引用元:ぼっちだったから夏休みはホームレスと飯食ってた
1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 07:00:20.68 ID:flZ1wfTAO
3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 07:01:18.78 ID:GcDKo98p0
6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 07:04:50.59 ID:flZ1wfTAO
おっさんをおかずになんて出来ません
4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 07:01:24.91 ID:HxLFxNMo0
5:【7m】:2011/09/01(木) 07:01:51.39 ID:BVWnAwxO0
6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 07:04:50.59 ID:flZ1wfTAO
公園で洗ってたからそんなに臭くなかったよ
7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 07:15:00.58 ID:flZ1wfTAO
携帯だから遅いのは勘弁な
当時、俺は小学生4年生
父は俺が生まれてすぐ事故で死んだ
だから母と二人で生活してたんだけど
母は生活のために朝から晩まで働いてたから
家庭での会話なんて一切なかった
おまけに学校でもぼっち
でもイジメられてたわけじゃなくて
田舎だったせいか、片親ってだけで仲間に入れて貰えなかったんだ
何か腫れ物を扱うようなカンジ
それを子供ながらに感じ取ってたのか、自分からもあえて友達を作ろうとはしなかったんだ
8:忍法帖【Lv=16,xxxPT】:2011/09/01(木) 07:15:25.27 ID:LS3HLgMaP
9:忍法帖【Lv=6,xxxP】:2011/09/01(木) 07:16:49.96 ID:mPhcTASE0
11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 07:19:30.18 ID:O2aR7G++O
食うもの少なそう
12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 07:23:30.21 ID:flZ1wfTAO
家でもぼっち
まぁそんな俺にも一つだけ料理という趣味があった
母は作る暇もない人だったから
よくホカ弁とかパンとかを置いててくれたんだけど
ある日テレビで料理番組を観てから興味を持ち
そこからレシピをメモして作ったり見様見真似で作ったりするようになった
それをラップしてテーブルに置いてたら母が喜んでくれたみたいで
月に一度お小遣と共に食費をくれるようになった
というわけで俺はめでたく食事係になったわけです
14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 07:29:30.09 ID:wtbILCgq0
15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 07:29:38.60 ID:flZ1wfTAO
夕方に一人でテレビ観ながら食うという生活を送っていた
でもやはり寂しかった
飯は我ながら美味いと思ってたけど
母にすら「おいしい」と直接言われたことなかった
置き手紙に書いてたことはあったけど
そして寂しさに耐え切れなくなった俺は妙案を思い付く
17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 07:40:41.08 ID:flZ1wfTAO
確かカレーだったと思う
俺はその皿とスプーンを持って近所の空き地へ向かった
空き地には大型家電が不法投棄されてて
中がどうなってんのかはわかんなかったけど
空き地の周りには入れないように無数の鉄線が引いてあった
しかし数日前に大人がなんとか潜れるくらいの穴があるのを見つけてたから
そこから入って空き地の隅にあるデカい土管の上によじ登った
単純に外で食べてみたくなったんだ
ピクニック気分というかなんというか
でも近所とか学校の奴にそんな現場見られるのも嫌だったので
俺にとって空き地は絶好の場所だったんだ
18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 07:50:05.85 ID:flZ1wfTAO
外で食ったからといっても、所詮はぼっちなのだ
それでもいつもとは違う食事風景を俺はすごく気に入った
ので、それから毎日晩飯を空き地で食うようになった
漫画や時々デザートにアイスを持っていくと楽しさは倍増になった
そんなことをし始めて3日目くらいかな
俺はその日も灰色の土管の上で飯を食っていた
その日のメニューは忘れもしない、スパゲティーとおにぎりだった
そしてちょうどスパゲティーを食べ終わって、
漫画読みながらおにぎり食べてるところに事件は起こった
20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 07:55:25.75 ID:flZ1wfTAO
最初は気のせいだと思ってけど
それからまたトントンッて音が聞こえて
猫か何かが居るのかと軽い気持ちで土管の中を覗いてみたら
寝転がって新聞読んでるおっさんとバッチリ目が合ってしまった
23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 08:00:22.40 ID:flZ1wfTAO
通い詰めてた空き地にまさか人が住んでると思わなかったんだ
そして俺は驚いて絶句したと同時に
持っていたおにぎりを地面に落としてしまった
そしたらおっさんが
「うわっ、もったいな。それ食べていい?」
と言ったので
とにかくおっさんが怖かった俺は無言で何度も頷いた
26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 08:05:50.67 ID:8KnzTTIiO
27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 08:10:51.41 ID:GcDKo98p0
28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 08:12:49.73 ID:flZ1wfTAO
白のTシャツにベージュのズボンとおっさんスリッパ
どれもボロボロだったけどおっさんの全体像は意外とそこまで汚くなかった
そして砂がついたおにぎりを拾って食うおっさんに
まだ恐怖心を抱きつつも、俺は子供特有の無邪気な質問を投げた
俺「なぁ…おっさんはホームレスなん?」
おっさん「直球やなぁ。まぁそうやけどホームレスって言うなや」
俺「何で?家無いんやろ?」
おっさん「何か聞こえ悪いやん。可哀相なカンジするやろ」
俺「家無いの可哀相やん」
おっさん「だから可哀相って言うなや」
その日から何と無く友達になった
30:【17.6m】:2011/09/01(木) 08:21:22.33 ID:9Z5zGgNW0
31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 08:22:24.02 ID:flZ1wfTAO
おっさんはというと、
起きて新聞読んだりしてるのが2割
土管の中で寝てるのが8割だった
起きてる日は自分のぶんの飯食いながら
どうでもいい話の相手をして貰ってたけど
おっさんが8割方寝てるおかげで俺は相変わらずぼっち飯だった
それが面白くなかった俺は
またしても妙案を思い付く
29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 08:19:18.58 ID:8KnzTTIiO
32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 08:25:42.21 ID:flZ1wfTAO
詳しいことは聞いてないから実際はわからんけど
40代くらい
中年体型(腹が若干ぽっこり)
ハゲてない
36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 08:37:49.77 ID:flZ1wfTAO
でも土管に座ることはせず、いつもよりデカい荷物を地面に置くと
遠慮もせずに土管の中を覗き込み
案の定寝腐っていたおっさんを揺さ振って起こした
俺「おっさん、起きてや」
おっさん「なんやねん…今寝てんやから邪魔すんな」
俺「おっさんいっつも寝てばっかりやん。カビ生えんで」
おっさん「もう生えてんちゃうか。お前にもカビつけたろか~」
俺「きっしょ!そんなんいいから飯食おうや」
おっさん「えー俺今日飯無いから無理」
俺「いけるって。俺おっさんのんも作ってきてん」
おっさん「えっ?ホンマか?くれるん?」
俺の誘いに目を輝かせたおっさんは
思惑通りすぐに中から出てきて
俺がいつもしているように土管の上にスタンバイした
37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 08:41:21.43 ID:B6awYj7k0
38:【11.5m】:2011/09/01(木) 08:42:54.54 ID:9Z5zGgNW0
39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 08:47:43.94 ID:flZ1wfTAO
デカい箱はおっさんでそれより若干小さい箱が俺
中身はギュウギュウに詰めたオムライスだった
おっさん「うわぁーお前ケチャップすごいやん。蓋の裏にべったーなってるやん」
俺「うっさいなぁ。美味しかったらいいやん」
とは言ったものの母以外に食べてもらったこともなければ、
当然誰かに感想を貰ったこともなかったので
味に自信があるかと言えば正直微妙だった
けどそんなことは言いたくなかったので
俺はおっさんがオムライスを口に入れる瞬間を横目でチラチラと見るのが精一杯だった
そして一言
おっさん「おーホンマや。めっちゃ美味いやん」
それが空腹だったからか純粋な評価なのかはわからなかったけど
俺は内心おしっこちびりそうなくらい嬉しかった
40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 08:47:51.42 ID:GcDKo98p0
何食ってたんだ?
45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 09:01:54.23 ID:flZ1wfTAO
パンとか食ってた気がする
何にも食わない日もあったよ
腹減ってないねん、とか言ってた
今思えば強がりだよね
41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 08:50:23.57 ID:RcQTKuPs0
42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 08:51:33.83 ID:KhtP2dIo0
44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 08:59:41.13 ID:flZ1wfTAO
遠慮してたのかおっさんは大食らいではなかったので
材料などの負担はさほどなかった
2人分も3人分もあまり変わらないのだ
そしていつしか俺の生活は
夕方飯を作って空き地へ行き、
おっさんと今日あった事の話とかしながら飯食って
8時ぐらいには家に帰るというものになっていった
もっと話してたい日もあったけどおっさん曰く
「おっさんだってまだ捕まりたくはないねん」
ということで必ず8時には強制帰宅させられてたのだ
47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 09:08:03.35 ID:kDvwLnFp0
51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 09:10:45.36 ID:flZ1wfTAO
例の空き地へ入り浸るようになった
その頃になると飯だけでなく
二人で色んなことをして遊んだ
おっさんは面倒臭いオーラが半端なかったけど
それでも最終的にはいつも付き合ってくれた
ある時は家から持ってきたコロコロを回し読みしたり
不法投棄された家具の山にお互い色の違うビー玉を隠して
それを先に探し当てたほうが勝ちというゲームをしたり
夏休みの宿題を手伝ってくれたりもした
ちなみにアサガオの観察日記は
おっさんが担当してくれた
もちろん空き地は空き地に置いてた
61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 09:20:09.81 ID:GcDKo98p0
「あ」で予測変換したからアサガオが空き地になってるぞ
しかし>>1が小4の頃のコロコロってなるといつ頃なのか。ちなみに俺はK-1ダイナマイト!が好きだった
55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 09:17:50.20 ID:flZ1wfTAO
知りたいのがあれば言ってください
おっさんと風呂
おっさんと宿題
おっさんと土管の中身
おっさんと特技
なければ適当に書くよー
56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 09:18:20.62 ID:RcQTKuPs0
59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 09:19:31.39 ID:flZ1wfTAO
おk
ちょっと待っててね
62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 09:20:59.83 ID:eVfeMeTc0
僕はおっさんとタバコ一緒にタバコ吸ったぐらい
色々聞かせて
63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 09:25:18.69 ID:KhtP2dIo0
もう夢だったとわりきってるけど
64:【6.3m】:2011/09/01(木) 09:27:38.44 ID:9Z5zGgNW0
よく分からん昔の歌を鼻歌で歌うんだ
下手くそだったなぁ…
あれから10年、あのおっさんまだ生きてるかなあ…
65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 09:34:14.42 ID:B+lIr0cA0
67:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 09:38:27.70 ID:flZ1wfTAO
当然俺も漫画やテレビで見て大好きだった
しかしぼっちの俺には秘密基地を作って遊ぶ友達など皆無
所詮妄想の中でしか遊べないのだとぼんやり思ってた
が、秘密基地は意外と近くにあった
俺「なぁ、おっさん」
おっさん「ちょお待てって。もうちょっとで読み終わるから」
俺「いやそうじゃなくて、おっさんの土管の中ってどうなってるん?」
おっさん「はぁ?どうって別に…普通やけど」
俺「土管とかもう普通ちゃうやん」
おっさん「ドラ○もんだって住んでるやん」
俺「ド○えもんは土管に住んでないって」
おっさん「あ、ちゃうわ。マリオやわ」
俺「じゃあ俺マリオでいいから見せてなー」
おっさん「ちょっとだけやでー」
68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 09:38:51.78 ID:flZ1wfTAO
下にはダンボールが何枚も敷いてあって
床になる面がなるべく平らになるようにしてた
あとは拾ってきたであろう新聞とエロ漫画雑誌、
小さい懐中電灯(電池切れ)に毛玉だらけの毛布
小汚いリュックサックがあった
中身は見てないから知らないけど
加齢臭だけが漂うつまらない秘密基地にうんざりしたのを覚えている
俺「俺のワクワクを返せ」
おっさん「もうちょっとで読み終わるって!」
おわり
69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 09:41:58.72 ID:RcQTKuPs0
ありがとう
70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 09:42:00.41 ID:flZ1wfTAO
自分で振っといてごめんね
先に言っておきますが一応オチはあるけど別に面白くないからね!
ただの思い出話です
76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 09:49:05.40 ID:B+lIr0cA0
79:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 09:53:42.33 ID:flZ1wfTAO
それは突然だった
いつものように昼過ぎに空き地へ行くと
その時間だとだいたい土管から出てきて
何かと用事をしているはずのおっさんが居なかった
まぁ今日は特に暑いしまだ寝てるのかもと
土管の中を覗いてもやっぱり居ない
居ないどころかおっさんの家財道具一式無くなっていたのだ
最初は驚かせるためにどこかに隠れてるのだろうと
ゴミの山を探してみたものの結果は同じ
俺は土管に座り夕方まで途方に暮れた
86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 10:04:45.80 ID:flZ1wfTAO
おっさんとは空き地以外で会ったことはなかったし
昔からぼっちだった俺は外で遊ぶことなどほとんど無く、
自宅付近と登下校以外には土地勘0だったのだ
俺はひたすら待った
持ってきた飯にも手を付けずに
三角座りをしながらただおっさんを待ち続けた
なぜおっさんは居なくなったのか?
家に帰った?
事故?病気?
それとも俺のことが嫌いになった?
正直、おっさんが死ぬよりも嫌われることのほうがよっぽど怖かった
想像しただけで涙が出そうだった
だけど日頃のぼっちのおかげで泣くのを我慢するのは得意だった俺は
夕日が落ちてもただただおっさんを待ち続けた
91:忍法帖【Lv=40,xxxPT】:2011/09/01(木) 10:08:48.05 ID:t5GNgJxt0
心がいたくなる
早くおっさん来てくれ
85:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 10:01:44.98 ID:hIc5TwYtO
90:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 10:08:18.50 ID:uZM2+lQ20
92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 10:09:54.86 ID:X3gY6pfI0
遊んでるって通報したんじゃねえの?
94:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 10:13:34.10 ID:flZ1wfTAO
俺は思わず駆け寄っておっさんの汚いシャツを掴み勢いよく引っ張った
俺「おっさんのアホ!!どこ行ってたん!?」
おっさん「なんやなんや、心配してくれとったんか?すまんなぁ」
俺「すまんなぁじゃなくて!!何しててん!?」
おっさん「それがなぁ、ちょっと面倒臭いことなってもうたんやわー」
苦笑いするおっさんと俺はとりあえず土管に座ることにした
96:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 10:14:43.02 ID:qbvpxGk10
101:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 10:22:53.45 ID:flZ1wfTAO
おっさんは普段、俺を帰した後は朝方の公園で風呂と洗濯物をしてたんだけど
その一部始終見てしまった近所の人が通報して、
公園から帰ろとしたところに警察がやってきたんだそうな
でもおっさんは警察が自分に向かって歩いてくるのをいち早く察知して
事もあろうかその場から猛ダッシュで逃げたのだ
そして寝所を知られては終わりだと
念には念を入れて一日中街をうろついてたらしい
103:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 10:25:40.34 ID:B6awYj7k0
104:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 10:29:45.17 ID:tPAHqj/80
106:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 10:34:07.18 ID:flZ1wfTAO
おっさん「いやー…微妙やなぁ」
俺「えっ?逃げれたんやろ?」
おっさん「せやけどこんなちっちゃい町や。ここがバレんのも時間の問題やろなぁ」
俺「嘘やん…どないしよ…」
おっさん「どないしたもんかなぁー」
深刻な俺とは逆におっさんは呑気なもんだった
俺が手をつけずに残していた飯を食いながら、
今日は歩き疲れたわとか言って早々に土管へ潜り寝てしまったのだ
俺は腑に落ちないまま仕方なく家へ帰り、
珍しく家に居た母に何時だと思ってるんだとガミガミ怒られてしまった
108:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 10:36:43.38 ID:lyN1Rtsx0
109:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 10:37:00.83 ID:GcDKo98p0
まさか結末というのは・・・
110:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 10:38:31.80 ID:B6awYj7k0
115:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 10:46:19.78 ID:flZ1wfTAO
おっさんが下手くそな歌を唄いながらラジオ体操をしていて
すこし安心したのも束の間、
その日の夕方晩飯を一緒に食っていると
明日からバイトをするから昼間は来るなと言われてしまった
俺はまたおっさんが黙ってどこかに行くのではないかと
また不安になったけど夕方なら来ていいと言われたのでそれ以上は深く考えなかった
しかし別れは着実に近付いていたのだった
118:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 10:53:32.82 ID:flZ1wfTAO
相変わらずおっさんはおっさんのままで
飯を食いながらくだらない話ばかりしてた
と思ったらおっさんが唐突に言った
おっさん「明日遊びに行こかー」
119:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 10:53:48.99 ID:WnVn7AOp0
120:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 10:54:44.70 ID:B6awYj7k0
124:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 11:04:59.12 ID:flZ1wfTAO
と同時に嬉しかった
おっさんと出掛けたことなんてなかったし
何より夏休みの絵日記が真っ白だったから
それが埋まるのが最高に嬉しかった
おっさん「ほんでどこ行きたいねん」
俺「遊園地!」
即答だったと思う
ベタかもしれないけど、休みの日に遊園地へ行ったという同級生の話が
実はすごく羨ましかったのだ
おっさん「そうかーほんなら明日遊園地行こか」
俺「約束やからな!やっぱめんどいとか無しやからな!」
おっさん「どうやろなぁー」
俺「えーっ!!!!」
おっさん「ハイハイ嘘やて」
そんなこんなで翌日、空き地に集合して遊園地へ行くことになった
126:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 11:08:22.20 ID:B6awYj7k0
128:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 11:11:10.39 ID:jR3Z2Inv0
何の為のバイトだよ
127:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 11:11:08.52 ID:flZ1wfTAO
学校の遠足なんかじゃこれっぽっちも楽しみじゃなかったのに
おっさんと遊園地へ行くためにリュックサックを用意し、
お小遣で買ったお菓子やらを詰めるのは
それだけでワクワクしたのだった
翌日、朝早く起きた俺は張り切って弁当を作りリュックに入れて
水筒を肩から斜めにかけると浮足立つのを抑えながら空き地へ向かった
131:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 11:18:02.29 ID:flZ1wfTAO
とは少し違っていた
具体的に言うとまず無精髭が綺麗さっぱり無くなってて
髪もボサボサだったのがある程度切って整えられていた
顔も何だかサッパリしてて、まるで風呂に入れた後の野良犬のようだった
まぁ入れたことないから知らんけど
とにかく見違えるようなニュータイプに変貌していたのだ
服以外は
133:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 11:21:15.58 ID:MU2yfrOa0
135:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 11:27:35.47 ID:flZ1wfTAO
おっさん「おはよーさん。せやろ?ちょっと格好つけてみたんや。ええやろー」
俺「まぁ汚いよりはいいけど」
おっさん「お前は愛想無いやっちゃなぁ」
俺「服があかんわ」
おっさん「さすがにそこまで手回らんかってん。でもこれかて昨日洗濯したやつやねんで?」
俺「え~…」
実際は別にどうでもよかった
そもそもおっさんが小綺麗にしてくるなんて予想外だし
それはそれでもう慣れてたので周りの目も気にならなかったけど
せっかくここまで綺麗にしたのにと勿体ない気持ちが生まれたのだ
そして俺はまたしても妙案を思いついた
137:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 11:28:01.47 ID:kDvwLnFp0
こんなに人間的にいい人なのがホームレスにならないといけないなんて社会は厳しい
138:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 11:34:03.49 ID:RcQTKuPs0
139:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 11:40:02.09 ID:flZ1wfTAO
空き地からすぐそばにある自宅まで俺は猛ダッシュした
そして家へ入り、母が寝ている横を音を立てないように忍び足で通りタンスを開けた
そして少し悩んだ末に目的の物を持って、また猛ダッシュで空き地へ戻った
おっさん「なんやねん、忘れモンかぁ?」
俺「ちゃうわ!これ取りに行っててん。おっさんサイズ合うかな?」
おっさん「え?何やコレ、こんなデカいサイズの服どないしたんや?」
俺「それおとんのやつやねん。おかんがタンスにずっと仕舞ってたのん思い出してさぁ」
おっさん「はあぁ?返してこんかい。そんなん勝手に持ってくんなアホ」
俺「ええねんって。もう誰も着られへんし、勿体ないやんか」
そうして渡した服はおっさんにはちょっと小さかった
141:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 11:43:14.60 ID:TvIvspzcO
反則だろ
144:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 11:58:55.65 ID:flZ1wfTAO
睡魔が限界なので少しだけ寝ようと思います
あともうちょっとなんですけど
思い出深いとこなんでちゃんと書きたいなぁと
もしスレが残ってればスレに、落ちてたらまたスレ立てれれば書こうと思います
無言で寝落ちてしまう前に一言お知らせを
付き合っていただいたのにすみません
223:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 15:57:08.44 ID:flZ1wfTAO
落ちてると思ってたのでびっくり
保守ありがとうございます
では相変わらず遅いですが
のんびりお付き合いください
230:忍法帖【Lv=29,xxxPT】:2011/09/01(木) 16:04:07.57 ID:OjYc4xJR0
232:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 16:07:43.66 ID:n2LWl7nd0
233:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 16:09:43.51 ID:flZ1wfTAO
そしてするつもりもなかった
今思えば大人相手に気にすることもなかったのかもしれないけど
元々家庭の事情によってぼっちへと導かれてきた俺には
この話題は何が何でも言いたくなかった
だからおっさんは俺に父が居ないなんて
全く知らなかったはずなんだけど
察してくれたのだろうか
ピチピチのポロシャツと丈の短いズボンに身を包んだおっさんは
それ以上何も言ってはこなかった
そしていざ遊園地へ
237:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 16:20:55.70 ID:flZ1wfTAO
途中で乗り換えに失敗して責任のなすり付け合いをしながらも
どうにかこうにか遊園地に到着した
おっさん「大人1枚とガキ1枚」
俺「ガキなんて券売ってへんで」
おっさん「アホォ。子供って書いてガキって読むんじゃ」
俺「じゃあ大人って書いておっさんって読むんかー」
おっさん「うわっ、憎そいのー」
俺「すいませーん!おっさん1枚とガキ1枚くださーい!」
そして無事チケットを入手し中へ入ると
そこはもう俺にとっては夢の国だった
今みたいに凝ったアトラクションがあるわけでも
ましてやネズミがいるわけでもなかったけど
豪華な電飾に彩られた世界に俺は大興奮したのを覚えている
238:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 16:26:11.26 ID:Kvkjjhvv0
242:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 16:31:19.33 ID:flZ1wfTAO
まず目に入ってきたのはこれだった
俺「おっさん!おっさん!」
おっさん「何や便所か?早いのー」
俺「ちゃうわ!ほら、あれ乗ろうや!」
おっさん「んー?どれやねん」
俺「あの飛行機みたいなやつ」
おっさん「紐でブンブン回されてるやつか?」
俺「そうそう!」
おっさん「うわぁ…」
今でも正式名はわからないけど
デカい円柱の上ほうからワイヤーが吊してあって
その先に飛行機がくっついてて円柱が回転すると
遠心力的なもので飛行機が結構なスピードでブンブン回るやつ
おわかりいただけるだろうか?
243:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 16:33:52.02 ID:YDR8eqZz0
244:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 16:42:23.55 ID:nSYIyr/J0
245:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/01(木) 16:43:06.92 ID:flZ1wfTAO
おっさん「あれめっちゃ怖そうやん…」
俺「なんで?楽しそうやん!空飛んでるみたいやん!」
おっさん「お前なぁ、あの紐取れてほんまに飛んで行ったらどないすんねん」
俺「え…?あれ取れるん?」
おっさん「紐つけてんやったら紐取れることだってあるやろ」
俺「ほんならおっさん一回乗って確認してきてや」
おっさん「しばくぞボケ」
俺は嫌がるおっさんの手を引いて何とか乗ることに成功した
一人乗り用だったので乗ってる最中におっさんがどんな顔してたかはわからないけど
終わって飛行機が停止しても
しばらくおっさんは座ったまま口半開き状態だった
後編あるのか
途中で終わったかと思った。
つづきはよ
こういうストーリーすき
菊次郎の夏
ホームレスみたいな不潔で臭いやつと飯とか吐くわ。
和製スタンドバイミー
懐かしいなぁ
すてきやん(*´ω`)