1:名無しさん@おーぷん : ID: ID:Q9u
高校生の時に求人募集を見かけて飛び込んだ
週払いだったからと言うのも大きい
2:名無しさん@おーぷん : ID: ID:G8e
4:名無しさん@おーぷん : ID: ID:Q9u
頑張るわ
3:名無しさん@おーぷん : ID: ID:Q9u
バイト先「に」だったな(´・ω・`)
当時、俺は高校1年生だった
頭が悪くバカ高に進学したんだったが別に苦じゃなかった
他校に進学した中学の友人たちと比べたら
地元の中ではアルバイトに寛容な学校で
入学式後のHRで担任教師がそれを話して生徒たちにバイトを促すほど
もちろん「ちゃんと勉強しろよ」と言いながら
5:名無しさん@おーぷん : ID: ID:U0q
6:名無しさん@おーぷん : ID: ID:Q9u
同級生たちがどんどんバイトを始めていった
今ほどではないにしても、ちょっと田舎だったがコンビニもあったし
ホームセンターとか万年求人状態で、夕方以降はほぼ同校生徒
バカ高だから上下関係とかダルいけど地元で一番稼げるバイトだった
電車とか自転車を使えば、もっと働き先はあったけどな
7:名無しさん@おーぷん : ID: ID:Q9u
俺の場合は親と相談して「1学期中はバイトするな」となり出遅れ
「夏休みになったら、夏休み限定でのバイトをしてやる!」
そんな感じでかなり息巻いていた。そうして迎えた夏休み
地元には車の通りが多い大通りがあるのだが、どこかで求人してないか探していたとき
『求人中!学生さん大歓迎!』
―夏休みだけでも良いよ!―
―週払い!―
―時給○80円―
―気になる方は声をかけて下さい。―
そう書かれたポスターを見つけたんだ
暖かい文字と弁当の写真をノリで貼り付けたポスターが印象的だった
8:名無しさん@おーぷん : ID: ID:Q9u
時給も悪くなく「10の位が80円だって!?」と当時メッチャ喜んでいたの覚えている
店に関しては駅の立ち食いそば屋みたいな店構え
沢山の弁当の写真が張り出されていて
店の前にカゴに適当な弁当が平積みされていて(セール品)
駐車場は8台。考えてみれば地面がデコボコだったな・・・
おばさんとおじさんの2人が経営している弁当屋だった
9:名無しさん@おーぷん : ID: ID:heS
露骨なチンピラ二人がすげえニコニコしながら指示出ししてたなあ
10:名無しさん@おーぷん : ID: ID:Q9u
ポスターを見てと伝えると後日面接ってことになった
「履歴書とか一切用意しなくていいよ」が今となっては印象的
ただ親御さんの了承と一応の面接と自宅の電話番号が必要って話だったと思う
それで面接に行ったはずなのに、もうエプロン着させられて店先に立たされた
(ああ~・・・・これが働くってやつか!!)と謎エクスタシーしていた
12:名無しさん@おーぷん : ID: ID:U0q
モデルのスカウトされて行ってみたら大人の動画の無理矢理みたいな流れだな
13:名無しさん@おーぷん : ID: ID:t6R
15:名無しさん@おーぷん : ID: ID:Q9u
そういう細々としたことを初日に教えられる
袋はここのを使ってねとか
ハンガーラックにサイズ違いの袋があって番号が2から振ってあり
買われる弁当箱の個数と同じ番号の袋を使えば丁度いいよ、は今でも覚えているナイスアイディアだった
ただ、初日
朝10時からの面接と言うなの初店当番を果たして
そこからお昼近くになるまでに思った
(きゃ、客が来ねえ・・・・・)
16:名無しさん@おーぷん : ID: ID:U0q
17:名無しさん@おーぷん : ID: ID:Q9u
それを完食し終えたところで店のベルが鳴らされる。
対応に向かうと、ボロボロの作業着を着た近くの工場系の人がいた
その人は無口と指差しと小銭を投げるように渡す
イラッとするとすかさずオバさんが割るように入ってきて
横で「あーい、あいあいあー、いあいああ、いあ!」と言う『あ』と『い』だけの
圧縮言語的コミュニケーションをその工場の人にしながら、お会計を済ます
初日にして「 あ、無理 」と思わず思った
接客業の闇は深い
18:名無しさん@おーぷん : ID: ID:Q9u
そこから降りてくる作業着を来たオッサンや兄さんたちに
ガタガタ言われながら弁当箱を渡し、お金をもらう、レシート渡す
どこからか現れたおばちゃん集団たちに弁当を幾つか販売
まとまって買う訳じゃないし、オバさんがどんどんおまけをつける
夏休みでもクラブか部活動かな小中学生が店先のセール弁当を1つ購入
あと店で売っている缶のカルピスを同時に購入
以上、19時までに訪れた15人前後が初日店に訪れた客だった
「どう考えても、少ねえ」
19:名無しさん@おーぷん : ID: ID:Q9u
店がボロボロに思えてくる
エクスタシーが覚め「本当に給料貰えるのか?」と不安になる
店の所々が汚く思えてくる
よく見たら白い弁当箱が若干黄色く変色している
よくよく考えたら後ろの厨房に居るオジサンはテレビしか見てない
火を使ったりしてジュージューやジャージャー料理を作っている音を立てていたのは来た時の朝と昼前ぐらい
あとはどんどん作る置きの食材がセール弁当に変身していく
どんどん作り置きのセール弁当が取り下げられて後ろの事務所に積み上げられていく
20:名無しさん@おーぷん : ID: ID:Q9u
色々な不安を感じたとは言え
流石に初日にオジサンに相談してみた
自分「あの、給料は週払いですよね・・・・?」
オジサン「ああ?そうだけど、なんだ?どうかしたか?(声音としては優しい)」
自分「えっと週末っていつでしたっけ!(慌てて話題を逸らす)」
オジサン「あー金曜日と土曜日どっちがいい?」
自分「え、選べるのですか?」
オジサン「その方がいいだろ?」
自分「なら金曜日がいいです!」
オジサン「あー・・・・・・・・・・・・(そのままテレビを見る)」
自分「(つられてテレビを見る。その長い「あー」はなんだ?)」
オジサン「あーあー・・・・・うん、ちょっとまってくれな」
そのままオジサンは動き出した。
21:名無しさん@おーぷん : ID: ID:Q9u
途中「あ!そうだった!」とか言っていたのを覚えている
もう不安で不安で不安でしかなかった
なんか知らんけど
とても人良さそうな人たちなのに、
黒いモヤモヤして煙たい雰囲気を感じたのを覚えている
しばらくして
オジサン「ごめんね、ごめんね、またせたね」
自分「いえ!」
オジサン「それで今週末は、ごめんね、ほら今日から入っているから、色々計算の方があってね!」
自分「なるほど?(意味は分かっていないのに頷く無能)」
オジサン「来週に今日からの分まとめて払うから・・・・ね?」
自分「本当ですか!分かりましたーーー!!!(何故か超喜ぶ無能バカアホ)」
給料が貰えるという話を聞いたら、俺のテンションは馬鹿みたいに上がった
実際バカなんだけどよ
22:名無しさん@おーぷん : ID: ID:Q9u
母親は「週払いって言ったんでしょ?変じゃない?」と疑問に思っていたが
親父が「働くってそういうもんだから、それに会社でも急に~~(なにかを色々話したが覚えていない)」と言い出して
有耶無耶になって終わった
親父の話はよく覚えていないが
その日の夜は安心して眠ったので「そうか!じゃ変じゃないな!」と安心できた内容だったと思う
23:名無しさん@おーぷん : ID: ID:Q9u
もうオバサンは店の中で準備を始めていて
オジサンは後ろでジュージュージャージャーと弁当作り出していた
「おはようございます!」と元気に挨拶すると
中から「「おはよう!」」と2人が明るく返事を返してくれた
すんげーそれが気持ちよかったし、ゾワゾワッと鳥肌を立った
(昨日の奴は疑心暗鬼すぎだな!)って自分で思った
実際、働いたことなんか無かったし、初めての仕事だし
不安になっていた自分が馬鹿らしく思えていた
まあ、実際のところは馬鹿だったわけだが
24:名無しさん@おーぷん : ID: ID:Q9u
特にやることもなくパイプ椅子に座っていた
オジサンがせっせと料理を作って弁当箱に詰めて
オバサンの方がカウンターを拭いて出来上がった弁当箱を運んで
申し訳なくて「なにかできないか?」と聞いたら店の前の掃除をしてくれと
あと冷凍庫(一般家庭サイズ)に箱の中の肉を入れてくれと
充実していた。
25:名無しさん@おーぷん : ID: ID:Q9u
支持を受けて「あー充実」で棒立ちはしていない
念の為
26:名無しさん@おーぷん : ID: ID:Q9u
「いいよ!いいよ!」とオジサンが笑い
「どうせまだ誰も来ないし、来たら対応すればいいから!」とオバサンが笑う。
「俺がトロいから」と反省しているの格好付けているのかよく分からないことを俺が言う
・・・・そのまま、その日は昼過ぎまで誰も来なかった。
ただ、ここにその間に沢山のことが見えた
27:名無しさん@おーぷん : ID: ID:Q9u
「今日は昼作らなくていいなー、誰もこねーだろ」と言ってどこかへ出ていってしまった
オバサンは止めもしないし「いってらっしゃ~い!」と見送る
無能バカ俺も「いってらっしゃい!」と見送る
オバサンはその後はテレビを見て笑ったり一人ツッコミを入れたりしていた
俺もやること無いからボーッとジャンプ読んでいる
ちなみにこのジャンプが今考えると闇が深いのだが
オバサンが「どうせ暇だろうから、これ」と渡してきたものである
28:名無しさん@おーぷん : ID: ID:Q9u
オジサンは何処に行ったのかを尋ねると
「うーんうーん~・・・・」と悩んだ素振りをした後「パチンコ♪」と可愛く行った
俺は内心ハラッとした。まだハラハラしていないが、ハラッと
当時、うちの地元だけかもしれないが高校生の間でも
今で言う『パチカス』な話題は出ていた
バカ高だから尚更、親がパチカスってやつだっていた
なーぜか、それが頭をよぎったのである。
オバサンは畳み掛けるかのように
「私も行きたいんだけど最近行けてないのよー」
「そうだ雨が降ったら多分休みになるからねー」
「もしも休みの時とか店の電話誰も取らないことがあれば○○(パチンコ屋)にいるからね~」
「○○くん(俺)が休む時はウチも休むかも、アーッハッハッハッwwwwww」
ハラッが2回続いてハラハラッに変わってしまった
29:名無しさん@おーぷん : ID: ID:Q9u
昼過ぎに来た作業着を着たオッサンや兄さんたちは
セール弁当(100円)しか買わずその癖割り箸や袋を大量に要求された
オバサンは「家のヤツなくなっちゃったの?」とか気さくに言って
「そうそう、家の割り箸が切れちゃって。おばちゃんまけて!」とか。
その後来たのは、なにを言っているかよく分からない兄さん
鼻の穴のしたまで前髪だけ(前髪だけ)伸ばしてしきりに頭を左右に振る
「(かすれた声)・・・だぜ!」「(かすれた声・・・)さ!」「(かすれた声)・・・ぬさ!」
俺の中でのあだ名は『前髪ナイアガラ』だった
30:名無しさん@おーぷん : ID: ID:Q9u
オバサンを一人にはと思ったが
お言葉に甘えて「それじゃ、失礼します。お疲れ様でしたー」と帰宅した。
31:名無しさん@おーぷん : ID: ID:Q9u
(今考えると昼間に来て居ないから深夜に来るってふざけていると思う)
コンビニで各々がジュース持ってきて馬鹿騒ぎをしていた
俺がバイトしていることを話したら何故か大受けだった
一人がしきりに店は何処だ何処だと聞いてくる
仕方なくその場所を教えたのだが
「近所じゃんwwwwww」と爆笑した
ただ「そんなところにあったかな?」とも言われた
俺「じゃあ、俺が行っている店は幽霊店かなにかかよwwww」と返した
幽霊店よりもひどい夜逃げ店です
32:名無しさん@おーぷん : ID: ID:Q9u
昨日の早くに来て作業するに味をしめたとも言える
役立ってる自分っていうのに酔いしれたかったのだと思う
ただその日はオジサンが「昨日は頑張ってくれたからね、これ食べておき」と
肉物関係の弁当のおかずをすべて一緒くたにしたスペシャル弁当を用意してくれていた
オジサン「落ち着いたら昼まで暇だろうし、ゆっくりお食べ!」
そんな感じでゆるく始まった。
しかし、奇妙なことに気がついた
33:名無しさん@おーぷん : ID: ID:Q9u
明らかに一日に入ってきている量が多すぎる
考えて見れば冷蔵庫や冷凍庫の中が元々スカスカだったような気もした
聞けば「明日からは来ないから」と言われる
その時の俺は「そんなに食材消費しまくっているのか?」と思っていたけど
今考えると『消費関係なしに、元々スカスカの冷蔵庫と冷凍庫に食材を詰め込んでいる』ってことだった
34:名無しさん@おーぷん : ID: ID:Q9u
すると(仕込み作業などを省いて)冷凍庫か冷蔵庫から鶏肉が10キロ減っているはずなんだ
ただ1日に入れていく量は10キロ~30キロ近く
たぶん、勘がいい人は此処らへんで色々とやばいことに気がついてくると思う
35:名無しさん@おーぷん : ID: ID:Q9u
相変わらず客が全然来ない店だなーと、嫌でも思い始めた数日目(多分5日目(
36:名無しさん@おーぷん : ID: ID:Q9u
オジサンとオバサンの勧めなんだが、つまり「時間を潰せるものをもってこい」とのことだった
時々オジサンがパチンコに出かけるのは日常茶飯事になっていた
オバサンはと言えば相変わらずテレビを見て、新聞を見て、俺と学校の話をして
今考えれば、給料関係の話は上手く出ないようにされていたのだと思う
あとは、毎日弁当を幾つも持たせられるようになっていた
「どうせ余っているから」とセール弁当を幾つもくれる
家族にそれを渡すと「おいしい」と言っていた。実際旨い。
37:名無しさん@おーぷん : ID: ID:Q9u
38:名無しさん@おーぷん : ID: ID:Q9u
ただ明らかにガラの悪いアンチャンだった
アンチャン「おー?お孫さん?息子さん?」
俺「違います・・・・」
アンチャン「なあなあ、○○さんと○○さん(オジサンとオバサンの名前)居る?」
俺「今呼んで」
オジサン「あー!!!すみません、すみませんすみません!!」
すっごく何度も謝りながら大声でオジサンが現れた
すごい弱々しい顔をしていたのを覚えている
39:名無しさん@おーぷん : ID: ID:Q9u
アンチャン「人雇うとか、もーかってんね?」
オジサン「いやー、□□さんのおかげです!(アンチャンのこと?)」
アンチャン「だろ?でもさ、人雇う余裕あるわけ?」
オジサン「この先必要になることですし」
アンチャン「この先だろ、バカジャネーノ?」
そこでオジサンが俺に気がついて「もういい、もういいから帰っていい!」と言った
アンチャンの方が「そりゃワリーだろ、俺が来たから帰らせるのか?」
アンチャン「てか、本当に息子さんの知り合いとかお孫さんとかじゃないわけ?」
アンチャン「ねえ、君、名前なんていうの?」
俺はビビリながらも名前を言う。
アンチャン「んー、じゃー違うか―」
そんなタイミングでオバサンが来て、俺の腕を引っ張って後ろに連れて行かれた
40:名無しさん@おーぷん : ID: ID:Q9u
俺は店当番しなきゃだと思ったし、なんかあったらヤベーと思って突っ立ってた
オバサンはしばらくの間来なかったから、隠れていたのかなと思う
41:名無しさん@おーぷん : ID: ID:Q9u
オバサンに弁当を適当に幾つか持たされて「明日は来ないでいいよ!ごめんね、ごめんね!」と何度も言われて
でも、店から少し離れたところで直ぐ脇に外国車が停まって声をかけられた。
運転席に一人しか乗っていなかったのだけどクソ渋い顔したオッサンで
オッサン「おい、お前、○○(弁当屋)で働いていたよな?」
オッサン「なあ、○○(会社名?)の連中たち弁当買いに来ているか?」
オッサン「あーわかんねーのな。新人さんで?」
ビビリながらそんな感じの会話をした。
オッサン「別んところで働け。本当に、別んところで」
なんかの拍子でそう言われて、その後、缶コーヒーを渡されて別れた
当時の俺としても意味不明だけど
ひたすら怖い怖いと思っていた
42:名無しさん@おーぷん : ID: ID:Q9u
ただ弁当屋のことが気になってひたすら眠れなかった
当時眠れないならやることと言えば
マンガ本や本を読むのもあるけど、基本は公園に出掛けて運動ぐらいしかなく
深夜徘徊ってやつ
大体公園に行けば知り合いの1人や2人は居るような田舎だし
夏休みの夜を暇しているやつなんて沢山いた
そこで見つけた友人に弁当屋のことを話した
「近所じゃんwwwwww」と爆笑したヤツである
43:名無しさん@おーぷん : ID: ID:Q9u
俺「だろ?」
Aくん「でも行ったことがないらしい」
俺「なんで?」
Aくん「いやしらねーよ。そもそもあそこ潰れたんじゃなかったの?とか言ってたよ」
俺「は?」
Aくん「わっかんねーけど。てか、俺も考えてみるとそうだと思う」
Aくん「彼処らへんは小中で通学したことあるけど、店やっていたのを見たこと有るけど」
Aくん「高校あがる少し前から旗も畳んで店もシャッター降りていたと思うんだよなぁ」
Aくん「そもそもその時給で募集していたら俺が真っ先に飛び込みに行ってるしさ」
Aくん「なあ、その店本当に大丈夫なのか?書類とか色々書いてないか?」
44:名無しさん@おーぷん : ID: ID:Q9u
バイトでも結構事細かい書類を書く必要があることに
名前、生年月日、住所、郵便局、電話番号・・・・そんな書類書いたことがない
俺「か、書いたこと・・・・ねーわ・・・」
Aくん「バカだな、それじゃ、もしかしたら働いたことになってねーかもしれねえよ?」
Aくん「今聞いている感じ普通の店じゃないじゃん?」
Aくん「普通じゃないって、普通じゃないが当たり前になってな?」
Aくん「一線超えちゃいやすいからな?」
そんな感じで俺の初バイトがガクブルへと変わっていった
45:名無しさん@おーぷん : ID: ID:Q9u
翌日弁当屋に向かった。
俺の顔を見るとオバサンが「あ、来た」と呟いた
オジサンは「こないだは、ごめんねー」といつもの陽気で行ってきた
その日は珍しく忙しかった
昼前から作業着を着た人が大勢来て、昼過ぎにも来て、夕方にも来て
多分同じグループが4つぐらい店に来ていたと思う
購入していくものもマチマチで、セール弁当から普通の弁当まで
注文してから作る弁当を頼んだ人も居た
そのグループの一人が「お、□□さんが言っていた新人だな!」と俺のことを見ていった
オバサンの方は「そうなのー!」と明るく笑って
その人が「ちゃんと稼げよ~、てか金ほしいなら俺たちのところで働くか?」とか誘ってきた
オバサンは「やめてよー!うちの店が困っちゃうから!」と笑い流していた
でも、その日の夜。帰る前にオバサンに言われた
「こき使われて、それこそ事故とかに逢わせられるかもしれないから、行っちゃ駄目だからね」と。
46:名無しさん@おーぷん : ID: ID:Q9u
ハッキリと給料関係の話を切り出した
とはいっても「少し早めにほしくて」と
オジサンの方は黙ってしばらくテレビを観た後
「つっはぁ」みたいな短い息を吐いて「そか、そうか、話は分かった」と言った
オジサン「給料急にほしいとかどうしたの?」
俺「いや、ほしいのがあって・・・・ボーリングの球なんですけど(咄嗟に言った嘘)」
オジサン「こないだの事とかでなにかあった?」
俺「いえ、なにも!なにもないです!」
オジサン「そかそか・・・そうか・・・・」
俺「それで・・・・貰えないでしょうか?」
オジサン「んー今週に渡すからね。金曜日に渡すから」
俺「二日後に、絶対ですよ・・・?」
オジサン「分かった約束する」
内心、本当になんかヤバイなって思っていた
47:名無しさん@おーぷん : ID: ID:Q9u
でも、今で言う奥行きのある氷冷皿付きの冷蔵庫。新品。電気代は食うタイプ。
オジサンに尋ねると
オジサン「新しく冷蔵庫を増やすことになってね。野菜とか入れようかなーって」
オジサン「奮発しちゃったよ・・・」
そのままオジサンと2人で店の中に冷蔵庫を運んだ。
店の中ではすでにオバサンが片付けを終えていて「そこにおいて」と指示していた
その日は冷蔵庫の他に、鶏もも肉が30キロ箱で来ていた
いつもなら肉は冷凍庫にいれるのだけど、その日は
オジサン「今日使っちゃうからそのままにしておいて。冷蔵庫に入れちゃうから」と
その後はジュージュージャージャーと料理を作り始め
俺とオバサンで開店準備を済ませて
前日と同じく作業着を着た人たちが昼前と昼過ぎと夕方に大勢来た
すこしだけ話をしたらやはり会社ごとに来ていることが分かった
運転手の行きつけで連れてこられていると
48:名無しさん@おーぷん : ID: ID:Q9u
開店時刻はオーバーしたことを確認したときだったか
多分オバサンが「今日は、店やりたくないね~」とか言っていた気がする
雲行きが怪しかったから、もしかしたらそのことを言っているのを勘違いしているのかもしれないけど
49:名無しさん@おーぷん : ID: ID:Q9u
50:名無しさん@おーぷん : ID: ID:Xd6
51:名無しさん@おーぷん : ID: ID:Q9u
その中のひとりが「あ、BBQするんだけど、ここで肉買っていけない?」とオバサンに聞いた。
「俺んところの息子、めっちゃ食うんだよー本当、ホント」
「20キロぐらいの肉まとめて買ってけない?」
オバサン「あ・・・・ちょっとまってね。かか、買える買える!」
オバサン「俺くん、手伝って~」そのまま俺の袖を引いて店の奥へ
そのままオバサンに「俺くんは休憩に入っちゃって!休みな休みな!」と
言われるがままにいつも休憩や待機に使っている部屋に言ったけど
そうは言っても30キロの肉の重さは分かっている。
もしも本当に20キロの肉を渡すのだとしたら大変だろうから手伝わなきゃ
そう思って部屋から出た。部屋から出て直ぐのところに2人は居た
ただ、ビクッとオジサンとオバサンが跳ねた
オジサンとオバサンは朝入れた30キロのもも肉の箱の中を確認していた
なにかは本当に見えなかったが、その中になにか別のものが入っているのは確かだった
明らかに肉じゃない硬質的な黒い物体が肉の下にあった
オジサンはボトォともも肉の袋を隠すように落とした
ジーッと黙って俺の方を見ていて「・・・・・部屋に戻りなさい。いいね?」といった
52:名無しさん@おーぷん : ID: ID:Q9u
2人の表情が無機質で固くてジッとこちらを見ている顔が今でも浮かぶ
そのまま訳も分からないまま、ジッと待ってた。
本能的なものだと思うけど、部屋の窓の鍵は開けておいた
窓を開けたせいで外から「おー、メッチャ買うなww」「休日は明後日だろww」とか
そんな感じで盛り上がっているあのグループの声が聞こえた。
53:名無しさん@おーぷん : ID: ID:dnv
オバサンはニコニコしながら
俺にできたてだろうホカホカの白米と唐揚げと生姜焼きの弁当のおかずと一緒に
「はい、まかない」として出してくれた。サービスで缶ジュースまで付けてくれた
でも、なぜか食べれなかった。適当に「え」「あ、いや」「えっ」と言ってたと思う
オバサンに「なんで食べないの?」と聞かれて、ようやく
俺は「あ、食べます!」と反射的にがっついて食べ始めた。
オバサンは「おいしい?」と聞いてきた
俺の頭の中では(もしかして、この肉毒入っているのじゃねーの?)
(人肉じゃねーの?)(ヤバイ肉じゃねーの?)と変なことばかり考えていた
ただ、美味しかった
54:名無しさん@おーぷん : ID: ID:dnv
オバサン「さっきさー、なんで出てきたの?」
俺「重そうだったので!手伝おうと思って」
オバサン「見たの?」
俺はヤバイと思ったが、なんとか言い訳しようとして
俺「あれ、あんなに大量にもも肉あると気持ち悪いですね・・・・ww」作り笑い
オバサン「んー、それだけ?」
俺「い、いや・・・・なんか2人が怒っているように見えて、すみません」
オバサン「んー」
俺「なにか怒らせるようなこと、しました?」若干開き直りつつ切れつつ
オバサン「わかった、わかった」
56:名無しさん@おーぷん : ID: ID:dnv
オバサンは店に戻ったのだが、入れ替わるようにオジサンが入ってきた。
オジサン「どうだ、うまいか?」
俺「美味しいです!」(実際嘘はついてない。)
オジサン「えーっと、さっきはごめんな」
俺「な、なななにがですか?」
オジサン「そ、そうか、優しいんだな」
実際、俺は箱の中がなんだったのか確認できていない。
オジサン「なあ、ウチで働いて1週間ほどだけどやっていけそうか?」
俺「きゅ、急にですか!?」
オジサン「まあ・・・・本当にどうだ?」タバコを吹かし始める
俺「・・・・い、いや。給料もいいですし、感じも悪くないし、飯もうまいし」
俺「続けられるなら続けたいとは思います」
多分、そういったのは半分本当で半分嘘
続けたい理由は話した通りだけど、俺は辞めたいとこの時思ってた。
それでもオジサンに話したわけは
『働きたくないと言ったらどういう目に遭うか分からないから』でしかない
57:名無しさん@おーぷん : ID: ID:dnv
俺「です!」
オジサンはそのまま俺の背中をバンッっと叩いて
オジサン「ありがとな!今日はいっぱい残り物持って帰っていいぞ!」
俺「ほんとーっですか!!!!いいんですか!!!!」
オジサン「ああ、そう言えば明日給料日だな」
俺「あ、そうですね!」
オジサン「そう言えばボーリングの球とか言ってなかったか?」
オジサン「あれ嘘だろ~、分かるぞー?」
オジサン「本当はなにに使うつもりなんだ?」
俺「え、えっと・・・正直、周りがバイトしているから、俺もバイトしたいと思っただけで」
俺「いや、お金があったらなにかしら買うと思うんすけど・・・・」
俺「ああ!ボーリングの球は友人が買っていて良いなって思って咄嗟に言いました!」
オジサン「それなのに急いで給料ほしいと?」
俺「なんか友人がバイト代自慢されたんで、俺も自慢したかったんですよ」若干本当
オジサン「ああ、そういうことかwそういうことかw」
そんな感じで上手く乗り切った・・・・と、思っていたけど
文にするとあれだな。そうでもないな。
59:名無しさん@おーぷん : ID: ID:dnv
俺「は、はい!」
たしか、そんな感じの話を最後にしてオジサンが店に戻っていった
オジサンは言っていた通り
その日の帰り、要らないってほど大量に余った弁当をくれた
段ボール箱1個分。段ボール箱を自転車の荷台に乗せて運んだ。
家族のその日「何日分よ!?」って言われるぐらい貰って帰ってきた
・・・・・・・・しかし、翌日、それは起こった。
60:名無しさん@おーぷん : ID: ID:dnv
「流石に今日、辞めることを伝えよう。部活動忙しくなったとか言おう」と思って店に向かった
そうして到着した店のシャッターは降りたままだった
いつもなら少し半開き、あるいはもう全開になっているのに、シャッターは降りたまま
段ボール箱とかゴミとか置いておく裏口に回るがソッチも開いてない
薄々気がついていたけど、店の中から気配が一切なかった
いつものジュージュージャージャーの音はしない
かと言ってなにかを作業しているオジサンの気配はない
ちょっと騒がしいけどちゃんと手際よく準備しているオバサンの気配はない
店の入口に戻ると、シャッターに紙が貼ってある。
「○○ □□□□ 11時まで 早」○←名前 □←電話番号
走り書きみたいなそんな事が書かれていた
61:名無しさん@おーぷん : ID: ID:dnv
いつもどおり客は来ないがオジサンとオバサンの姿もない
俺は何度も店の周りをうろちょろして
どうにか店の中見ようとしたり、音を聞こうとしたりしていた
・・・そして偶然にも鍵が空いている場所をみつけた
それは俺が昨日開けた窓だった。あの休憩にしている部屋の
日頃開けることがない窓だったから鍵を締め忘れたんだと思う
窓は余裕で人が通るほどの大きさは有る
その時の俺はバカなことに「給料だけでも取ってやる!!!」と変なスイッチが入ってしまい
店に突撃してしまった
63:名無しさん@おーぷん : ID: ID:dnv
ソファーやイスはある。
だけど、あの観ていてテレビはない
ラジオもない。ちょっと大きな時計もない
なにかの写真も、壁にかけられていた賞状もない
キャビネットは扉が開いたままで、床には色々散らばっている
そのまま隣に移動した。厨房だ
厨房の調理器具がしまってある棚は全部開いている
テーブルの上には調理器具や書類や物が乱雑においてある
床におちている鍋の蓋やザルや弁当箱がある
中華鍋をかけておく所から鍋はなくなっている
火の回りにはものはないが、火がついていた様子もない
なぜかそんな感じで床とかテーブルの上とか荒らすかのように物で溢れている
65:名無しさん@おーぷん : ID: ID:dnv
ハンガーラックが倒れて、そこに引っ掛けてあった袋類が全部無い
割り箸や醤油とかの弁当につけるものもほぼほぼ無い
床には落としました程度の割り箸とか、そういったものと、無駄に大量の袋が散らばっている
ハンガーラックにかかっていた分の袋だと思われる
そこで気がついた
いつもお金を入れたりしているコインケースがない
カウンターの内側、腰ぐらいの高さにあるケースがない
レシートだけを発行する機械も一緒になくなっている
「コインケースがない!!!!」ってすんげー大声で叫んだと思う
66:名無しさん@おーぷん : ID: ID:dnv
あるのは出勤簿だけ
俺はここに泥棒が入ったんじゃないかと思って
電話をかけようと、店の電話まで向かった
その電話の脇にあるメモ帳に「逃げない 逃げる」と書かれていた
「逃げる」のほうに○がつけられて、何度もグルグルと○がつけられていた
ここで俺がなぜか「逃げろ」と書いてあるような気がして
怖くなってどうしようもなくなって、店から逃げることにした
静かに入った窓から外に出て、窓を締めて
止めてあった自転車に乗って、大通りまで飛び出して、逃げた
67:名無しさん@おーぷん : ID: ID:dnv
Aの家と言っても、だいたい何処らへんか知っているだけで
詳しい場所は分からなかったが
もしも何かあったとき、そこで叫び声を上げれば助けに来てくれるんじゃないかと思っていた
そのままAくんの家の付近を自転車で何度も走っていた
表札を見ることに気がついて、表札を見て回って、Aと同じ名前の家のチャイムを鳴らした
偶然にも最初に出てくれたのはAで、明らかに様子がおかしい俺の顔を見てAは家にあげてくれた
68:名無しさん@おーぷん : ID: ID:dnv
ビビリすぎとか、そんな感じで煽られた
それで言い合いになるような感じになった時に
Aが「なら、俺が見てきてやるよwwww」と果敢に弁当屋へ向かっていった
俺は裏の窓が開くことを伝えて
黙ってAの家の奥でドラゴンボールとか読みながら気を紛らすことにした
69:名無しさん@おーぷん : ID: ID:dnv
A「大変だ、弁当屋の所、ヤクザみたいな人がいっぱい居る!!」
A「すごい怒鳴っていて、すごいシャッター蹴飛ばしたりしていた・・・・」
A「お前、殺されるんじゃねーの?」
それを聞いて、俺はすぐに昨日の事について喋った
Aは黙って聞くと「いいか?その事は知らなかった。見ていない。そういうことにしろ」と言われた。
最悪ヤクザ絡みのトラブルだったとしても
無関係のなにも知らない人間に対してはなにもしないだろうっていうのがAの考えだった
70:名無しさん@おーぷん : ID: ID:dnv
俺の家にも電話をかけて「今日は泊まって帰る」とも伝えた
Aは「このまま俺の家に居られても困る」と俺に話した上で
どうにか今回の事態を上手く収まらないか考えてくれた
その上で一番必要なのが「訳も分からず怯えている必要がない」って話をしてくれた
A「お前はわからないから尚更怯えているわけだし
むしろこのままお前を誤解させたままにしておく方が危ない
たぶん、早めにケリは付けたほうが良い
向こうだってバカじゃないだろうか無関係の人間には手を出さないだろ」
A「そのためには、なにも見てないし、なにも勘付いていないバカを演じろ」
A「ひたすらに給料貰えなかったことを訴えればいいじゃない?」
Aがいいヤツ過ぎた
今出れば拉致られるかもしれないぞ?と言われた時はクソビビったけど
71:名無しさん@おーぷん : ID: ID:dnv
Aの家族さんには本当に迷惑かけたと思う
ただ現実は無情でそんなコネは一切なかった
そして、夕方
Aの家に電話が掛かってきた、それは俺の家からだった
72:名無しさん@おーぷん : ID: ID:dnv
電話相手は俺の母親だった
母親「ねえ、今日ずっと弁当屋さんから電話があったんだけど」
母親「若い男性の人でね。一度、ちゃんと話をさせろと」
母親「なんかすごい起こっているような、気味が悪い感じだったけど、何かあったの?」
俺「なんて言っていたの?」
母親「仕事をサボったことについて話があるって」
俺「それだけ?」
母親「家の住所とか、いつぐらいに○○(俺)が帰ってくるかーとか」
母親「ちょっと変じゃない、弁当屋さん。大丈夫?」
そこで俺の中で「家族が危ない!」と思った
だから、次みたいな嘘話を母親に伝えた
俺「ごめん・・・すごい怒らせちゃったみたいで」
俺「今日弁当全部ひっくり返しちゃって、そのまま逃げているんだ」
母親「バカじゃないの!?ちゃんと謝りなさいよ!!!!」
俺「ごめんなさい・・・・今から謝ってくるから」
母親「そうしなさいよ?でも、本当に変だからね。すぐに家に帰ってきなさいね?」
電話は終わった
73:名無しさん@おーぷん : ID: ID:dnv
俺「ちょっと弁当屋行こうと思う。待ってれば来るだろ」
A「ちょっと待てよ、なにされるかわかんないぞ」
俺「でも、家にまで迷惑かけたくないし、Aにも迷惑かけるかもしれないし」
A「俺も行く」
俺「いや、俺一人で行くよ」
A「いや、俺は別に漫画みたいな友情劇したいわけじゃなくて
もしも何か会った時に警察に通報できるようにしておきたい
だから遠くからお前のことを見ているだけだから」
ちょっと寂しかった
74:名無しさん@おーぷん : ID: ID:AAO
ちとヤバ目のとこの
75:名無しさん@おーぷん : ID: ID:dnv
Aが弁当屋が見える位置で、俺と弁当屋を見るということになった。
ただ、弁当屋につくなり俺はいつぞやかの外国車を見つけた
「あっ・・・・」と思ったし、心臓が本当に痛くなった
血の気の引けるってマジであるのかと驚いた、鳥肌とは違った寒気がした
でも、止まってられないと馬鹿みたいに思った
正直、高校生に上がるまでに親には迷惑をかけたと思う
こんなに頭の悪いガキは他にはいないと思っていたし
それでも無理して高校にあげてくれたのが親だから
家にまで迷惑が行くのをなんとしても避けたかった
今考えれば「警察に相談する」と言う手段を何故しなかったと思うけど
事を大事にしたくないとも思っていたのかもしれない
76:名無しさん@おーぷん : ID: ID:dnv
外国車の中にあの渋いオッサンがいるんじゃないかとドキドキした。
だから、そのまま目を合わせず通り過ぎようと思ったのだが
・・・・・・そんな俺の前に「前髪ナイアガラ」が現れた
77:名無しさん@おーぷん : ID: ID:dnv
何度も弁当屋の方を見て「・・・・・す!?」みたいな感じで俺に聞いてきた
たぶん『弁当屋どうしたんです!?』と聞いてきたんだと思う
前髪ナイアガラはなぜかニヤニヤしながら
何度も店と俺の方を交互に見るせいで、流石に一人が近寄ってきた
ガラの悪い人「おい、お前らなんだ?」
前髪ナイアガラ「(かすれた声)・・・んぅです!」
ガラの悪い人「あ?店もんじゃね―ぞ?」
前髪ナイアガラ「(かすれた声)・・・ねで!」
ガラの悪い人「あ?」
前髪ナイアガラ「ちが・・・(かすれた声)・・・で!」俺の方を見て両手を身振り手振り
ガラの悪い人「なあ、喧嘩でも売ってんのか?」
前髪ナイアガラ「(かすれた声)・・・!」
ガラの悪い人「ああ???腹から声だして喋れや!!!!!!」
前髪ナイアガラ「○○(弁当屋)なんかあったんですかって、店員さんに聞いているだけです!!!!!!!!!!!!!!」超絶でかい声
ガラの悪い人「お、おう・・・」ドン引き
俺もドン引き。
ガラの悪い人「こえ、出るんだな・・・」
俺も同じこと考えた。
前髪ナイアガラ「ふーっ!ふーっ!ふーっ!もう、いって、いいですか!!!!?」
ガラの悪い人「おう・・・」
78:名無しさん@おーぷん : ID: ID:dnv
なにより馬鹿みたいにでかい声出したせいで注目が集まった
叫ばれたガラの悪い人も「え?いまのなに?」と言う感じで
俺の事に気がついていない感じだったのだが
渋いオッサン「おい、その子・・・・・ここの従業員だよな?」
渋いオッサンにバレた。
渋いオッサン「なあ、悪いけど・・・・ちょっと話聞かせてもらえるかな?」
そのまま言われるがまま車の後部座席に乗せられた
79:名無しさん@おーぷん : ID: ID:dnv
座席が少し暖かくて、でも車内はメッチャ寒かった。
オッサンが運転席に座って、俺が後部座席に座った。
外に2人ぐらい立っていた。
渋いオッサン「とりあえず、飲みながら」
渋いオッサン「あの店の○○さんと○○さん(オジサンとオバサン)何処行ったか知ってるか?」
俺「し、知らないです・・・・」
渋いオッサン「そうか・・・・・店の中がどうなっているかは?」
俺「し、知らないです・・・・」
渋いオッサン「君は、オジサンとオバサンとどういう関係なんだい?」
俺「バイトしに来ているだけで・・・」
渋いオッサン「バイトしに来ているだけ・・・・か・・・・」
俺「本当にそれだけです・・・・」
渋いオッサン「血縁関係とかはないの?」
俺「ないです・・・・」
渋いオッサン「そう・・・か・・・・・」
オッサン、そのまま深く考える。
渋いオッサン「なあ、悪いけど、もう少し聞いていい?」
渋いオッサン「なんで、バイトしに来ているだけを念を押したんだ?」
俺「えっ、えっ、それは・・・・・こんなに怖い状況なので」
渋いオッサン「ハッハッハッハッ、そうだねぇ、怖いねぇ」
渋いオッサン「本当にそれだけ?」ミラー越しに俺を見る。
俺は心臓がギュゥゥゥゥ・・・・・と締め付けられるのを感じた
渋いオッサンの目は上手く言い表わせられないんだけど
明らかに疑って食って掛かってきた感じだった、正直やられると思った
80:名無しさん@おーぷん : ID: ID:dnv
渋いオッサン「そうだねえ」
渋いオッサン「別んところで働けって言ったのに、なんでまだ働いているんだ?」
俺「それは、初バイト先だから・・・・・あと弁当美味しかったから・・・・」
渋いオッサン「wwwwwwwwwwwwwwwwwwww」大声で笑う
渋いオッサン「ついてないな~~~!本当についてないwwwww」
渋いオッサン「じゃあ、あれか?初バイトだから気張ったのか」
渋いオッサン「それにまかないがウマいから続けていたら、こんな目に?」
渋いオッサン「本当だとしても、ついてないな、笑えるなwwwwwww」
俺「はははは・・・・」
渋いオッサン「分かった分かった、じゃ、何もないのな?」
俺「なんもないとは?」
渋いオッサン「お前販売していたんだろ?なにか聞いたりしていないか?」
俺「一度だけウチでバイトしないかって土方の人に言われました」
渋いオッサン「ふーん、それ以外は?」まだ薄ら笑い
俺「いや、本当に、本当に、知りません・・・」
81:名無しさん@おーぷん : ID: ID:arc
82:名無しさん@おーぷん : ID: ID:dnv
83:名無しさん@おーぷん : ID: ID:dnv
簡単に言うと「踏み倒した」ということだった
俗に言う「夜逃げ」とも教えられた
渋いオッサンとこないだのガラの悪いアンチャンは取り立て屋だと話された
弁当屋のオジサンとオバサンには、息子さんや娘さんが居るらしく孫も居る
なので、こんな寂れた弁当屋のバイトに立候補するような奴は
そういう血縁者なんじゃないかと思ったそうだ
怖いことも言われた。
「もしも血縁者でなくても知り合いだったら、
色々詰めて話することもあったが
・・・・・・ただのバイトじゃなぁww」
84:名無しさん@おーぷん : ID: ID:dnv
助席からガラの悪いアンチャンが降りてきた
この時はピシッとスーツ姿で金髪のリーマンって感じだったけど
アンチャンがコッチにやってくると
渋いオッサンは笑い気味に「こいつ、無関係だ」と言ってくれた
ガラの悪いアンチャンの方も「みたいだな」と大きく溜息ついてた
渋いオッサンと対象的にアンチャンの方は明らかに苛立ってた
アンチャン「お前の家に行ってきたけど、あげて貰えなかったぞ?」
アンチャン「つか、ギャーギャーうるせーな、お前の母ちゃん」
アンチャン「でも、なんでお前此処に居るの?今日どこで何していたんだ?」
俺は朝早くに出勤したが店が開いてなく
そのままサボることにして友人の家に行ったことにした。
たしかAと話して決めていた内容だったと思う
別にアンチャンの方は疑う様子はなかった。
アンチャン「一応さ、店の中確認しなきゃだから案内してもらっていい?」
俺「俺・・・・居なきゃ駄目ですか」
アンチャン「居たほうが都合がいいだけ。あと金庫とかこの店ないの?」
俺「金庫というか、コインケースがあったと思います」
アンチャン「じゃあ、案内して」
アンチャン「なー、裏の窓が開いていたよな?」別のヤクザみたいな人に聞く
別の人「開いてましたよー」
アンチャン「そこから入って、裏口開けてきて」
85:名無しさん@おーぷん : ID: ID:dnv
開けると、俺を押し退かしながらアンチャンたちがぞろぞろ入ってった
渋いオッサンの方が「あーあ」と言っていて
アンチャンの方が「さっきと変わりない?」と別の人に聞いていた
別の人が先に裏の窓から入っていたんだと思う
俺はコインケースがある場所に言って、「ここで計算をしてお釣りとかを―」と説明
一切残ってないことにアンチャンが切れて壁蹴飛ばし
その後、渋いオッサンたちが黙々と冷凍庫や冷蔵庫の方を漁っていた。
俺は反射的にそれを見ていたんだと思う
もしかしたら顔になにか出ていたかも知れない
新品の冷蔵庫からもも肉の箱を取り出したときとか目で追ってしまった
アンチャン「なあ、あれなに?」
後ろから「絶対に逃さない!」という形で肩組むんできた
突然過ぎてメッチャ変な声出た
それに気がついて渋いオッサンの方がコッチを見た
最初こそ「いじめるなよw」とか言っていたけど
なぜか急に手に持っていたもも肉をテーブルの上に置いて
黙って俺の方を見はじめた
86:名無しさん@おーぷん : ID: ID:dnv
渋いオッサンもその答えを待っている感じだった
俺の開口一番は早口だった
「びっくりした、あーびっくりした・・・・
急に肩を触らないでくださいよ・・・・
あ、あれですか、あれってなんですか?」
アンチャン「いや、あれ。あーれっ」指先が渋いオッサンのいる冷蔵庫ともも肉に向けられる
俺は、なんて言い訳しようかとパニックになっていた
正直バレたと思って吐き気すらした
胃とお腹がとにかく痛くなった
生きている心地なんか微塵もしなかった
でも、あまり時間を伸ばしておくこともできない
喋らないは答えになるとか、どこかで聞いたことがあった
その末に、必死に必死に考えて出た言葉が
俺「と、とりむね肉・・・です・・・・」
だった。
87:名無しさん@おーぷん : ID: ID:dnv
アンチャンは「それでよく弁当屋してたなww」と笑っていた
渋いオッサンが「これはももだ馬鹿野郎w」と笑ってた
アンチャン「でもさ、なんでジーッて見てたんだよ」
一瞬笑いが起こったからか緊張がほぐれていた俺はAの言葉を思い出してこう言った。
俺「給料・・・・今日給料日だったんです・・・・」
俺「給料日前に新品の冷蔵庫買うぐらいなら・・・・くれたら良かったのに・・・・」
そしたらもう、アンチャンが膝を曲げるようにしゃがみこんで
顔を手で隠しながら「はー」と息を吐いた。肩がすげー震えてた
渋いオッサン「なんだ、お前、給料貰ってねーのか?www」
何故か釣られた他の店の中に入ってきていた人達も笑う
俺「給料ほしかったな・・・ほしかった・・・・」
俺「給料もらいたかった・・・・」
俺「まかないしか、もらってないですよ・・・・」
皆顔を逸して笑ってた。
88:名無しさん@おーぷん : ID: ID:dnv
もはや殴るように、友人と小突くような感じで、叩いてきて
アンチャン「おいw店の中の欲しい物持ってっちゃえば?w」
アンチャン「つか、給料幾らぐらいだよw3万ぐらい?w」
俺「たぶん・・・そのぐらい・・・いや、もうちょっとかも・・・・」
アンチャン「面白いわwつってもなー、俺も出せるほどないしなー」
アンチャン「○○っさん、幾らか出してあげてくださいよ」
渋いオッサン「いや、出すわけには行かね―だろ、怒られるぞw」
アンチャン「だよなーwだよなーw」
俺(なんだ、くれないのか(´・ω・`))
アンチャン「なあ、お前んち大きかったな?」
俺「いや、金とか一切ないですよ!!!」
アンチャン「ちげーよwwww」
89:名無しさん@おーぷん : ID: ID:dnv
アンチャン「あれ、もらう?元々俺が回したものだし」
俺「え」
アンチャン「お金に変えてもいいけど、あれ、本当に新品だからさ」
アンチャン「たぶん、説明書とかまだあるだろ、あの感じだと」
俺「えっえっ」
アンチャン「少なくとも3万以上はする。買ったら」
俺「ください!!!!!!!」
なんか馬鹿だったなーって今でも思う。
俺は大きな声で「ください」と言った。
90:名無しさん@おーぷん : ID: ID:dnv
アンチャン「どこかに説明書落ちていると思うから、見つけたらやるよw」
アンチャン「よかったじゃん、初給料に大型冷蔵庫とか・・・一生・・・ネタになるぜ・・・(プークスクス」
俺「お母さん喜ぶかな」
アンチャン「あー、怒られるかもしれないから、もしも駄目だったらそのまま引き取るように手配しておくよwww」
俺「ありがとうございます!!!!」
アンチャン「こんなことで感謝されたくねーわ!w」
そんな感じで会話した後、本当に金目のものが無いか一緒に探させられて
それも見つからなかったタイミングで解放された
91:名無しさん@おーぷん : ID: ID:dnv
そのまま家に帰る訳にも行かず、お騒がせしたのもありAの家へ
すると家の中からAが出てきた。
「薄情者」と思う前に、Aから何度もごめんと謝られた。
あの後、弁当屋を見れる場所で張ろうとしたそうだ
ただ、すでにその場所にはヤクザ風の男がいて
そのまま付け回されてしばらく逃げていたらしい
Aには「うまく説明できないけど、なんとかなった」
「初給料が、新型大型冷蔵庫」
「助言ありがとう」
とちゃんと伝えた。Aは「はあ?」と言っていた
93:名無しさん@おーぷん : ID: ID:dnv
母親からはビンタくらって、父親からは説教をされた
ただ、あの時なにがあったかは10年ぐらい内緒にしていた
酒の席で明らかに今になっては「がんばったなぁ」と言われるぐらいである
友人のAに関しては、友人たちに招集をかけて居たせいで
本当に俺がヤクザに拉致されかけたのかどうか怪しまれてしまい
俺の家に冷蔵庫が来るのを全員で待ちわびることになった
そして、実際に冷蔵庫が届いて、Aと俺の名誉は守られた
肝心の俺の初給料である冷蔵庫は2週間後ぐらいに、本当に家に来た
業者の人は感じがよくて、とてもじゃないかあっち繋がりには思えなかった
あまりにもデカすぎて庭から窓外してリビングに入れたのを覚えている。
母親と父親に「初給料が払えなくて、新品の冷蔵庫が来ることになった」と説明した時は
また「ふざけているのか!!!」と怒鳴られた
その後、「本当に届くんだったら、今ある冷蔵庫を捨てよう」となっていたが
あまりにもゴツくてデカすぎてしばらくはリビングで置物になっていた
元々冷蔵庫があった場所に入らないビックサイズだった
94:名無しさん@おーぷん : ID: ID:dnv
95:名無しさん@おーぷん : ID: ID:dnv
もっと色々話したりしていたけど印象的な部分を書き出している
たぶん間違えがあるだろうしするけど
全部を話しても仕方がないと思う、てか無理だ
途中、改行を挟むなど小技を覚えるのが遅くてすまなかった
ここまで読んでくれた人が居るのだとしたら
本当にありがとうございましたと言いたい
俺のアホみたいなバイト話を聞いてくれてありがとう
96:元店長◆vOuZL6dAnK.C : ID: ID:bWw
98:名無しさん@おーぷん : ID: ID:dnv
その後一切付きまとわれたりしていないよ
この一件以来お互いに親友仲になって悪さとかアホを一緒にやった
99:元店長◆vOuZL6dAnK.C : ID: ID:bWw
それは良かった
なんかチンピラに目付けられて、家族揃って引っ越ししてしまってたかと思ったわ
97:名無しさん@おーぷん : ID: ID:dnv
あれ以来、本当に行方知れず
・・・・・本当に弁当、美味しかった。学生補正かもしれないけどな
俺に給料未払いで夜逃げしたけど
どこかでまだ弁当屋を続けていたらなと思う
流石に良い齢だろうけど
未だにもも肉の下にあった物がなにかは分かっていない。
Aとの話では『ビデオテープ』って話も出ていた
ただ、湿気て壊れると思うんだよなぁ
ひたすらに謎である
引用元:https://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1582884983/
昔の掲示板特有のみんなが応援する空気がきつい見てられん