:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/23(水)01:04:20.38 ID: dX3EK/mB0.net
816:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/23(水)01:06:03.97 ID: F5O60SGcO.net
最後まで待とう
817:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/23(水)01:06:21.86 ID: 9O7549PaO.net
俺が帰らなかった頃のハルの話。
サリナが出て行ってからの俺とハルの話。
サリナが出て行った理由。
今は地方の友達のところで介護の仕事をしていると言ってた。
初めてサリナと向き合って話したような気がする。
本当に何もかもが遅すぎたと後悔した。
818:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/23(水)01:06:48.20 ID: wYnIMFh70.net
819:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/23(水)01:07:25.07 ID: 9O7549PaO.net
あの日ハルを置いていったこと…
何もかもから逃げ出したくなって…
気づいたら電車に乗ってた…」
サリナは何度もハルに会いに保育園まで来ていたらしい。
何度か顔を見たけど、足が竦んでそばにいけなかったと言っていた。
820:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/23(水)01:09:11.48 ID: 9O7549PaO.net
いっぱいママができるだろ?
2年間ハルも頑張ったし、サリナも頑張ったんだ。
ハルを大事にしてくれな。
こんな俺が言うのもなんだけど。」
サリナ「ありがとう…
でも俺君はそれでいいの…?」
821:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/23(水)01:10:41.62 ID: 9O7549PaO.net
それでもハルの幸せはサリナと暮らすことなんだと自分に言い聞かせた。
俺「ハルにはママが必要だよ。
俺は大丈夫だ。
ハルにまた会いにいくし…
何か困ったことがあったらいつでも頼ってくれたらいい…」
サリナ「ありがとう…
ごめんね…」
その言葉がすごく心に響いた。
辛くてしかたなかった。
サリナは泣いているのか背中が震えていた。
822:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/23(水)01:15:28.65 ID: 9O7549PaO.net
ハッと目が覚める。
いつの間にか眠ってしまったらしい。
まわりを見渡す。
布団が畳まれていた。
どうやら俺が眠っている間に出ていったらしい。
俺「はぁ…」
ため息と共に全身の力が抜けた。
823:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/23(水)01:17:05.74 ID: 9O7549PaO.net
えっ?ハルの声。
驚いて振り向くと、俺のそばでハルが目を擦っている。
俺「ママは?」
ハル「しなない…」
824:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/23(水)01:17:35.75 ID: A1Ju3VJL0.net
826:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/23(水)01:18:14.45 ID: 9O7549PaO.net
慌てそれを取り出した。
中には手紙があった。
そして判のついた離婚届。
顔も洗わずそのまま手紙に目を通した。
827:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/23(水)01:19:09.97 ID: 9O7549PaO.net
朝早いけど始発があるので、起こさないでそのまま出ます。
おじゃましました。
御飯おいしかった。ご馳走さま。
ハルは置いていくね。
夜中に起き上がって、俺君にくっついていったの。
俺君のそばじゃなきゃ安心して眠れないのかな。
ハルは俺君が本当に大好きみたい。
そんなハルの気持ち無視できないよ。
828:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/23(水)01:20:06.13 ID: 9O7549PaO.net
今さらだけど、もし今の俺君となら幸せになれたかもね。
わたし本当に最低な妻で母親でした。
許して下さい。
本当に勝手ばかり言ってごめんなさい。
もう少し落ち着いたら必ず連絡します。
ハル 一度もママって言ってくれなかったな。
当然なんだけど、すごく寂しく感じた。
これから大変かもだけど、どうかハルをよろしくお願いします。
サリナ」
829:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/23(水)01:21:10.59 ID: 9O7549PaO.net
自然に涙が溢れる。
俺「ハル。
ママ好きか?」
ハル「しゅきー」
俺「そっか。
ママまた会いにくるからな。
それまでおりこうにしてような。」
ハル「ハルおりこーよw」
俺「うん」
830:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/23(水)01:23:02.06 ID: 9O7549PaO.net
もし、もう一度一緒に住もうと言っていたら、違う結果になってたのかな。
こうしてまた、
父親としての生活が始まる。
それが嬉しくて仕方なかった。
ずっと前は、家族なんかで俺の人生犠牲にしてたまるかって思ったりしたこともあった。
でもさ、
誰かの為に生きるって大事だよな。
家族がいる。
守るモノがある。
それだけで幸せなんだ。
831:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/23(水)01:24:49.41 ID: immTBOLg0.net
832:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/23(水)01:25:35.15 ID: dX3EK/mB0.net
833:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/23(水)01:26:37.13 ID: A1Ju3VJL0.net
834:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/23(水)01:27:25.35 ID: 9O7549PaO.net
続きはまだあるんだけど、スレも後少しなんで簡潔に書くべきならそうします。
とりあえずみんな本当にありがとう。
こんな時間まで付き合ってくれて。
838:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/23(水)01:30:41.28 ID: zbC02VT10.net
839:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/23(水)01:32:02.85 ID: mMoXuuWh0.net
840:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/23(水)01:32:46.72 ID: ky9+RSwr0.net
>>1 は本当に凄いと思う。俺の方が屑のままだ…
この後も期待しています。
841:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/23(水)01:35:01.21 ID: F5O60SGcO.net
だからじっくり書いてくれ
843:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/23(水)01:40:04.90 ID: YJPQgqXK0.net
俺もハルちゃんが立派な大人になるのを見届けたらハロワに行くよ
842:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/23(水)01:36:28.99 ID: 9O7549PaO.net
続きはまた明日来ます。
おやすみ
845:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/23(水)01:41:51.34 ID: l3zSVSk50.net
何か事情はあるだろうけど
子供にとったらママもパパも必要だよ
できたら三人で暮らしてほしい
今がどういう状況かはわからないけど
公園から家にいって朝離婚届ってことは既に離婚届は準備してあったんだよね
なんだかな…
878:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/23(水)23:18:35.13 ID: SrJwDVd7O.net
子ども二人今寝ててかわいいよ
大事にしようと改めて思った
879:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/23(水)23:38:13.52 ID: 9O7549PaO.net
サリナとのことはまだこれで終わってないんだ。
後次スレは考えてなかったw
ダラダラでいいなら、まだ書きます。
881:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/23(水)23:40:33.02 ID: SKgQuyfH0.net
楽しみにしてるぜ^_^
882:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/23(水)23:40:42.50 ID: 26WQ9UU/0.net
お疲れ様です!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!(つ´∀`)つ<何事にもマタ-リですわよ
880:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/23(水)23:40:27.53 ID: R1H2Zlnt0.net
ゆっくりでも良いから最後まで書いておくれ!
883:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/23(水)23:48:16.07 ID: BU96+GhO0.net
884:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/23(水)23:51:03.49 ID: 9O7549PaO.net
とりあえずグダグダになってきて申し訳ないが、続き書きます。
887:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/23(水)23:52:26.53 ID: 9O7549PaO.net
「見つけたぞ。
お前が探してるやつ。」
仕事中にツレからの電話だ。
サリナとの事があって数週間が経った。
あれから俺は人を探してた。
888:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/23(水)23:54:21.99 ID: 9O7549PaO.net
ツレ「ホストは辞めて、○○ってBARでバーテンしてんだと。」
俺「そっか。
分かった。ありがとう。」
電話を切るとすぐ保育園に連絡した。
用事で遅れるって。
仕事が終わると、その足で電車に乗り込み繁華街へと向かった。
890:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/23(水)23:56:41.97 ID: 9O7549PaO.net
毎晩クラブに行ってはナンパばかりしてた。
その時もツレと二人でナンパしてた。
俺「ここ初めて?」
女「うんw」
ツレ(洋介)「良かったら、俺ここのオーナー顔きくからVIPいかない?
おごるよw」
ちょうど良さそうな女二人をタゲにした。
891:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/23(水)23:59:17.60 ID: 9O7549PaO.net
きつい酒飲まして、いい感じになったらカラオケかホテルに誘う。
お決まりのパターン。
俺「ねぇ、2人きりになれるとこいかね?」
女A「いいよーw」
俺「俺ら今から外出るけど、
洋ちゃんはどうする?」
洋介「じゃ俺らも行くか?」
女B「うんw」
そう言って出ようとしたとこでギャル男三人組に止められた。どうやらホストらしい。
892:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/24(木)00:01:05.30 ID: 9O7549PaO.net
お前俺ってやつか?」
俺にわざと体をぶつけてきた。
カチンときたけどとりあえず我慢。
俺「ん?
そうだけど何か?」
ホスト2「ユミって女知ってんだろ?」
ユミ?ユミ?んー知らない。
俺「いや知らね。」
894:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/24(木)00:04:12.75 ID: 88SZrFFHO.net
アホなの?
先週ナンパしただろ?」
俺「ユミって女知ってる?」
覚えがないので洋介に聞いた。
ツレ「あーたしか先週ナンパした女じゃね?
たしかユミとかって…
確か趣味ホストとか言ってたよなw」
俺「そんなのいたかなw
ごめん。
毎日ナンパしてるから忘れたわ。
そのユミって女が何?」
895:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/24(木)00:06:34.53 ID: 88SZrFFHO.net
でお冠なわけだ。
リョウ「おいカスが調子のんなよ。
人の女に手出しやがって。
どう責任とんだ?あっ?」
他の2人のホストはそれを見てニヤけてる。
俺「でもあの女彼氏いねーって言ってたなw」
リョウ「ぶっ殺す」
俺の胸ぐらを掴むホスト。
リョウ「頭ワリーの?
なんなら恐い人呼ぼうか?」
897:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/24(木)00:08:50.30 ID: 88SZrFFHO.net
まあ、話しならゆっくり外でしよw」
ナンパしてたら、こんなトラブルはしょっちゅうだ。
だから一応、毎回彼氏持ちかどうか確認するんだけど。
まあナンパに付いてくるような女は、たいがいいないって言うのは当たり前か。
とりあえず女置いてツレとホスト3人と一緒に、表に出たわけだ。
898:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/24(木)00:10:15.94 ID: 88SZrFFHO.net
一番粋がってた、リョウってホストは鼻の骨が変な方向に曲がって、血反吐吐いてた。
泣いて許してくれって言ってたけど、やる時はとことんやる性格だったから歯止めが利かなかった。
氏んだんじゃないか?ってとこでようやくブレーキがかかった。
902:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/24(木)00:12:09.83 ID: 88SZrFFHO.net
ちゃんと生きてる?
お前の女いい体してたわw」
覚えてないけど。
ツレ「ウホッ。
こいつ財布に10万入ってる。
手が痛てーし、慰謝料代わりにもらっとくかw」
904:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/24(木)00:16:11.62 ID: 88SZrFFHO.net
当然のようにその報いを受けた。
ただし不幸はサリナに降りかかった。
サリナが泊まったあの日、言ってたんだ。
905:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/24(木)00:16:16.70 ID: vA5ISy470.net
906:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/24(木)00:18:00.14 ID: 88SZrFFHO.net
リョウはすごい怪我をしてたらしい。
俺にやられたから慰謝料払え。
払わないなら刑事事件にすると言われたそうだ。
夜中に何度もしつこく家に来たらしい。
907:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/24(木)00:21:32.19 ID: 88SZrFFHO.net
毎月10万の支払いはきつかった。
俺とは連絡つかないし、
貯金も底をついてた。
パートだけじゃたかが知れてる。
家賃も払えず支払いに追われ、とうとう精神的に限界がきた。
そして現実から逃げてしまったとサリナが言ってた。
何より俺を裏切ってしまった自分が許せないと。
もう母親でいられないと思ったらしい。
結局サリナを追い詰めたのは俺なんだよな。
俺はクズすぎだ。
本当。
分かってたことだけど、
結局サリナが出て行ったのは全て俺が悪いんだよ。
909:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/24(木)00:27:31.06 ID: q7t5/Iqk0.net
そして今はパパに懐いている現実
子供を置いて行くのは最低だという意見も
あるがやりきれんな奥さん…
910:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/24(木)00:27:39.38 ID: 88SZrFFHO.net
ビルの二階で人気はなかった。
【close】の表札がぶら下がっている。
どうやらまだ店は閉まってるらしい。
一つの覚悟をしてリョウに会いにきたんだ。
ずっと自分の行いを後悔してきたんだよ。
そして今回も。
911:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/24(木)00:29:16.42 ID: 88SZrFFHO.net
リョウ「すんません。
もうすぐ店開けますんで。」
俺はすぐ気づいたけど向こうは気づいてない様子だ。
俺「いや、
客じゃないんすよ。
リョウさんすよね?ホストやってた」
リョウ「あーそうだけど。
リョウは源氏名で本名は違うっすよ。
あんた誰?」
913:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/24(木)00:30:36.13 ID: 88SZrFFHO.net
覚えてますか?」
ハッとした顔をした。どうやら思い出したようだ。
リョウ「な、何だよ。
今さら?
け、警察呼ぶぞ。コラッ」
リョウの顔色が変わり動揺を見せる。
914:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/24(木)00:31:39.37 ID: 88SZrFFHO.net
クラブで俺がしたこと覚えてますよね?」
俺は息を飲み目をつぶった。
リョウ「わ、忘れるわけねーだろ。
だから何だよ今さら。」
俺「どうもすいませんでしたー」
俺は土下座し頭を床につけた。
915:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/24(木)00:32:36.59 ID: 88SZrFFHO.net
でも、
本当に本当にすいませんでしたー」
俺は大声で謝った。
何を今更って感じだけどな。
それがリョウに火をつけたのは言うまでもない。
916:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/24(木)00:33:36.78 ID: 88SZrFFHO.net
目の上を切ったのか血がタラタラと床に滴り落ちる。
俺「すいませんでしたー」
俺はすぐに姿勢を戻して謝った。
リョウ「っざけんな。
このカス」
今度は蹴りだ。
それでも姿勢を戻して謝った。
917:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/24(木)00:38:48.98 ID: 88SZrFFHO.net
リョウ「おいお前の嫁バカだよなw
きっちり100万払ってよ。
しかも追加で50万請求したら、もう金がねーって言うから、
仕方なく体で払ってもらったわw
子供産んだ割にいい体してたわw」
いつもの俺だったら、我慢せずに反撃してた。
でも歯を食いしばった。
サリナはそれを裏切ったと後悔してたんだ。
責任は全て俺にあるんだ。
919:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/24(木)00:41:50.28 ID: 88SZrFFHO.net
リョウ「ハア。ハア。
バカかお前。ハアハア」
俺「すい…ません…でした…」
口の中を切ってうまく喋れない。
リョウ「チッきめー。
もういいよ。ウゼーッ。
その面二度と見せんな。」
920:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/24(木)00:43:21.37 ID: 9xIsCZn60.net
921:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/24(木)00:43:53.29 ID: 88SZrFFHO.net
俺は気を失いそうだったけど、どうにか持ちこたえて壁にもたれて座り込んだ。
何故わざわざこんなことしたかって。
自分への戒め。
そして誠心誠意リョウに謝りたかった。
ただの偽善だとか、自分に酔ってるだとか言われるかもしれないけど。
それでも俺はきちんと謝りたかったんだ。
何よりサリナはもっと辛かったんだよ。
923:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/24(木)00:47:19.20 ID: 88SZrFFHO.net
昔はやんちゃしてました?
ダッサ。
そんな父親嫌だよな。
これから先、もしハルが誰かを傷つけたとして。
俺はどんな顔でハルを叱ればいいのか。
こんな俺がハルに何て教えたらいいんだ。
怪我をさせて謝らない親が、息子に謝れなんか言えるか?
こうでもしないと、俺自身納得がいかなかったんだ。
これが良かったと言うわけじゃないんだけど。
それでも、俺は誇りを持って息子にいけないことはいけないって言いたい。
少しでも良い父親になりたかった。
925:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/24(木)00:51:48.45 ID: 88SZrFFHO.net
保育園からの電話でハルの迎えを思い出した。
俺はタクシーに乗り込んで急いで保育園に向かった。
まあ体が痛くてゆっくりだったけど
。
ボロボロな俺の姿を見て、運転手さんがすごく心配してたのを覚えている。
926:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/24(木)00:52:57.26 ID: 88SZrFFHO.net
ハル「パパーw
おかえりー」
ハルがよってきた。
俺「おそくなって…ごめんな…」
佐々木先生「キャッ。どうしたんですか?
その怪我…」
927:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/24(木)00:56:13.91 ID: 88SZrFFHO.net
転んじゃって…」
すぐに近くの病院で手当てをしてもらった。
結構痛い所だらけだったけど、体だけは丈夫だったんだよな俺。
928:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/24(木)00:58:16.81 ID: 88SZrFFHO.net
本当迷惑かけてすいません…痛ッ」
佐々木先生「どこが大したことないんですか?
大怪我じゃないですか?」
俺「すいません…面目ない…」
ハル「パパー、イタいの?イタいの?」
ハルが心配そうに俺を見る。
929:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/24(木)01:00:12.15 ID: 88SZrFFHO.net
もう大丈夫だよ」
そう言ってハルの頭を撫でた。
佐々木先生「いったいどうしたんです?
転んでこんな怪我…ありえないです」
俺は佐々木先生に簡単にだけど理由を説明した。
930:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/24(木)01:01:44.17 ID: 88SZrFFHO.net
佐々木先生が深く溜め息をついた。
俺「本当にすいません。」
佐々木先生「駄目ですよ。
許せません。
喧嘩なんて信じられない。
大の大人が。
もしもお父さんに何かあったら、ハルちゃんはどうなるんですか?
ハルちゃんのこともっと考えてあげて下さい。」
931:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/24(木)01:02:49.22 ID: 88SZrFFHO.net
単細胞すぎる俺。
でも何だかすっきりしてる。
佐々木「お父さん?昔にどれだけ間違いを犯しても関係ないです。
父親なんだからハルちゃんが間違ってたら、きちんと注意すればいいんですよ。
それが親なんだし、誰だって子供には正しく生きてほしいと思うのは当然なんですから。
お父さんが間違いに気づいたってだけで十分じゃないですか?」
932:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/24(木)01:05:05.07 ID: 88SZrFFHO.net
佐々木先生「父親なら、過去にどんな悪いことしてきても。
子供のためなら手本になれるでしょ。
大事なのは今ですよ。」
俺「はい」
正論だ。
佐々木「よろしーwもう絶対にこんなことしないって、ハルちゃんにもわたしにも約束して下さい。」
俺「はい。約束します。」
佐々木「明日はわたしが朝ハルちゃん迎えに行きますから。
ちゃんと体を休めて下さいね。」
933:クズ ◆ZST.gXlq96 @\(^o^)/ : 2014/07/24(木)01:06:35.94 ID: 88SZrFFHO.net
でもこうやって、真剣に間違いを正してくれる人がいるってことは俺には大切なんだ。
彼女の言葉はハルのためなんだ。
本当に勉強になった。
まだまだ父親としては未完成だと実感させられた。
934:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/24(木)01:08:04.25 ID: smvnUu8z0.net
お前は好き放題のあげくに 謝ってスッキリ
リュウも痛い思いはしたが金せしめて家族壊してスッキリ
セリナ…預かり知らない事で大金払い痛めつけられ家族無くす。
最初から読んでてファンなんだけど、これは納得いかんわ
935:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/24(木)01:11:27.70 ID: twSuqGZR0.net
気持ちはわかるが最後まで読もうぜ
936:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/24(木)01:13:22.13 ID: +3kzKEYD0.net
言いたいことはわかるが
まぁ最後まで聞こうよ
944:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/24(木)01:35:08.95 ID: smvnUu8z0.net
>>936
ごめん。ちょいイラついてた。
主もぶったぎって悪かった。
本当に最初から読んでて感情移入しすぎた
俺も違う方向だけどかなりクズだったと思うけど今は嫁と娘二人、キツイけど適度に幸せに暮らせてる。
ガンバレ!!
947:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/24(木)01:47:45.33 ID: Ns4pEitI0.net
これ
正直謝りに行く必要なかった気もする
ケジメって言葉に囚われすぎてるのかな
とはいえ次スレも支援
942:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/24(木)01:16:51.41 ID: q7t5/Iqk0.net
そいつよりも大事な娘を借金まみれにして
傷ものにしてボロボロにして…
そっちのほうが先だろうよ…
945:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/24(木)01:43:39.65 ID: Fm6U13l60.net
最初からクズだって言ってんじゃん
確かに余りにもサリナが不憫なのは分かるけどさ
気に入らないなら閉じればいいだけの話しだ
946:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/24(木)01:46:20.46 ID: CnReu2lPO.net
昔はクズでも今変わろうとしてんだから応援すればよくない。しかも前科が傷害でまた傷害は実刑濃厚だろ。金とって過剰防衛でもないし。
もっと話しの筋理解しろよ。ホストにあいにいったのはハルのためだろーがよ
948:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/24(木)01:49:22.57 ID: AvmpUYg20.net
ハルのため?自分のためだろ
幼稚園の先生の言ってることが一番的を得てる
>>1を叩くとはまた違う
お前はみんなで>>1を担ぎたいだけだろ
951:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/24(木)01:57:15.64 ID: OQJyAQe10.net
仕方ないだろ。そんな事も分からなかったんだよ当時の>>1は。
だいたい、最初からクズだと言っている。
一旦は物語として読めよ
949:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/24(木)01:56:14.58 ID: nHpgNKlv0.net
批判続いて、来なくなるスレばっかりだからマジ批判しないでほしい
批判するなら最後にして
950:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/24(木)01:57:05.64 ID: q7t5/Iqk0.net
たまたま運よく大した怪我にならなかった
だけだ
これで万が一あってみろ
残されたはるちゃん
クズを信頼して身を引いた嫁
全部無駄になるわ
955:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/24(木)02:04:14.88 ID: Fm6U13l60.net
バカかよ
正義感振りかざして満足か?
956:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/24(木)02:06:29.19 ID: smvnUu8z0.net
本当に俺のレスに反応しないでくれ。
次スレに期待してます。
965:名も無き被検体774号+@\(^o^)/ : 2014/07/24(木)05:28:09.12 ID: fwBOKZQ30.net
1頑張れw
続き(3/10 15時公開予定です): 【クズ】遊んだ女が妊娠して所帯持ちになった→ある日、保育園から『嫁と連絡が取れない。お迎えをお願いします』と連絡がきた → 嫁は息子を置いたまま蒸発→衝撃の結末を迎えた【3/4】
こんな昔の、1日1投稿ってこんなんググってすぐほかサイトで続き見られるし…