裏手に繋がれていたはずの母犬が鎖を引きちぎって私に突進して引き倒した。

小学生の頃の修羅場。
動物の話注意。分割します。

小学校低学年の頃、同居祖母と夕方散歩に行くのが日課だった。
田舎の小さな集落住まいだったので、ルートはおよそその集落内をぐるっと一周。
そんな散歩ルートの中に犬を飼っている家があった。
雑種の中型犬だったんだけど、人を見れば必ず吠えるので、私は苦手だった。
ただ、飼い主さんと祖母が知り合いだったのと、
飼い主さんもやたらめったに人に吠えかかるのには困っていたらしく、
子どもの私を怖がらせてはいけないということもあって、
家の裏手の表通りに面していないところに犬を繋いでくれることが多くなっていた。
ここまでが前提。

あるとき、いつものように散歩の途中でその家の前に差し掛かったところ、
飼い主さんに「子犬が産まれたから見ていったら？」と声をかけられた。
いつも吠えかかってきていたその犬が、いつの間にか野良犬との間に子犬が出来てしまったらしい。
吠えられたらいやだなと思ったのだが、「今は裏手に繋いでいるから大丈夫」と言われ、
祖母も付いているし、ということで、家の前で子犬を見せてもらうことにした。
飼い主さんがかごに子犬を入れて差し出してくれ、私がかごを覗きこもうとした瞬間、
けたたましい鳴き声とともにすごい衝撃を受けて、その場で派手に尻もちをついた。
裏手に繋がれていたはずの母犬が鎖を引きちぎって私に突進し、引き倒したのだった。

うっかり上げてしまいました。すいません。
続きです。

突然のことに私もパニック。祖母もパニック。飼い主もパニック。
祖母に引きずられるようにして立ちあがったはいいものの、母犬は完全に私と祖母をロックオン。
塀に私を押しつけるようにして、祖母が体を張って私をかばってくれるも、
犬は狂ったように私達に吠えかかり、牙を剥き、一向に離れてくれる気配はない。
飼い主さんも「ほらだめでしょやめなさい～」と言ってはくれているものの、
犬の剣幕に押されているのか、具体的にどうこうは一切してくれず。
けっきょく、私と祖母は無我夢中でその家の玄関の中に逃げ込み、
その間に飼い主さんが犬を捕まえてくれたものの、私はふくらはぎ、祖母は太ももと腕を噛まれてしまった。


飼い犬とはいえ、犬に噛まれたので、私と祖母はすぐに病院に行くことになった。
外来の診察時間が終わっていたので、病院に連絡したあとで、夜間外来に。
病院ですぐ消毒してもらい、看護婦さんたちに「怖かったねぇ」と甘やかしてもらって、
ようやく安心したところに、祖母が真っ青な顔で戻ってきた。
祖母は公衆電話から私の両親(共働き)や、飼い主さんと連絡を取っていたのだが、
飼い主さんが「たぶんしてると思うけど、狂犬病の予防注射をしているか分からない」と言った、とのこと。
しかもつい最近野良犬との接触があったわけで、もしかしたら病気などを持っているかも、と。

そのあと、本当にあの犬が狂犬病予防注射をしているかどうか
はっきりするまで病院で待機することになり、夜間病棟の薄暗い廊下で数時間待つはめになった。
祖母はしきりに「大丈夫だからね」と繰り返していたが、
表情は暗いし声も硬いしで、当時私は狂犬病という病気をほとんど知らなかったけれど、
子供心に「ああ、わたしはここで死ぬんだな」と覚悟を決めた。

結局、その犬は狂犬病の予防注射を受けていたので、私も祖母も大丈夫だった。
犬は保健所に送られたそうだが、くわしくは知らない。
私は中型犬より大きな犬がだめになったし、祖母の太ももには折れた牙が今も残っているらしい。

長文失礼いたしました。

>>606
予防接種の有無に関わらず犬に噛まれたらするよ。この子は人を噛んだりしないという理屈？でしない人もいるし。当然予防接種してますか？と聞かれればしてますよと言うし。
人を噛んだからというだけの理由では保健所は飼い犬を殺処分にはしない

>>618
飼い主がその気の荒い犬をもう飼っていられないと考えて保健所につれていったのでは？
今なら新しい飼い主を探すボランティアとかいるけど昔の話だし。
今だって子犬や小型犬ならともかく中型犬の成犬、ましてや気が荒いとなれば引き取り手は中々現れないだろうね。
引き取り手が現れなかったら殺処分になる。