生まれたときから私の人生は「高校→短大→市役所勤務→25歳で従兄弟ヒロちゃんと結婚→子供を三人産む」と決められていた。

引用元:今までにあった修羅場を語れ【その27】

688名無しさん@おーぷん ID: ID:D0e

四捨五入したら五十になる歳になってしまったので懺悔。
新潟の中でもさらにド田舎の、住所に「大字」と付く実家で二十四歳まで暮らした。
ベビーブームだったので、ド田舎でもそれなりに同年代の子供たちは周囲にいて、お隣(と言っても徒歩二分)は親のイトコの家。
その家には二歳上の息子がいて、なんでか私はその子と将来結婚することが決まっていた。
親は悪人ではないけど「お前はこういう生き方をするものだ」と決め付けてきて疑わない人。
親の計画では私は「高校卒業後は短大に行って、市の公務員試験を受けて市役所勤務して、二十五歳になったらお隣のヒロちゃんと結婚して子供を三人産む」ことになってた。
ちなみに弟は「いい大学に行け。その後は好きにすればいい」だった。



親の言うことさえ聞いていれば叱られないし楽だったこともあって、私はボーっと親の言いなりの子に育った。
親の言うがままに勉強して、親が言うまま本来の偏差値より低い高校(家から一番近かった)に入学して、ヒロちゃんと付き合った。
ヒロちゃんを好きだと思ったことはなかった。
私のことを完全にナメていて、ちょっとでも私が気に入らないことをすると両家の両親に言いつけた。
私は両家の両親に「なぜヤらせないんだ」というようなことまで叱られた。ボーっとした私もさすがに屈辱だった。
でも叱られたり叩かれたりするのがいやで、結局言いなりになってしまった。
親の口癖は「おまえみたいな世間知らずは、ここでしか生きていけない」
子供の頃からずーーーーーっと言われ続けていたので、完全に洗脳状態で「ここでしか生きていけないんだな、仕方ないな」と思っていた。

短大卒業後、市職員の試験に合格。市役所の税務課で働いた。
税務課の「土地・家屋」部門はなぜか男性が九割で、歓迎会や納涼会などで初めて男性と一緒にお酒を飲んだ。
ヒロちゃんといる時はヒロちゃんだけが飲んで、私はお酌をするだけで飲まないものとされていた。
私は断りきれずに二杯ほど飲み、親に怒られると思いながら帰ったら
「付き合いだからそういう場では飲むのが当然。断るのは相手の顔をつぶす」と言われ叱られなかった。
それを機に、私は同僚にお酒に誘われるたび断らずに参加した。居酒屋だけじゃなく、バーやスナックにも連れていってもらった。
スナックにはきれいな女性がいて、ほえ~っとなった。
勿論そういうきれいな人がいるのは知ってたけど、至近距離で見たのと「自分と同じ人間だ」と認識したのが初だった。
「肌がきれい」とホステスさんに誉められて、まあ他に誉めるとこなかったんだろうけど、人に容姿を誉められたのが初めてで更にほえ~っとなった。
親は私をかわいいともブスとも言ったことがなかった。
ヒロちゃんは私をブスだババアだ(二歳下なのに)、我慢してやってるんだと言うだけだった。
私は親に内緒で毎日一時間だけ、スナックで一杯飲んでから帰るようになった。
自分がしゃべるよりホステスさんたちの話を聞くのが好きで、「聞き上手だ」と可愛がってもらえ、御代もしばしばホステスさんの奢りにしてもらった。
ホステスさんの大半が今で言うシングルマザーで、旅館の住み込み仲居の経験がある人が多く、「どこの旅館がいい」「あそこは最低」と聞かされた。





689名無しさん@おーぷん ID: ID:D0e

二十四歳の夏、親に「おまえの結婚式、十一月に決めたぞ」と言われた。当然相手はヒロちゃん。
「わかった」と言って部屋に引っこんでから、
「これから一生あの男といるんだ。今までは別の家に帰れたけど、結婚したら帰る場所はないんだ。日曜なんか二十四時間一緒だ」
と思ったら耐えきれなくなった。
何よりもヒロちゃんの子供を産むのは「死んでもいやだ」と思った。自分だけなら我慢できても子供を巻き添えにするのがいやだった。
次の日、出勤して同僚にだけ「退職する。自分の意思だから」と告げ、引継ぎ用のメモを大急ぎで作って、
「退職します。自分の意思でいなくなります。事件ではありません」と書き添えて、お昼休み中に銀行へ行き、預金を解約して全額持って逃げた。
携帯電話やPHSは持ってなかった。
そして鈍行列車を乗り継ぎ、ホステスさんに教えてもらった「一番待遇がマシな旅館」に逃げこんだ。
ホステスさんの名前を出して「その人の紹介です」と言ったらあっさり採用された。

その後実家がどうなったか知らない。
一度も帰ってないし様子を見たいと思ったこともない。
親はもしかしたら死んだかもしれない。でもまったく悲しくないし、お墓参りしたいとも思わない。
ホステスさん達だけは会いたいけど、たぶんもうお店やめてるだろうな。
一人や二人、自分のお店を出せてたらいいなと思う。
仲居は八年でやめた。運転免許を取り直したとき「もしかして居場所が親にバレるかも」と少し怖かったけど別にそんなことはなかった。
その後はアパート借りて普通に暮らしてる。仕事は選ばなきゃ何でもある。
四捨五入したら五十になる歳になるまで、結局誰にも一度も恋愛感情を持つことはなかったから、私はこういう人間なんだと思う。
でもあの時家を出たからこそ、「こういう人間」のまま生きてこられた。
はたから見たら孤独で寂しい人生かもしれないけど、私みたいな人間にはこれが幸せです。




695名無しさん@おーぷん ID: ID:s0i

>>689
ヒロちゃんの嫁になるより十分幸せな人生だと思いますよ。
あなたの人生楽しんでくださいね。




690名無しさん@おーぷん ID: ID:MIu

勇気ある決断と行動だったと思います




691名無しさん@おーぷん ID: ID:HN7

逃げたってことをホステスさんが知ったら、「よくやった!」って思ってくれてるんじゃないかな




692名無しさん@おーぷん ID: ID:VKu

あっぱれな行動力
逃げられてよかった




694名無しさん@おーぷん ID: ID:HzC

>>689
苦労したのですね
他の人たちも言ってくれているように逃げ出してあっばれです
上手い言葉は見つからないけど、どうか幸せになって下さいね
あなたの幸せを祈っています




16 COMMENTS

名無しのふよふよ速報。

洗脳から逃げ切れてよかったですね。色々な形の幸せがあると思わされました。自分の人生を楽しんでください。

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名無しのふよふよ速報。

この手の人の被害を訴える声は貴重だけど、世に溢れる「それどこの誰の被害を肩代わりした被害者ゴッコ?」と言えるような女性様の差別を盾にした優遇クレクレには閉口してしまうね
さながら戦後何十年と経っているのに日本人に危害を加える権利があると本気で思い込んでる朝鮮人の如き女々しさ

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名無しのふよふよ速報。

やっぱ外の世界と触れることは大事なんだと改めて気づかされるね。
別にホステスの人に現状を相談してアドバイス貰ってたわけでもなく
なんとな~く自分の思う狭い世界だけじゃなく
外にも世界が広がっているんだ。逃げようと思えば逃げられるのだ。
と、知れる事が大事なんだよな。
仕事や学校で現状が辛くて…って人にも言える事やろなあ。

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名無しのふよふよ速報。

結果オーライ。逃げて正解。
毒親だとよくある話。
まあむりやり連れ返されなかったし、逃げた先で生活にあまり
困った様子もない分ラッキーだったんじゃない。

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名無しのふよふよ速報。

毒親育ちって人生のハズレクジだよな。
家庭でひと一倍苦労して、そこで変に偏って育った性格と社会性で、
社会に出てからも普通に育った人間よりも余計に多くの苦労をする。
もっと言うと社会や組織に溶け込まないので、往々にして浮いたり、
またはいじめの対象になったりする。
毒親育ちの苦労が社会で役立つ事って全くない。
他人に苦労を語っても「甘えるな」「自己責任」で、終わりだしな。

人生は与えられたカードで最善を尽くすしかないが、手持ちのカードが
クソすぎたらどうにもならん。

結局今生は「流し」っつーか自サツしないように細々やりすごして
来世に期待するしかないねえ。

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名無しのふよふよ速報。

※7にいいねしたけど、手持ちのカードで最高のルートを選んだと思うから今生がハズレとは思わない。

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名無しのふよふよ速報。

古の因習を否定したくてせっせと作った嘘松か
いまはもうそんなふうに生き方を決められるなんてあり得ないがその分どうしたらいいかわからない人間が増えた

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名無しのふよふよ速報。

自分が幸せだ、これでよかった、と思える人生を歩めるのが一番良いことだと思う。苦労したからこそ、そう言えるんだろう。

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名無しのふよふよ速報。

それだけ毒親の言いなりになっててもこいつの子供だけは産みたくないって意思が芽生えるほどのゴミクズだったんやな

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名無しのふよふよ速報。

そもそも親戚から嫁候補をあてがわれるような男は
普通にしてたら嫁のあてがないなと周囲に危惧されるようなハズレくじ
いい男ならいくらでも他に嫁がくるから心配ないとおもわれて
親戚から嫁候補あてがわれるなんてことはされない

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名無しのふよふよ速報。

おまえらバカすぎるわ
男女平等だけが絶対と考えるキチフェミの陰謀に踊らされてることになぜ気付かないんだよ
もしこの許嫁の男がイケメンで優しい性格だった時のことを考えてみろ
イケメンに生涯愛されて生きれるならそんな人生も悪くないという意見も出るにきまってるだろ
自分で決めるなどという価値観だけを強要されて不幸になった女の例もあるのに
こんな出来の悪い嘘松だけで昔ながらの風習を悪と考えることの愚かさに何で気付かないんだよ

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名無しのふよふよ速報。

毒親の支配下にあるときは毒親を毒とは思わずに育つからね。
社会に出て目が覚めてほんとによかったと思う。
人から見てどうであっても穏やかで幸せに暮らせてる人なんだろうなと思う。

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名無しのふよふよ速報。

>>13
許嫁の男が「優しくなかった」から、こうなったんだろ?
優しくてイケメンだったら惚れてたかもしれんが、そうじゃなかったから逃げた。ただそれだけの話でしょ?

イケメン金持ち人格者の許嫁が生涯愛してくれたラブストーリーを探してこいよw

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